子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

かざみはら まなか

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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

657.『私達は、団結のドレマン』使用人もどきはドレマンの民に関わりたくない。ナンシー・ボーンの母と、牢屋から出すようにと騒ぐドレマンの民。

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どんな屁理屈だ?
と使用人もどきは、げんなりした。

マーゴットに呼ばれているのは、ナンシー・ボーンの母のみ。

牢屋の中の、その他大勢は、お呼びではない。

「私達も連れていくのよ!」
とナンシー・ボーンの母が入っていた牢屋の中のドレマンの民が騒ぐ。

「俺達も!」
と別の牢屋に入っている囚人も騒ぎに便乗した。

面倒くさいことになった、と使用人もどきは、思う。

騒ぎを聞きつけて、本物の使用人が、駆けつけるかもしれない。

ナンシー・ボーンの母だけは、急いで連れて行こう、と使用人もどきは考えた。

「呼ばれたナンシー・ボーンの母が、呼んだ人に自分で確認したらいい。」
と使用人もどき。

「二度手間だし。戻って来なかったら、困る。
皆、ボーンさんと一緒に動くわよ。」
と牢屋の中のドレマンの民。

いや、お前が仕切るんじゃない、牢屋の中で、仕切るな、勝手に。
と、使用人もどきは、腹の中でツッコミを入れている。

ナンシー・ボーンの母は、というと。

「そんなに一緒に来たいなら、私の言う通りにしてもらうから。」
と、牢屋の中のドレマンの民に言っている。

なんだよ、こいつら。
勘弁してくれよ。
とげんなりした使用人もどきは、ナンシー・ボーンの母だけしか連れていく気がなかった。

ナンシー・ボーンの母一人だけでも、問題がありなのに、ナンシー・ボーンの母の同じような人の寄せ集めを連れていきたくない。

牢屋の中には、人の言う事を聞かないタイプしかいない。

貴族と接点を作っては、ダメな平民の集まり。

「早く出して。」
とナンシー・ボーンの母は、使用人もどきを顎でしゃくった。

ナンシー・ボーンの母は、マーゴットがどんな理由で自分を呼んでいるかについては、失念していた。

マーゴットは、ナンシー・ボーンの母を助けにきたわけではない。

マーゴットは、ナンシー・ボーンの母に命じたのだ。

ニンデリー王国の貴族に連れて行かれたナンシー・ボーンの父と弟がどういう扱いを受けているか、確認して、マーゴットまで報告にこい、と。

マーゴットは、ナンシー・ボーンの母が報告に来ないから、報告を聞きにきた。

ナンシー・ボーンの母が、自力で屋敷から脱出していて、マーゴットに報告できていたら、マーゴットは、ナンシー・ボーンの母を連れてこい、とは言わない。

マーゴットは、ナンシー・ボーンの家族に直接賠償させられない場合、ナンシー・ボーンの家族を雇う貴族に賠償させる腹積もりで来ている。

そのための、確認だからだ。

夫と息子を殺した貴族ではなく、家に来て騒いでいた少女が迎えにきたなら、何も心配いらない、とナンシー・ボーンの母は、余裕を取り戻した。

「私達は、団結のドレマン、ドレマンの民。」
と、ナンシー・ボーンの母。
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