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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
620.アレックスは、マーゴットを見ても、マーゴットが誰だか分からない様子。マーゴットは、バネッサのハズレ兄アレックスを簀巻きにしたい。
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マーゴットに名前を呼ばれたアレックスは、ぎょっとして振り返った。
「アレックス・オッドア。返事をしなさい。」
マーゴットは、アレックス・オッドア本人に間違いがないことを確認する。
振り返ったアレックスは、後ろにいたマーゴットとベリーベリー・イニーをみとめた。
「誰だ、お前達。お前達、俺の邪魔をしにきたんだな?」
とアレックス。
マーゴットとベリーベリー・イニーは、結果的に、バネッサのダメ兄アレックスの邪魔をしにきたことになったけれど、邪魔されたことにすぐ気づくんだ、とベリーベリー・イニーは思った。
マーゴットは、邪魔が入ると考えるような、ろくでもないことをしでかそうとしていたアレックスをさっさと連れていって、尋問しようと考えている。
ベリーベリー・イニーは、アレックスが、マーゴットを見ても、誰だか分からないことに驚いた。
茶色い髪と瞳の人は少なくないけれど、利用しようとして、妹と一緒に会っているのに、誰だか分からないことってある?
マーゴットが誰だか、分からないフリをしている?
ベリーベリー・イニーは、不思議に思った。
マーゴットは、アレックスの反応から、アレックスがマーゴットのことを認識していないおおよその理由を推測した。
マーゴットとキャスリーヌの組み合わせではないから。
アレックスに見覚えがあるのは、マーゴットとキャスリーヌのセット。
マーゴットとベリーベリー・イニーのセットは、アレックスにとって、初見になる。
アレックスは、マーゴットとキャスリーヌを利用しようと浅知恵を働かせたとき、マーゴットとキャスリーヌが子爵家と男爵家の娘で、アレックスの妹バネッサと同い年くらいの知識しか持っていなかった。
アレックスは、小柄で気が弱そうに見える茶色い髪と瞳の少女の2人組として、マーゴットとキャスリーヌを認識している。
どちらが、マーゴットか、なんて、見分けるほどの興味を、アレックスはマーゴットに持っていなかった。
コーハ王国の貴族子弟ながら、ニンデリー王国の友達が困っているから、低位貴族の家の娘なら、伯爵家に逆らえないし、使ってもらえばいい、という思考をしていたアレックスは、マーゴットとキャスリーヌに自身に興味がなかった。
アレックスが気づかないなら、マーゴットは、わざわざ名乗らない。
歩かせる、簀巻きにして転がす、どちらがいいかな、とマーゴットは考える。
簀巻きにして転がそうか。
人は、どれだけの距離を転がれるか、挑戦させてみるのも一興。
マーゴットは、アレックスに対して、親切な対応をする気はない。
マーゴットの横にいるのは、無事に友達になったベリーベリー・イニー。
マーゴットは、マーゴット自身が気づかないところで、張り切っている。
「待て、待て。」
とアレックス。
「アレックス・オッドア。返事をしなさい。」
マーゴットは、アレックス・オッドア本人に間違いがないことを確認する。
振り返ったアレックスは、後ろにいたマーゴットとベリーベリー・イニーをみとめた。
「誰だ、お前達。お前達、俺の邪魔をしにきたんだな?」
とアレックス。
マーゴットとベリーベリー・イニーは、結果的に、バネッサのダメ兄アレックスの邪魔をしにきたことになったけれど、邪魔されたことにすぐ気づくんだ、とベリーベリー・イニーは思った。
マーゴットは、邪魔が入ると考えるような、ろくでもないことをしでかそうとしていたアレックスをさっさと連れていって、尋問しようと考えている。
ベリーベリー・イニーは、アレックスが、マーゴットを見ても、誰だか分からないことに驚いた。
茶色い髪と瞳の人は少なくないけれど、利用しようとして、妹と一緒に会っているのに、誰だか分からないことってある?
マーゴットが誰だか、分からないフリをしている?
ベリーベリー・イニーは、不思議に思った。
マーゴットは、アレックスの反応から、アレックスがマーゴットのことを認識していないおおよその理由を推測した。
マーゴットとキャスリーヌの組み合わせではないから。
アレックスに見覚えがあるのは、マーゴットとキャスリーヌのセット。
マーゴットとベリーベリー・イニーのセットは、アレックスにとって、初見になる。
アレックスは、マーゴットとキャスリーヌを利用しようと浅知恵を働かせたとき、マーゴットとキャスリーヌが子爵家と男爵家の娘で、アレックスの妹バネッサと同い年くらいの知識しか持っていなかった。
アレックスは、小柄で気が弱そうに見える茶色い髪と瞳の少女の2人組として、マーゴットとキャスリーヌを認識している。
どちらが、マーゴットか、なんて、見分けるほどの興味を、アレックスはマーゴットに持っていなかった。
コーハ王国の貴族子弟ながら、ニンデリー王国の友達が困っているから、低位貴族の家の娘なら、伯爵家に逆らえないし、使ってもらえばいい、という思考をしていたアレックスは、マーゴットとキャスリーヌに自身に興味がなかった。
アレックスが気づかないなら、マーゴットは、わざわざ名乗らない。
歩かせる、簀巻きにして転がす、どちらがいいかな、とマーゴットは考える。
簀巻きにして転がそうか。
人は、どれだけの距離を転がれるか、挑戦させてみるのも一興。
マーゴットは、アレックスに対して、親切な対応をする気はない。
マーゴットの横にいるのは、無事に友達になったベリーベリー・イニー。
マーゴットは、マーゴット自身が気づかないところで、張り切っている。
「待て、待て。」
とアレックス。
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