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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
628.マーゴットの3番目の兄ハーマルとアレックス、ニンデリー王国で3度目の邂逅を果たした。
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マーゴットの3番目の兄ハーマルは、マーゴットと同じ茶色の髪と瞳をしている。
マーゴットに向かって手を振るハーマルからは、温和そうな空気が溢れていた。
マーゴットが、どんなときも堂々としている分、ハーマルの妹への気遣いや優しさが、上限突破しているかのように見える。
誰がどう見ても、妹が大好きなお兄さん。
ベリーベリー・イニーは、優しいお兄さんって、いいな、と思った。
妹が、呼んだら、走ってくる兄。
「待たせたね。さあ、取り掛かろう。」
とハーマルは、言うと。
何も説明しないマーゴットの手から、アレックスの縄を受け取った。
キャスリーヌからアレックスがいたという報告は受けていたハーマルは、マーゴットが、アレックスをぐるぐる巻きにしていた、という状況から、アレックスを野放しにしてはいけないことを瞬時に理解した。
「おい。なんで、当たり前のように、縄を持っている。縄をとけ!犯罪だ!」
とアレックス。
ハーマルとアレックスは、面識がある。
なんなら、今回で、顔を合わすのは3度目。
一度目、マーゴットとキャスリーヌとバネッサがニンデリー王国に行くときの見送りにいったとき。
アレックスが妹のバネッサを脅したので、ハーマルと同行した公爵子息が、アレックスの首根っこを押さえて、王都に連れ戻した。
2度目は、外交部で、ハーマルが召喚状をアレックスに出して、呼びつけた経緯がある。
ハーマルの中でのアレックスは、マーゴットの中のアレックスよりも度し難い存在だ。
顔を合わせるだけで、腹が立つ。
ハーマルにとって、アレックスは、可愛い妹のマーゴットに迷惑をかける諸悪の根源でしかない。
ここが、外国の路上でも、目撃者がいなければ、とハーマルが考えてしまうのは仕方がないことだと言える。
そんなハーマルなので、アレックスに対する優しさは、ゼロ。
アレックスの方は、というと。
安定のハズレっぷりを発揮していた。
アレックスは、一目見て、ハーマルがハーマルだと分からなかった。
アレックスが、召喚状で、召喚された当時に遡る。
アレックスに召喚状を出したハーマルを見たアレックスの感想は、地味な新人、というものだった。
顔も出で立ちも派手さがないハーマルの印象は、アレックスの中では薄かった。
召喚の聴取で現れた、内政担当の公爵家子息がハーマルの隣に着席したときに、アレックスは、やっと思い出した。
アレックスが、妹のバネッサ達とコーハ王国を出国しようとした際。
公爵子息と一緒に国境にいて、公爵子息がアレックスを国外に出さないようにするのを手伝った、アレックスより地味な男。
アレックスの召喚状を読み上げる、目の前にいる地味な男に苛立った。
『下っ端が書類仕事を任されて書いたぐらいで、いい気になって。
公爵子息の下で仕事をしていたら、公爵子息の権限も使い放題か?』
と喧嘩を売っている自覚もなく、アレックスは喧嘩を売っていた。
マーゴットに向かって手を振るハーマルからは、温和そうな空気が溢れていた。
マーゴットが、どんなときも堂々としている分、ハーマルの妹への気遣いや優しさが、上限突破しているかのように見える。
誰がどう見ても、妹が大好きなお兄さん。
ベリーベリー・イニーは、優しいお兄さんって、いいな、と思った。
妹が、呼んだら、走ってくる兄。
「待たせたね。さあ、取り掛かろう。」
とハーマルは、言うと。
何も説明しないマーゴットの手から、アレックスの縄を受け取った。
キャスリーヌからアレックスがいたという報告は受けていたハーマルは、マーゴットが、アレックスをぐるぐる巻きにしていた、という状況から、アレックスを野放しにしてはいけないことを瞬時に理解した。
「おい。なんで、当たり前のように、縄を持っている。縄をとけ!犯罪だ!」
とアレックス。
ハーマルとアレックスは、面識がある。
なんなら、今回で、顔を合わすのは3度目。
一度目、マーゴットとキャスリーヌとバネッサがニンデリー王国に行くときの見送りにいったとき。
アレックスが妹のバネッサを脅したので、ハーマルと同行した公爵子息が、アレックスの首根っこを押さえて、王都に連れ戻した。
2度目は、外交部で、ハーマルが召喚状をアレックスに出して、呼びつけた経緯がある。
ハーマルの中でのアレックスは、マーゴットの中のアレックスよりも度し難い存在だ。
顔を合わせるだけで、腹が立つ。
ハーマルにとって、アレックスは、可愛い妹のマーゴットに迷惑をかける諸悪の根源でしかない。
ここが、外国の路上でも、目撃者がいなければ、とハーマルが考えてしまうのは仕方がないことだと言える。
そんなハーマルなので、アレックスに対する優しさは、ゼロ。
アレックスの方は、というと。
安定のハズレっぷりを発揮していた。
アレックスは、一目見て、ハーマルがハーマルだと分からなかった。
アレックスが、召喚状で、召喚された当時に遡る。
アレックスに召喚状を出したハーマルを見たアレックスの感想は、地味な新人、というものだった。
顔も出で立ちも派手さがないハーマルの印象は、アレックスの中では薄かった。
召喚の聴取で現れた、内政担当の公爵家子息がハーマルの隣に着席したときに、アレックスは、やっと思い出した。
アレックスが、妹のバネッサ達とコーハ王国を出国しようとした際。
公爵子息と一緒に国境にいて、公爵子息がアレックスを国外に出さないようにするのを手伝った、アレックスより地味な男。
アレックスの召喚状を読み上げる、目の前にいる地味な男に苛立った。
『下っ端が書類仕事を任されて書いたぐらいで、いい気になって。
公爵子息の下で仕事をしていたら、公爵子息の権限も使い放題か?』
と喧嘩を売っている自覚もなく、アレックスは喧嘩を売っていた。
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