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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

488.レベッカ・ショア。『私と話をしたいなら、今世の常識がある今世の人格を外に出して。』

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レベッカ・ショアは、己の感情に正直だ。

マーゴット、キャスリーヌ、バネッサに会って、貴族令嬢としての教育をうけるまで、感情をあけっぴろげにして生きてきたレベッカ・ショア。

最近、3人娘といるときのレベッカ・ショアは、3人のペースに付かず離れずしていると、貴族令嬢に見える。

貴族令嬢として振る舞うことを忘れたわけではないけれど、レベッカ・ショアの中の、男子学生が気持ち悪い、という感情が勝った結果。

レベッカ・ショアは、男子学生に直球で、指摘した。

気持ち悪いと言われた男子学生は、激昂したりしなかった。

男子学生は、レベッカ・ショアに激昂する代わりに、レベッカ・ショアをさらにイラッとさせた。

「必要なことを教えてくれた親切な相手に、気持ち悪いと言うなんて、君は、女性として、いや、人としての品性が死滅している。」
と男子学生。

レベッカ・ショアの長くない人生で、男子学生以上に話したくなくない人がいただろうか?

「あなた曰く品性が死滅しているらしい私は、あなたのためになることをするのは嫌。」
とレベッカ・ショアは、男子学生を拒絶した。

「嫌とか、好きとか、私情を交えていては、ストーリーが始まらないだろう。
いい加減聞き分けたらどうだ?」
と男子学生。

男子学生の相手をするのに嫌気がさしたレベッカ・ショアは、本人に色々ぶちまけてもいいかな?と思った。

「今喋っているあなたじゃなくて、今世のあなたを出して。」
とレベッカ・ショア。

「は?」
と、男子学生は、豆鉄砲を食らったかのように、顔面の動きが止まった。

「今話しているのは、あなたの前世の人格よね?

私は、あなたの前世の人格と前前世の人格とは、相性が悪いので、今世の人格を出して。

今世の人格とは、まだ、話をしていないから、まともかどうか知らないけれど、あなたとその前の人格とは会話する気がおきないんだから、仕方ないよね?」
とレベッカ・ショア。

「は?何?僕が、前世の人格って言っている?
只者に見えて、只者じゃない?」
と男子学生は、ぶつぶつ言っている。

レベッカ・ショアは、遠慮なく、事実をぶつけていく。

「今、話しているあなたは、その体の前世の人格だから。

その体には、あなたの他にも、今世の人格と、前前世の人格の、3つの人格があるのを私は確認したよ。

3つの人格は、交代で、外に出てきて、あなたが出てきたのは、一番最後。

今世の常識がある今世の人格を出して。」
とレベッカ・ショア。
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