子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

522.キャスリーヌ。布人間を見つけた。引きずり出して、話を聞く？それとも、珍しいから、市で売りに出す？

キャスリーヌは、レベッカ・ショアに任せた方面に大物はいないと判断して、任せた。

レベッカ・ショアの方面にいたのは、ニンデリー王国の貴族を名乗るには苦しい魔力量の連中が揃っていた。

下っ端対策は、一発KOで、人生劇場から、即退場。

マーゴットが見届け役をしているので、レベッカ・ショアの方面での見逃しの心配はない。

キャスリーヌの担当する方面に、大物はいない。

でも、1人、引きずり出して、口を割らせてもいいようなのが混じってはいる。

タイミングが合えば、引きずり出してもいいか。

チラチラ、他所を気にしているやつ以外は、片付けよう。

「成敗。」
とキャスリーヌ。

キャスリーヌの方面にいた連中は、糸の切れた操り人形のように、一斉に、道にバタンと倒れた。

チラチラ他所を気にしているやつのところに、キャスリーヌは一気に跳ぶ。

チラチラ他所を気にしているやつは、周りが倒れるのに合わせて、寝そべっている。

「屍累々の中でする話でもないか。」

キャスリーヌは、チラチラ他所を気にしているやつを魔法で引きずり出してきた。

「地面にズルズルするのは止めて。痛い、痛い、皮膚が破れるー。」
とチラチラ他所を気にしているやつ。

全身に布を巻き付けて、目だけを出している格好なので、破けるとしたら布だろう。

変装するつもりか、正体を隠すつもりか。

「布人間を見つけたよ。丈夫そうな布だから、適当に扱ってもいける。」
と話すキャスリーヌは、布人間を魔法で引きずりながら、ベリーベリー・イニーとバネッサが待つ、ナンシー・ボーンの家の前へ。

「適当って、手荒って意味なら、適当じゃなく、丁寧に扱ってもらえない？」
と、道を引きずられてきた布人間。

「布人間は、洗えば綺麗になるよ。落ちない汚れは、個性。いくらで売れるか、今から楽しみ。」
とキャスリーヌ。

「え？売る気？」
と布人間。

「布人間は、珍しいから、珍品として市に出して、売ってみるよ。

珍しいもの好きが、布人間に飽きなかったら、剥製にして飾るだろうから、一儲け。

珍しいもの好きが飽きたら、転売するときに、一枚かめば、もう一度、儲けるチャンス。

転売できなくても、どうにか使い道はある。」
とキャスリーヌ。

「捕まえたなら、話を聞こうとは思わない？」
と布人間。

「退屈じゃない話なら、聞いてもいいよ。」
とキャスリーヌ。