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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

473.レベッカ・ショアの前世の意識が覚醒しそう。バネッサと男子学生のやりとりが刺激に?男子学生が、レベッカ・ショアの前世の関係者かも?

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前世の意識は、感動している。
「生まれながらのご令嬢は、着眼点が違った。ご令嬢の鑑。」

「男子学生が、硬直しているのは、いいの?」
とレベッカ・ショア。

「苦手だから、やらないと言わせない。
苦手を一緒に克服しようともっていく思考回路が違う。
しかも、断らせない。」
と前世の意識。

「何にそんなに心を打たれているの?」
とレベッカ・ショア。

「新人に教育係をつけても、うまくいくとは限らない。」
とやさぐれている前世の意識。

「何があったの?」
とレベッカ・ショア。

「新人ができない、と言ったときに。

教育係が、『新人ができないと言うので、新人にできないなら仕方ないです』と、指導を放棄して、『できる人を増やしてください』と言ってきたら。」
と前世の意識。

前世の意識が、個人の出来事について語るのは、珍しい。

前世の意識は、前世の個人を特定する情報を出してこない。

何か、前世の意識を刺激することが?

目の前の光景に?

レベッカ・ショアは、前世の意識に思う存分話をさせることにした。

「教育係は、教育しないの?」
とレベッカ・ショア。

「教育でどうにかできるレベルじゃない、というのが教育係の主張だった。

教育係になった人は、がしがし教育しなくてもできたから、がしがし教育して育てあげないといけないような新人は、住む世界が違った。

他に配属がないんだから、できない人をできるように育てるしかないけど、新人は育たなくて。

教育係は育てるのを諦めたから、他の人が育てようとしたけど。

できないから、できる人がやればいい、人には個性があると、新人が、教育を拒否して。」
と前世の意識。

「うん?仕事じゃないの?」
とレベッカ・ショア。

「地獄になった。」
と前世の意識。

「前世の意識が具体的に話したくなったきっかけは、バネッサと男子学生のやりとりを見て、何か思い出すことがあったから?」
とレベッカ・ショア。

「感覚で、確証はないけれど、前世の教育係だった子かもしれない。」
と前世の意識。

「全然分からない。どうして、分かった?って、感覚だよね。男子学生に本人か聞く?」
とレベッカ・ショア。

「どうしよう?違うかもしれない。」
と前世の意識。

「うーん、どうしよう?」
とレベッカ・ショア。

困ってしまった。
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