子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

489.レベッカ・ショア。嫌な気持ちにさせた本人が、相手を嫌な気持ちにさせた行為を仕方がなかったんだから、大目にみろ、と要求するのは、なし。

オブラートに包むことなく本音を語るレベッカ・ショア。

レベッカ・ショアの発言に男子学生は、衝撃を受けているが、レベッカ・ショアは気にしない。

「あなたから今世の人格に交代しないなら、あなたには話すこともないし、帰って。」
とレベッカ・ショア。

「僕が今世の人格じゃないと知っているのは、どうしてだ？」
と男子学生。

「今世の人格のときのあなたを見かけたことがあるからね。」
とレベッカ・ショア。

ついさっき。

レベッカ・ショアは、バネッサにほいほいと近づいていった男子学生の姿を見ている。

「私は、見かけただけで、話したことはない。

今世のあなたの名前は知らないのは、あなたが有名人じゃないから。

有名人じゃないということは、目立った問題を起こしていないということ。」
とレベッカ・ショア。

レベッカ・ショアは、問題を起こした、というより貴族令嬢らしからぬ言動で騒ぎを起こして、避けられてきた過去がある。

己の行いを省みると、レベッカ・ショアは、落ち着かない。

「僕が今世の人格じゃなく、前世の人格だと知っているなら、告白しよう。

今世の人格は消えたか、深い眠りについている。

交代は不可能だ。」
と男子学生。

「交代しないなら、帰って。」
とブレないレベッカ・ショア。

「どうして、僕を遠ざけようとする。僕が何をしたというんだ？僕の何が気に食わないんだ？」
と男子学生。

「高圧的な言い方で、私を言いなりにしようとしてきたよ。
あなたの言動が良くないことだと思い至らない人だから、気に食わない。」
とレベッカ・ショア。

「仕方がない。そういうゲームだと思ったんだ。」
と男子学生。

「仕方がないと納得できるのは、あなただけ。
私は、嫌な気持ちになった。」
とレベッカ・ショア。

「そこは、僕が前世の人格だからだと大目に見るところだ。」
と男子学生。

「悪いことをしたあなたが、嫌な気持ちにさせた私に、自分のしたことを大目に見て、と言う神経が、私には我慢できない。」
とレベッカ・ショア。

怯まないレベッカ・ショアは、男子学生の想定になかった。

「何で分からないんだ？
想像力の欠如も甚だしい。

僕は前世の人格なんだ。
今の状況に困惑しているに決まっている。

僕が前世の人格と知っているなら、僕を助けてしかるべしだ。」
と男子学生。

レベッカ・ショアは、思った。

もう一度、気絶させたら、今度は今世の人格に交代するんじゃないか、と。