子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第9章 2年目のニンデリー王立学園での生活は、波乱含みの授業参観から。

735.マーゴット。まどろっこしいことはしない。最初から売られた喧嘩を高く買う。

「ニンデリー王立学園での学生の学びを保護者に発表する場としよう。」
と1日教授。

学生に教える立場にいないなりに、何かを指導するかと思いきや、何にもしないのか。

ハーマルは、マーゴットを付き合わせた意味がないと内心憤慨していた。

魔法立国の貴族を謳っておきながら、魔法を見せもしない、語りもしない、とは、どういう了見だ。

私の妹のためにならないことをやったからには、後でこらしめよう、とハーマルは思った。

バネッサは、ハーメリー・ジョンストンの姿を見つけて警戒している。

バネッサは、ジョンストン伯爵家の養女ハーメリー・ジョンストンと、嫡女ナユカ・ジョンストンの両方を知っているが、どちらも問題人物だ。

ハーメリー・ジョンストンは、嫡女のナユカ・ジョンストンとは異なり、第2王子派のクラスである1組に在籍している。

ナユカ・ジョンストンは、中立を宣言していたが、実質的には第1王子派閥だ。

ハーメリー・ジョンストンがいるということは、今後、ニンデリー王国の第2王子派閥が、バネッサ達に関わろうとしてきたりするのだろうか？

とても、嫌だ。利用されたくない。

第2王子には、同母の妹である第2王女がいる。

マーゴット、キャスリーヌ、バネッサと同い年で、ハーメリー・ジョンストンと同じ1組に在籍している第2王女。

今まで、バネッサに、ニンデリー王国の第2王女との交流はなかった。

今後も、交流なしを希望する。

ニンデリー王国の王家も、ニンデリー王国も、問題がありすぎて、関われば、バネッサの首を絞めることになるだろう。

第2王女は、ハーメリー・ジョンストンと同じ1組だが、仲の良い女子学生を作らないままだ。

複数の男子学生と常に一緒にいる学生生活を2年目も続けている第2王女。

ニンデリー王国の第2王女と懇意にしていている男子学生は、第2王女の取り巻きなのか、側近なのか、花婿候補なのか。

近づく気がないから、調べていなかった。

ニンデリー王国の貴族の学生とのやりとりが増えたときに調べておけば良かった、とバネッサは少しばかり後悔している。

マーゴットは、1日教授が、何かを言い出す前に、さらっと言った。

「わたしのお兄様とわたしといる学生の一団は、授業参観風景を見るのみにとどめる。

わたし達は、学生として発表をしない。

授業に手は貸さない。

発表は、そちらに協力する学生で間に合わせなさい。」
とマーゴット。

「学生がそんなことを言ったらダメよね？
先生は、わざわざ来てくれたんだから。
先生の言うことはちゃんと聞かないと。
ねえ、先生？」
と平民の学生が、1日教授に話しかける。

「わたしの前にいる教授に、受け持った授業をする能力があるとでも？」
とマーゴット。