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第9章 2年目のニンデリー王立学園での生活は、波乱含みの授業参観から。

726.スラッルス・トークンの叔父と従兄弟とマーゴット達との初邂逅は?

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ハーマルは、近づいてくる男2人に気づいた。

男2人が、先頭にいるハーマルとマーゴットを目指していないことに、ハーマルは、内心眉をひそめている。

成人男性であるハーマルを避けて、後ろにいる子ども達に向かってくるなんて、ろくなやつじゃない。

ハーマルは、マーゴット達の集団で唯一の成人男性。

ハーマルは、やる気を出した。

私が守らないと、と。

ハーマルの感覚的に、年端のいかない女の子が多い集団目がけて迷わずやってくる成人男性は、警戒対象だ。

成人男性であるハーマルには突っぱねられるような無理難題を言ってくるつもりかもしれない。

無理難題を言ってきたら、大人として、ハーマルがびしっとはねつけてやらねば。

気合いを入れるハーマル。

マーゴットは、やる気を出しているハーマルの隣で、静観することにした。

ハーマルお兄様は、成長された。

外交部勤務が、ハーマルお兄様の成長を促したのだろうとマーゴットは、推測している。

面倒事をぶつけてこようとする男2人に立ち向かう気満々のハーマル。

マーゴットが、キャスリーヌとバネッサとコーハ王国を出国しようとしたとき。

アレックスをハーマルには任せられなかった。

ハーマルに同行していた公爵子息にうまくやっとけ、とアレックスを丸投げしたわけだが。

アレックスは、1年間野放しになっていたようなので、公爵子息には荷が重かったのかもしれない。

出国前に、アレックスを病死させるよう、マーゴットが手配しておけば、1年間もアレックスを野放しにする結果にはならなかった。

アレックスを1年間野放しにして、アレックスを締め上げて芋づる式に分かったこともある。

結果だけを見ると、アレックスを野放しにしていたことを失敗と断ずることはできない。

次回会ったときに、二度目はない、と公爵子息を脅しておくか、とマーゴットは考えている。

近づいてくる男2人に見覚えがないベリーベリー・イニーは、無遠慮な人達だと感じている。

ベリーベリー・イニーの目から見て、隣にいるスラッルス・トークンの元気がなさそうだ。

近づいてくる男2人が、スラッルス・トークンの関係者だから、知り合いに会って憂鬱なのか。

成人男性と戦って切り刻まれた恐怖から、成人男性に会うのが憂鬱になっているのか。

スラッルス・トークンの内面まで、ベリーベリー・イニーには分からない。

近づいてくる男2人が、スラッルス・トークンを憂鬱にする原因なら、立つ場所を変わろう、とベリーベリー・イニーは考えて、スラッルス・トークンの手を引っ張る。

男2人のうちスラッルス・トークンの叔父は、周りを気にする様子もなく、声をかけてきた。

「元気でやっているようだ。」

続いて、従兄弟は、スラッルス・トークンの手を引っ張るベリーベリー・イニーに向けて言葉を発した。

「その手をどけろ。」
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