子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

かざみはら まなか

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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

658.団結のドレマンとは?マーゴットが、シグル・ドレマンに対して、シグル・ドレマン自身が変わるまで待った理由。

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マーゴットは、ニンデリー王国に来るにあたり、ざっくりと建国の歴史をおさえてきている。

シグル・ドレマンのドレマン家。
ドレマン家と共に生きてきたドレマンの民。

ドレマンの民は、ニンデリー王国がこの土地に国を興す前から、この土地に住んでいた。

ドレマンの民が住んでいる土地は、豊穣な土地とは言いがたかったが、人が好んで住もうとしない分、競争相手がいない土地だった。

ドレマンの民は、ドレマンの民として、力を合わせて苦境を乗り切ってきた。

ドレマンの民は、団結することで、生き延びてきたのだ。

ドレマンの民は、ドレマンの民だけで、力を合わせて生き延びてきた歴史があるため、ドレマンの民は信用するが、ドレマンの民以外には不寛容だ。

ドレマンの民が、ナンシー・ボーンの家族に無条件に味方して、他所からきたベリーベリー・イニーとその家族に対して攻撃することを迷わなかった理由は、ナンシー・ボーンとその家族がドレマンの民だから。

ナンシー・ボーンとその家族がドレマンの民だから、他所者のベリーベリー・イニーとその家族に対して、ドレマンの民は団結力を発揮した。

ドレマンの民の団結力は、ドレマンの民の習性。

ドレマンの民であることの証明、ドレマンの民らしさ、と言い換えることができる。

ドレマン家とドレマンの民の関係が、貴族と平民というより、お隣さん感覚なのは、ドレマン家の興りが、ドレマンの民の代表という立場から始まったからだ。

ニンデリー王国が建国されるとき。
『代表なら、偉いんだから、代表は貴族にしよう』
とニンデリー王国の国王陛下が決めたため、ドレマン家は、ニンデリー王国の貴族になった。

ドレマン家に、由緒正しいなんとか、というものはない。

ドレマンの民の、ドレマン家を敬う気持ちは、ドレマンの立場で交渉を引き受ける代表に付随するもの。

貴族に対するような敬意をドレマン家には払え、と言われても、ドレマンの民には、理解不能。

私達の代表を貴族として敬うなら、私達も敬意を払われてしかるべし、とドレマンの民は考える。

ドレマンの民の団結力は、それほどに強固なのだ。

マーゴットは、シグル・ドレマンを矯正しなかったのは、ドレマンというものは、理解して納得しなければ、受け入れず従わないと承知していたから。

ニンデリー王国の貴族は、ドレマン家の本家と分家のゴタゴタに乗じて、ドレマンの民の切り崩しを行っている。

ニンデリー王国は、ドレマンの民を滅ぼしたいのだろうか?
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