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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

536.マーゴットと、トレメイヤ王国の布人間レーイーエール・サバンナパーク。互いの目的を確認し合ったところに、マーゴットからの牽制。

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マーゴットは、目出し隊の反応から、答えを導き出した。

「この者は、ニンデリー王国の中で手本となる人物か、平均的な人物か。」

マーゴットは、目出し隊を相手にしていない。

目の前にいたから、捕まえたくらいの扱いの目出し隊の4人。

徹頭徹尾、眼中にない。

ものの道理が分からない者と話すことなど、マーゴットにはない。

目出し隊が、どれだけ騒ごうと、マーゴットに影響は及ぼさない。

あまり煩いと黙らせるが、マーゴットは手を下さない。

布人間レーイーエール・サバンナパークが、黙らせにかかるだろう。

布人間レーイーエール・サバンナパークは、自身が相対している者が庇護される者ではないと理解している。

マーゴットは、布人間レーイーエール・サバンナパークが理解しているなら、と、些事は捨て置いている。

「姫におかれましては、ご不便をおかけいたしまして。」
と布人間レーイーエール・サバンナパーク。

布人間レーイーエール・サバンナパークは、マーゴットの発言を否定することも訂正することもしていない。

否定しないことで、肯定している。

「わたしとガランの意に反する動きは容認しない。」
とマーゴット。

「肝にめいじます。」
と布人間レーイーエール・サバンナパーク。

「これまで、ガランは、ニンデリーと交流を持ってこなかった。」
とマーゴット。

「姫が足をのばされた理由をお聞きしても?」
と布人間レーイーエール・サバンナパーク。

「地を。」
とマーゴット。

「左様にございますか。」
と布人間レーイーエール・サバンナパーク。

「そちらは、人について泣きつかれたか?」
とマーゴット。

「お察しの通りでございます。」
と布人間レーイーエール・サバンナパーク。

マーゴットと布人間レーイーエール・サバンナパークは、互いの目的を確認し合った。

マーゴットは、ニンデリー王国の土地に関する問題を手掛けるために、ニンデリー王国にいる、と告げた。

マーゴットは、布人間レーイーエール・サバンナパークに、ニンデリー王国の国民の魔力量問題で招聘されているのかを尋ね、布人間レーイーエール・サバンナパークは、是、と答えた。

ならば、マーゴットの次の言葉は決まっている。

「上下は、動かさぬよう心得て動くこと。」

布人間レーイーエール・サバンナパークは、マーゴットの意図をよみながら、外さない回答をするべく思考をめぐらしている。

「順当にあげなさい。」
とマーゴット。
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