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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

561.ひよっこ4号は、閃いた。自由を得て、師匠の布人間レーイーエール・サバンナパークに暗号でささやく。

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ひよっこ4号は、頭を悩ましていた。

正攻法で、助けを求めたひよっこ3人は、失敗している。

師匠に、降参を宣言してもらうなんて、助けてもらうより、ハードル上がっているんだけど?

もしも、もしも。

師匠に降参してくださいと言って、師匠が嫌だと言ったら、どうなる?

ひよっこ4号は、想像するのを止めた。

俺の手に負えない未来は、考えないことにしよう。

ひよっこ4号は、マーゴットにお願いすることにした。

「俺の声が、師匠に届く場所まで近づきたいです。

あと、もうちょっと自由にしてもらわないと、師匠に近づけません。」
とひよっこ4号。

「何を自由に?」
とマーゴット。

自由にしてくれる気は、あるんだ、とひよっこ4号は思った。

「口は動きますが、手足の自由と魔法も使えるようにしてください。
徒手空拳で師匠に近づいたら、俺の命がありません。」

ひよっこ4号は、要望をたくさん出してみた。

ひよっこ4号が、自由の身になれたら?

どう考えても、不利な局面を打開できるんじゃないだろうか?

ひよっこ4号は、期待した。

「ひよっこ4号。
罪人が自由を得るには代償が必要。
手、足、魔法の自由を得たいなら、それぞれに代償となるものを用意しなさい。」
とマーゴット。

「え?何ですか?それ?
俺に師匠を止めさせたいんですよね?」

ひよっこ4号は、ムッとした。

「だいたい、罪人とか、失礼だし。
俺は、罪を犯してなんかいません。

俺に協力してほしいなら、協力してほしい態度を見せるべきです。」
とひよっこ4号。

「ひよっこ4号が、レーイーエール・サバンナパークに降参を宣言させないなら、ひよっこ4号は、元に戻す。」
とマーゴット。

元に、と言われて、ひよっこ4号は、合点がいった。

体が楽になって会話しやすくなったのは、魔法による拘束が意図的に緩められているからだと。

チャンスだ!

「俺、めちゃくちゃ頑張って師匠を説得します。
代償がなんですか。
早く自由にしてください。」
とひよっこ4号。

「経過はどうでも、5分以内に、レーイーエール・サバンナパークの意思で、レーイーエール・サバンナパーク自身の口から降参を宣言させなさい。

5分で片付かない場合、ひよっこ4号は、自由の代償をその身に受ける。」
とマーゴット。

マーゴットは、ひよっこ4号を魔法で、布人間レーイーエール・サバンナパークの目の前に移動させる。

「開始。今から5分間。ひよっこ4号に、代償つきの自由を保証する。」
とマーゴット。

やった!
自由だ!

ひよっこ4号は、レーイーエール・サバンナパークに、暗号で話しかけた。

「師匠は、降参しろと言われていますが、どうしますか?
俺は、今のうちに、国に帰ります!」
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