650 / 776
第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
649.マーゴットに命じられた屋敷の使用人は、仲間を呼び集めようとしたけれど?『地下に投げ込まれるか、階段を二足歩行するか、選びなさい。』
しおりを挟む
1分後。
誰も寄ってこない。
2分後。
近づいてくる足音さえ聞こえない。
使用人は、うろうろして、誰かを呼びに行きたい。
ついでに、逃げ出したい。
でも、マーゴットの魔力による圧をかけられながらじゃ、うろうろできない。
人の近づいてくる気配なし、とマーゴットは、判断した。
来ない人を待つ?
そんなことはしない。
「行きなさい。」
とマーゴットは、使用人に階段を示した。
「まだ、誰か来るかもしれないから。」
と渋る使用人をマーゴットは、魔法で引き寄せ、地下への階段の上に浮かせる。
「二つに一つ。地下に投げ込まれるか、階段を二足歩行するか、選びなさい。」
とマーゴットは、使用人に迫る。
「魔法、反対。二足歩行で。」
と使用人。
マーゴットは、階段の中程に、使用人を立たせた。
「部屋の準備をする者の手配が間に合わないことは、咎めない。」
とマーゴット。
「部屋の準備なんてする暇なかったけど?」
と使用人は、ぶつくさ言いながら、階段をおりていく。
ベリーベリー・イニーは、屋敷の使用人のフレンドリーさに首をかしげる。
マーゴットとベリーベリー・イニーに見つかった後も、使用人には慌てた様子がなかった。
階段をおりていく使用人は、軽快な足取りだ。
マーゴットは、使用人が、一介の使用人ではないことを見抜いている。
屋敷の使用人ではない。
屋敷に潜んでいた、他所からの侵入者だ。
マーゴット達の先客。
マーゴットがベリーベリーと屋敷に入ってくる前に、屋敷に潜入していた先客は、トレメイヤ王国民が魔法で屋敷を閉じてしまったために、出られなくなった。
マーゴットとベリーベリー・イニーについていけば、出られるとふんで、使用人のフリをして近づいてきている。
マーゴットは、屋敷の警備がなっていないのではないか、と思っている。
他所の国の貴族の警備の質について人前で語るほど、品がないことはないので、口には出さないが。
マーゴットが、思っているほど、屋敷の警備の質が悪かったわけではなかった。
トレメイヤ王国民による急襲が、先手を打った分、マーゴット側が有利だったのだ。
地下への階段をおりていく使用人もどきは、この屋敷の地下がどんな場所かよく知っている。
人が、長居する場所ではない。
使用人もどきに命令しなれている少女は、人を使うことが身についている身分だから、足を踏み入れなかったのだろう。
好奇心に負けて、足を踏み入れては、見たくないものを見ることになっていた。
使用人もどきは、すたすたと歩いて、ナンシー・ボーンの母の元へ向かった。
誰も寄ってこない。
2分後。
近づいてくる足音さえ聞こえない。
使用人は、うろうろして、誰かを呼びに行きたい。
ついでに、逃げ出したい。
でも、マーゴットの魔力による圧をかけられながらじゃ、うろうろできない。
人の近づいてくる気配なし、とマーゴットは、判断した。
来ない人を待つ?
そんなことはしない。
「行きなさい。」
とマーゴットは、使用人に階段を示した。
「まだ、誰か来るかもしれないから。」
と渋る使用人をマーゴットは、魔法で引き寄せ、地下への階段の上に浮かせる。
「二つに一つ。地下に投げ込まれるか、階段を二足歩行するか、選びなさい。」
とマーゴットは、使用人に迫る。
「魔法、反対。二足歩行で。」
と使用人。
マーゴットは、階段の中程に、使用人を立たせた。
「部屋の準備をする者の手配が間に合わないことは、咎めない。」
とマーゴット。
「部屋の準備なんてする暇なかったけど?」
と使用人は、ぶつくさ言いながら、階段をおりていく。
ベリーベリー・イニーは、屋敷の使用人のフレンドリーさに首をかしげる。
マーゴットとベリーベリー・イニーに見つかった後も、使用人には慌てた様子がなかった。
階段をおりていく使用人は、軽快な足取りだ。
マーゴットは、使用人が、一介の使用人ではないことを見抜いている。
屋敷の使用人ではない。
屋敷に潜んでいた、他所からの侵入者だ。
マーゴット達の先客。
マーゴットがベリーベリーと屋敷に入ってくる前に、屋敷に潜入していた先客は、トレメイヤ王国民が魔法で屋敷を閉じてしまったために、出られなくなった。
マーゴットとベリーベリー・イニーについていけば、出られるとふんで、使用人のフリをして近づいてきている。
マーゴットは、屋敷の警備がなっていないのではないか、と思っている。
他所の国の貴族の警備の質について人前で語るほど、品がないことはないので、口には出さないが。
マーゴットが、思っているほど、屋敷の警備の質が悪かったわけではなかった。
トレメイヤ王国民による急襲が、先手を打った分、マーゴット側が有利だったのだ。
地下への階段をおりていく使用人もどきは、この屋敷の地下がどんな場所かよく知っている。
人が、長居する場所ではない。
使用人もどきに命令しなれている少女は、人を使うことが身についている身分だから、足を踏み入れなかったのだろう。
好奇心に負けて、足を踏み入れては、見たくないものを見ることになっていた。
使用人もどきは、すたすたと歩いて、ナンシー・ボーンの母の元へ向かった。
11
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる