子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
621 / 800
第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

620.アレックスは、マーゴットを見ても、マーゴットが誰だか分からない様子。マーゴットは、バネッサのハズレ兄アレックスを簀巻きにしたい。

しおりを挟む
マーゴットに名前を呼ばれたアレックスは、ぎょっとして振り返った。

「アレックス・オッドア。返事をしなさい。」
マーゴットは、アレックス・オッドア本人に間違いがないことを確認する。

振り返ったアレックスは、後ろにいたマーゴットとベリーベリー・イニーをみとめた。

「誰だ、お前達。お前達、俺の邪魔をしにきたんだな?」
とアレックス。

マーゴットとベリーベリー・イニーは、結果的に、バネッサのダメ兄アレックスの邪魔をしにきたことになったけれど、邪魔されたことにすぐ気づくんだ、とベリーベリー・イニーは思った。

マーゴットは、邪魔が入ると考えるような、ろくでもないことをしでかそうとしていたアレックスをさっさと連れていって、尋問しようと考えている。

ベリーベリー・イニーは、アレックスが、マーゴットを見ても、誰だか分からないことに驚いた。

茶色い髪と瞳の人は少なくないけれど、利用しようとして、妹と一緒に会っているのに、誰だか分からないことってある?

マーゴットが誰だか、分からないフリをしている?

ベリーベリー・イニーは、不思議に思った。

マーゴットは、アレックスの反応から、アレックスがマーゴットのことを認識していないおおよその理由を推測した。

マーゴットとキャスリーヌの組み合わせではないから。

アレックスに見覚えがあるのは、マーゴットとキャスリーヌのセット。

マーゴットとベリーベリー・イニーのセットは、アレックスにとって、初見になる。

アレックスは、マーゴットとキャスリーヌを利用しようと浅知恵を働かせたとき、マーゴットとキャスリーヌが子爵家と男爵家の娘で、アレックスの妹バネッサと同い年くらいの知識しか持っていなかった。

アレックスは、小柄で気が弱そうに見える茶色い髪と瞳の少女の2人組として、マーゴットとキャスリーヌを認識している。

どちらが、マーゴットか、なんて、見分けるほどの興味を、アレックスはマーゴットに持っていなかった。

コーハ王国の貴族子弟ながら、ニンデリー王国の友達が困っているから、低位貴族の家の娘なら、伯爵家に逆らえないし、使ってもらえばいい、という思考をしていたアレックスは、マーゴットとキャスリーヌに自身に興味がなかった。

アレックスが気づかないなら、マーゴットは、わざわざ名乗らない。

歩かせる、簀巻きにして転がす、どちらがいいかな、とマーゴットは考える。

簀巻きにして転がそうか。

人は、どれだけの距離を転がれるか、挑戦させてみるのも一興。

マーゴットは、アレックスに対して、親切な対応をする気はない。

マーゴットの横にいるのは、無事に友達になったベリーベリー・イニー。

マーゴットは、マーゴット自身が気づかないところで、張り切っている。

「待て、待て。」
とアレックス。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

H.I.S.A.H.I.T.O. みだりにその名を口にしてはならない小説がある。

あめの みかな
ファンタジー
教会は、混沌の種子を手に入れ、神や天使、悪魔を従えるすべを手に入れた。 後に「ラグナロクの日」と呼ばれる日、先端に混沌の種子を埋め込んだ大陸間弾道ミサイルが、極東の島国に撃ち込まれ、種子から孵化した神や天使や悪魔は一夜にして島国を滅亡させた。 その際に発生した混沌の瘴気は、島国を生物の住めない場所へと変えた。 世界地図から抹消されたその島国には、軌道エレベーターが建造され、かつての首都の地下には生き残ったわずかな人々が細々とくらしていた。 王族の少年が反撃ののろしを上げて立ち上がるその日を待ちながら・・・ ※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです

ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」 宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。 聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。 しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。 冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

何故、わたくしだけが貴方の事を特別視していると思われるのですか?

ラララキヲ
ファンタジー
王家主催の夜会で婚約者以外の令嬢をエスコートした侯爵令息は、突然自分の婚約者である伯爵令嬢に婚約破棄を宣言した。 それを受けて婚約者の伯爵令嬢は自分の婚約者に聞き返す。 「返事……ですか?わたくしは何を言えばいいのでしょうか?」 侯爵令息の胸に抱かれる子爵令嬢も一緒になって婚約破棄を告げられた令嬢を責め立てる。しかし伯爵令嬢は首を傾げて問返す。 「何故わたくしが嫉妬すると思われるのですか?」 ※この世界の貴族は『完全なピラミッド型』だと思って下さい…… ◇テンプレ婚約破棄モノ。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

思わず呆れる婚約破棄

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある国のとある夜会、その場にて、その国の王子が婚約破棄を言い渡した。 だがしかし、その内容がずさんというか、あまりにもひどいというか……呆れるしかない。 余りにもひどい内容に、思わず誰もが呆れてしまうのであった。 ……ネタバレのような気がする。しかし、良い紹介分が思いつかなかった。 よくあるざまぁ系婚約破棄物ですが、第3者視点よりお送りいたします。

処理中です...