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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
591.マーゴット。ナンシー・ボーンの父と弟は、ニンデリー王国のドレマンの分家ではない貴族の元にいる?ドレマンの民は、ドレマンを捨てた?
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マーゴットは、ナンシー・ボーンの母に話をさせるために、ドレマン家の話を持ち出した。
「このあたりは、ドレマン家とドレマン家の民が住んでいる土地。
ドレマン家の分家とわたしなら、わたしが勝つ。」
とマーゴット。
ナンシー・ボーンの母は、わざとらしく目を見開く。
「旦那と息子は、本物の貴族様にお引き立ていただいているのよ。
古いだけで中身のないドレマン家とは違う、頼りになる貴族様よ。」
ナンシー・ボーンの母は得意げだ。
「ナンシー・ボーンの家族は、ドレマンの民であることを捨てた?」
とマーゴット。
ナンシー・ボーンの母は、吐き捨てるように息を吐いた。
「ナンシーがこんな目にあったのは、落ち目のドレマン家のせいだというのに。
ドレマン家の若様は、ナンシーのために何もしやしないんだから、捨てて当然よ。
ドレマンの若様のボンクラぶりは、聞きしにまさるものだったね。
見限っている人は前からいたんだから、その人達に倣っておけばよかった。
私達は、見限るのが遅すぎたのよ。
若様は、無能なただ飯ぐらいだって、皆知っていたのに。」
とナンシー・ボーンの母。
「ドレマン家の若様とは、ドレマン家の分家の?」
とマーゴット。
「何を言ってるんだい。
若様といえば、シグル様だよ。
分家も本家も、貴族様に代わりはないんだよ?
貴族様は、貴族様らしく、私達を守ってくれないと困るよ。
私達を守ってくれなかったドレマン家の言うことを聞く住人は、もうここには、一人もいない。
ナンシーは、皆から愛されている娘だから。」
とナンシー・ボーンの母。
ドレマンの民は、ドレマンから離れた。
マーゴットは、おかしい、と感じた。
わたしは、今まで、ドレマンの分家に手を回してこなかった。
ドレマン家の問題は、後でまとめて、シグル・ドレマンの扱いも含めて対処する予定だったから。
王太子殿下の動きが、マーゴットと会ってから変わったことで、ドレマン家の分家は、王太子殿下の側からはじき出されでもした?
ドレマン家の分家には、王太子殿下の声が届かないようにされている?
もしくは、第三者の言いなりになるように、抑え込まれている?
ドレマンの分家が、ナンシー・ボーンの扱いに何も手を打たなかったのは、貴族として不可解で、不備がありすぎる。
貴族は、自分の民に対して、謝りはしない。
自分の民が、他の貴族に利用されたりすると、利用した貴族に対して、見返りを要求する。
自分の民は、貴族の財産。
他所の貴族に、財産を使われる行為を容認する行為は、貴族として失格だから。
「このあたりの住人が、揃って留守にしているのは、ナンシー・ボーンの父と弟と一緒に、新しい貴族の元にいるから?」
とマーゴット。
ドレマン家の力をそごうという勢力が動いた?
「このあたりは、ドレマン家とドレマン家の民が住んでいる土地。
ドレマン家の分家とわたしなら、わたしが勝つ。」
とマーゴット。
ナンシー・ボーンの母は、わざとらしく目を見開く。
「旦那と息子は、本物の貴族様にお引き立ていただいているのよ。
古いだけで中身のないドレマン家とは違う、頼りになる貴族様よ。」
ナンシー・ボーンの母は得意げだ。
「ナンシー・ボーンの家族は、ドレマンの民であることを捨てた?」
とマーゴット。
ナンシー・ボーンの母は、吐き捨てるように息を吐いた。
「ナンシーがこんな目にあったのは、落ち目のドレマン家のせいだというのに。
ドレマン家の若様は、ナンシーのために何もしやしないんだから、捨てて当然よ。
ドレマンの若様のボンクラぶりは、聞きしにまさるものだったね。
見限っている人は前からいたんだから、その人達に倣っておけばよかった。
私達は、見限るのが遅すぎたのよ。
若様は、無能なただ飯ぐらいだって、皆知っていたのに。」
とナンシー・ボーンの母。
「ドレマン家の若様とは、ドレマン家の分家の?」
とマーゴット。
「何を言ってるんだい。
若様といえば、シグル様だよ。
分家も本家も、貴族様に代わりはないんだよ?
貴族様は、貴族様らしく、私達を守ってくれないと困るよ。
私達を守ってくれなかったドレマン家の言うことを聞く住人は、もうここには、一人もいない。
ナンシーは、皆から愛されている娘だから。」
とナンシー・ボーンの母。
ドレマンの民は、ドレマンから離れた。
マーゴットは、おかしい、と感じた。
わたしは、今まで、ドレマンの分家に手を回してこなかった。
ドレマン家の問題は、後でまとめて、シグル・ドレマンの扱いも含めて対処する予定だったから。
王太子殿下の動きが、マーゴットと会ってから変わったことで、ドレマン家の分家は、王太子殿下の側からはじき出されでもした?
ドレマン家の分家には、王太子殿下の声が届かないようにされている?
もしくは、第三者の言いなりになるように、抑え込まれている?
ドレマンの分家が、ナンシー・ボーンの扱いに何も手を打たなかったのは、貴族として不可解で、不備がありすぎる。
貴族は、自分の民に対して、謝りはしない。
自分の民が、他の貴族に利用されたりすると、利用した貴族に対して、見返りを要求する。
自分の民は、貴族の財産。
他所の貴族に、財産を使われる行為を容認する行為は、貴族として失格だから。
「このあたりの住人が、揃って留守にしているのは、ナンシー・ボーンの父と弟と一緒に、新しい貴族の元にいるから?」
とマーゴット。
ドレマン家の力をそごうという勢力が動いた?
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