子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

496.レベッカ・ショア。男子学生のバネッサへの熱量は、独特だと思う。マーゴットは、男子学生の一番最初の人格に用事がある？

マーゴット、キャスリーヌ、バネッサ、レベッカ・ショアの4人は、シグル・ドレマンの組織の建物にやってきた。

シグル・ドレマンのお迎え隊が、ニンデリー王立学園の出入り口が見える場所に待機していた。

シグル・ドレマンのお迎え隊は、キャスリーヌがスカウトした研究者の青年と、研究者に背負われたチェール・モンスに部屋を用意したり、シグル・ドレマンから話を聞くために、建物到着後は、男女で別行動になった。

「まずは、一人で奮闘したレベッカの報告を聞くよ。
私達からレベッカに伝える話は、一眠りしてからでも間に合う。
睡眠をとってから、話を聞く方がいい。」
とキャスリーヌ。

レベッカ・ショアは、バネッサが立ち去った後の男子学生とのやりとりを話した。

「前世が、レベッカの前世と因縁があって、相性が悪い相手なら、関わりを少なくする方が、トラブルに巻き込まれにくいわね。」
とバネッサ。

「バネッサを天女と崇めていたから、バネッサ目当てに寄ってくるかも。」
とレベッカ・ショア。

「よくあることだから、いつも通りにするわ。」
とバネッサ。

よくあるのか。

レベッカ・ショアは、男子学生の熱量を思い出しておののいた。

男子学生の今世の人格が、バネッサを天女と称賛する様は、異性として好意を持つのとは、何か違う熱量だった。

何が違うのか、違いまでは分からない。
レベッカ・ショアは、天女を語る男子学生に、関わりたくなくなるような熱量を感じた。

マーゴットは、レベッカ・ショアの話を聞いて、まとめに入った。

「男子学生の一番最初の人格は、この世界にはない魔法理論で、レベッカ・ショアに察知できない魔法を使った。

二番目の人格は、魔法がない異世界に生きていたせいかは不明だけど、魔法は使っていない。

一番最初の人格は、性格に問題があり、現状を把握する能力はある。

前世の人格は、性格に問題があり、現状を把握する能力に問題がある。

今世の人格は、バネッサにノボセていて、引き際は間違えない。

学生としている分には、今世の人格が最適。」

マーゴットは、すぐに結論を出した。

「いずれ、男子学生の一番最初の人格は、こちらの準備が整い次第、呼び起こす。

心づもりはしておくこと。」
とマーゴット。

「準備が整い次第だよね？分かった。」
とレベッカ・ショア。

男子学生の一番最初の人格は、レベッカ・ショアの気を引く目的で、躊躇なく、レベッカ・ショアの顔を狙ってきた。

マーゴットが、準備するなら、攻撃の心配はいらないだろう。

マーゴットは、男子学生の一番最初の人格に用事があるんだろう、とレベッカ・ショアは思った。

「今日は解散。睡眠を確保して、目が覚めたら、軽食をとりながら、打ち合わせをする。」
とマーゴット。

レベッカ・ショアは、傷の手当てをやり直して、就寝することにした。

一人で勝ち星をあげたレベッカ・ショアに、キャスリーヌは言った。
「別日に、レベッカの勝利を祝う会をするよ！」

レベッカ・ショアは、疲労と達成感からすぐに、夢の国へと旅立った。