子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

548.キャスリーヌ。トレメイヤ王国の布に興味がある。トレメイヤ王国と取引するには、父と兄に後押ししてもらわないと。手土産を作るよ！

布人間レーイーエール・サバンナパークは、魔力を充填したひよっこ3人が、吐瀉物と魔力を吐き出していくのを見て、戦闘モードに切り替えた。

キャスリーヌは、やる気を出した布人間レーイーエール・サバンナパークに、期待している。

体に巻き付けておいた布で魔力を充填して、パワーアップ。

漏れた魔力を布が自動で回収にくる。

あの布、使える！

布を開発した技術者を勧誘したい！

勧誘が無理なら、提携したい。

戦闘用じゃなく、貯める魔力量に上限をもうけて、汎用性を高めれば、いい商品になる。

低魔力の人が魔力を使うときに、魔力を充填できるよう、持ち運びやすいハンカチにしておけば、嵩張らない。

キャスリーヌは、布人間レーイーエール・サバンナパークより、布に、俄然、興味が出てきた。

作戦を立てるよ。

布人間レーイーエール・サバンナパークは、秒で片付けて、頭上にある布を戦利品としてせしめても、サンプルが1つしかない。

トレメイヤ王国、布人間レーイーエール・サバンナパークの母国に乗り込んで、契約をとりつけたい。

となると。

キャスリーヌの家のベイモン家の後押しがいる。

布人間レーイーエール・サバンナパークが巻いていた布は、トレメイヤ王国の軍事技術の結晶。

キャスリーヌ1人で交渉するには、荷が重い案件。

布人間レーイーエール・サバンナパークに様々な魔法技術を使わせて、集めた情報を手土産に、ベイモン家当主の父と次期当主の長兄に許可をもらい、後押ししてもらえばいい。

そうと決まれば。

魔法で攻撃していくよ。

布人間レーイーエール・サバンナパークが、攻撃してくるような、誘い水となる魔法。

布人間レーイーエール・サバンナパークは、やかんの冷水を避けていた。

やかんの冷水ではなく、魔法の冷たい何かが来たら？

布人間レーイーエール・サバンナパークは、どうする？

避ける？

魔法で立ち向かう？

キャスリーヌは、布人間レーイーエール・サバンナパークの頭上からひんやりしたものをと落としてみる。

布人間もやる気を出したから、ちょうどいい作戦がある。

最初、ポトポト。

次第に、ぼたぼたと落ちる量が増えていく。



頭上から落ちてくる何かに魔力の気配を感じた布人間レーイーエール・サバンナパーク。

魔法で、落ちてくるものを弾き飛ばすが、弾き飛ばしても、弾き飛ばしても、頭の上へと落ちてくる。

落ちてくる冷たい何かの量は、倍々ゲームで増えているような。

キャスリーヌに向かって撃つ攻撃魔法は、全て難なく躱されている。

布人間レーイーエール・サバンナパークは、わくわくした顔で、こちらを見ながら、攻撃を躱す少女に薄ら寒くなってくる。

落ちてくる量が増えすぎて、攻撃魔法を撃つ隙間がなくなりそうだ。

一体何が落ちてきているのか。

布人間レーイーエール・サバンナパークは、落下物に興味がわいてきた。

弾き飛ばす速度を緩めて、確認してみてもいいかもしれない。

おそらく、少女がわくわくするようなものだろう。

布人間レーイーエール・サバンナパークは、少女が好きそうなものを想像してみた。

花柄の氷のうを思い浮かべた布人間レーイーエール・サバンナパーク。

弾き飛ばす速度を緩めて、落ちる速さをゆっくりにした布人間レーイーエール・サバンナパークは、落下物へと意識をこらす。

ひんやりとした細長い何か？

冷たく固い固まり？