子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

かざみはら まなか

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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

597.ナンシー・ボーンの母が出ていった、ナンシー・ボーンの家には、マーゴット、ミノカサゴ、霊獣シジミ、ジュゴン先生がいる。

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「ナンシーは、本当に無事なんでしょうね?」
とナンシー・ボーンの母。

「わたしにナンシー・ボーンを殺す理由がなくて、ナンシー・ボーンを生かす理由があれば、生かす。

今は、どちらもない、フラットな状態。

ナンシー・ボーンを生かしたいなら、生かすだけの利点を、わたしに差し出しなさい。

ナンシー・ボーンを生かす利点を差し出さないなら、差し出さないで、わたしは構わない。

ナンシー・ボーンの生殺与奪を握っているのは、わたしであることに、変わりはない。」
とマーゴット。

ナンシー・ボーンの母は、マーゴットを睨むと、バタバタと駆け出して、家を出ていった。

マーゴットは、腰につけているカバンを開ける。

ミノカサゴが、ふよふよ、とカバンから出てきて、マーゴットの顔の横に並ぶ。

マーゴットは、ポケットの上から霊獣シジミがいることを確認して、霊獣シジミをポケットから取り出し、掌に乗せた。

「ジュゴン先生には、お聞きしたいことがあります。

このまま、お時間をいただきたいと思います。」
とマーゴット。

「このときを待っていたわ。ガランの娘。」
とジュゴン先生。

マーゴットは、魚の霊も、ナンシー・ボーンも、ナンシー・ボーンの母親いなくなった、ナンシー・ボーンの家に、音漏れしないような魔法を施す。

マーゴット、ミノカサゴ、霊獣シジミ、ジュゴン先生の話し合いの始まり、始まり。

「ジュゴン先生には、先にお伝えしておきます。

わたしは、ご存知の通り、創世の十傑ガラン家当主の第5子、マーゴット・ガラン。

わたしの横にいるのは、わたしの相棒ミノカサゴ。

わたしの掌にいるのは、ガラン領の固有種、霊獣シジミです。」
とマーゴット。

「ガラン家当主の子どもを呼んで正解だったわ。」
とジュゴン先生。

「この度のことが公になる前におさめられたのは、ジュゴン先生の差配の賜物です。

創世の十傑ガラン家当主の第5子マーゴットが、お礼を申し上げます。」
とマーゴット。

「いいわ。リラックスして。ガランの娘。あなたも、もう私の生徒よ。」
とジュゴン先生。

「マーゴットは、ジュゴンの生徒の前にワタシの生徒であることを忘れないように。」
とミノカサゴ。

「ミノカサゴったら。」
とジュゴン先生。

ミノカサゴの主張に、マーゴットは、口元を綻ばせた。

ジュゴン先生に、マーゴットのことを、ワタシの生徒であることが先、とミノカサゴは言った。

相棒の主張が、マーゴットは嬉しい。

「シジミちゃんも、マーゴットといる!

シジミちゃんは、マーゴットの頑張りを認める。

マーゴットは、いいコ。よく頑張った!」
と霊獣シジミ。

霊獣シジミが、マーゴットを褒めるなんて、マーゴットは予想していなかった。

手を焼かされた霊獣シジミの直接的な褒め言葉は、素直に受け止めることができる。

「シジミちゃんには、初めてお目にかかります。

ジュゴンと申します。」
とジュゴン先生は、マーゴットの掌に乗っている霊獣シジミに挨拶した。
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