上 下
581 / 763
第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

580.マーゴット。ジュゴン先生とベリーベリー・イニーを連れて、ナンシー・ボーンの家へ移動しよう。5人の少女の頼り頼られる関係。

しおりを挟む
キャスリーヌと布人間レーイーエール・サバンナパークの戦いは、キャスリーヌの勝利に終わった。

トレメイヤ王国の支配にベイモンが動くことは、マーゴットの中で決定している。

トレメイヤ王国関連は、キャスリーヌに任せておけばいい。

お洒落なジュゴン先生は、マーゴット達の状況を知っていて、タイミングを見計らってやってきた。

マーゴットは、まずバネッサに声をかける。

「バネッサ、ベリーベリー・イニーの護衛をありがとう。

わたしは、ベリーベリー・イニーを連れて、ジュゴン先生とナンシー・ボーンの家に入る。

バネッサは、身の安全を最優先に考え、キャスリーヌとレベッカ・ショアから離れないように。」

「どういたしまして。」
とバネッサは、ベリーベリーイニーから離れて、キャスリーヌの斜め後ろへ。

「私は?」
とレベッカ・ショアは、片手をあげた。

「レベッカ・ショアも、バネッサと並んで、キャスリーヌの斜め後ろへ移動しなさい。」
とマーゴット。

「分かった!
ヒレ足くんは、後だよね?」
とマーゴットに確認するレベッカ・ショア。

レベッカ・ショアは、ジュゴン先生にヒレ足くんをプレゼントしたくてうずうず。

「ヒレ足くんは、ナンシー・ボーンの魚憑きの後。」
というマーゴットからの返事をもらったレベッカ・ショアは、待っている、とニコニコ。

マーゴットは、ジュゴン先生に向き合う。

「ジュゴン先生、ベリーベリー・イニー。

今から、わたし達は魚憑きのナンシー・ボーンの家に入る。

わたしに遅れず、続くように。」
とマーゴットは先頭を歩く。

「良いでしょう。」
とジュゴン先生。

ジュゴン先生は、宙に浮いたまま、マーゴットとベリーベリー・イニーについてくる。

ベリーベリー・イニーは、前を歩くマーゴットの背中に話しかける。

「マーゴットは、あたしが、ナンシーの今を見た方がいいと思って、連れていくんだろうけれど。

どうして、あたしが見た方がいいと思った?

ナンシーの件は、人に知られない方がいい話だと思っていたけど、違った?」
とベリーベリー・イニー。

「ベリーベリー・イニーは、わたしの部下の娘で、わたしの友人。

わたしの関わる世界の一部に、ベリーベリー・イニーは無関係ではいられない。

ニンデリー王国で起きた魚憑きの現象は、他の土地でも、起こり得る。

魚ではなく、他の何かを使う誰かが出てくるかもしれない。

何が起きていていたのか、をレポートにまとめて、わたしに提出しなさい。」
とマーゴット。

「分かった。」
とベリーベリー・イニー。

「ベリーベリー・イニー。

頼る相手を覚えなさい。

ベリーベリー・イニーは、わたしが庇護下においている。

バネッサは、コーハ王国の貴族で、わたしとキャスリーヌの友人。

バネッサと、わたしとキャスリーヌの間に主従関係は存在しない。

わたしとキャスリーヌが、バネッサを応援するのは、友人というだけではなく、貴族としての判断によるもの。

レベッカ・ショアは、キャスリーヌの配下。」
とマーゴット。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」 公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。 血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

何とか言ったらどうなんだ!

杜野秋人
ファンタジー
「そなたとの婚約を、今この場で破棄する!」 王妃陛下主催の夜会の会場にて、王子は婚約してわずか3ヶ月の婚約者に婚約破棄を通告した。 理由は『婚約者たる王子に対して無視を続け愚弄した』こと。 それに対して婚約者である公爵家令嬢は冷静に反論するも、王子にその『言葉』は全く届かない。 それもそのはず。令嬢は王子の思いもよらぬ方法で語りかけ続けていたのだから⸺。 ◆例によって思いつきでサクッと書いたため詳細な設定はありません。主人公以外の固有名詞も出ません。 比較的ありがちなすれ違いの物語。ただし、ちょっと他作品では見ない切り口の作品になっています。 ◆仕様上選択しなくてはならないし女性主人公なので「女性向け」としていますが、本来は性別問わず広く問われるべき問題です。男女問わず読んで頂き向き合って下さればと思います。 ◆話の都合上、差別的な表現がありR15指定しております。人によってはかなり不快に感じるかと思いますので、ご注意願います。 なお作者およびこの作品には差別を助長する意図はございませんし、それを容認するつもりもありません。 ◆無知と無理解がゆえにやらかしてしまう事は、比較的誰にでも起こり得る事だと思います。他人事ではなく、私(作者)も皆さん(読者)も気をつけましょうね、という教訓めいたお話です。 とはいえ押し付ける気はありません。あくまでも個々人がどう考えどう動くか、それ次第でしかないと思います。 ◆なろう版で指摘頂いたので恋愛ジャンルからファンタジージャンルに変更します。恋愛ものと思って読んで下さった皆さまごめんなさい。 ◆この話も例によって小説家になろうでも公開致します。あちらは短編で一気読み。 ◆なろう版にて多くの感想を頂いています。 その中で「声が出せない以外は健康で優秀」という設定に違和感があるとご指摘を頂きました。確かに障碍というものは単独で発現するものではないですし、そのあたり作品化するにあたって調べが足りていなかった作者の無知によるものです。 ですので大変申し訳ありませんが、現実世界ではない「魔術もある異世界」の話ということで、ひとつご容赦願えればと思います。誠に申し訳ありません。

晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]

ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。 「さようなら、私が産まれた国。  私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」 リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる── ◇婚約破棄の“後”の話です。 ◇転生チート。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。 ◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^ ◇なので感想欄閉じます(笑)

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

殿下から婚約破棄されたけど痛くも痒くもなかった令嬢の話

ルジェ*
ファンタジー
 婚約者である第二王子レオナルドの卒業記念パーティーで突然婚約破棄を突きつけられたレティシア・デ・シルエラ。同様に婚約破棄を告げられるレオナルドの側近達の婚約者達。皆唖然とする中、レオナルドは彼の隣に立つ平民ながらも稀有な魔法属性を持つセシリア・ビオレータにその場でプロポーズしてしまうが─── 「は?ふざけんなよ。」  これは不運な彼女達が、レオナルド達に逆転勝利するお話。 ********  「冒険がしたいので殿下とは結婚しません!」の元になった物です。メモの中で眠っていたのを見つけたのでこれも投稿します。R15は保険です。プロトタイプなので深掘りとか全くなくゆるゆる設定で雑に進んで行きます。ほぼ書きたいところだけ書いたような状態です。細かいことは気にしない方は宜しければ覗いてみてやってください! *2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

処理中です...