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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
470.注目を浴びてきた万能型のバネッサと、無理はしない、ヒーローになるのは固辞して一般人でいたい男子学生。
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男子学生は、とても正直だった。
絶世の美少女を前に見栄をはらなかった。
男子学生は、正直に自己申告した。
「解剖は、ちょっと。俺には力不足で。」
と男子学生。
「練習してから考えてみては?」
とバネッサ。
コーハ王国の国境で、小競り合いに事欠かない領地を治める伯爵家当主の娘バネッサ。
出来ないから、したくない、代わりに誰かやって、など、考えたことがないバネッサ。
苦手だから、後回しにしよう、という発想は、そもそもないバネッサ。
当主の娘は、バネッサ一人。
バネッサの代わりになれる人は、どこにもいない。
貴重な戦力で、伯爵令嬢のバネッサは、全方位に死角を作るわけにはいかない。
苦手分野は、苦手意識が芽生える前に、克服する。
万能型でないと、やっていけない。
そんなバネッサの前に、初めての解剖に怖気づく男子学生がいる。
「初めての経験は、緊張するものだから、丁寧に教えるわ。」
と、男子学生に笑顔を向けるバネッサ。
勇気を出して、マンツーマンレッスンを申し込んできた男子学生を応援するつもりで、面倒見の良さを発揮するバネッサ。
一方。
ヒーローに憧れない、身の丈にあった一般人でありたい男子学生。
遠慮しているわけでも、緊張しているわけでもない男子学生は、マンツーマンレッスンの中身が魚の解剖と気づいてから、固く辞退を決意していた。
深夜の男子寮の外に、美少女と2人っきり。
どんなご褒美イベント!とがっついてしまった。
美少女と2人っきりで、深夜に魚の解剖?
男子学生は、美少女と2人っきりでいることと、魚の解剖を天秤にかけた。
美少女と2人でいるために、魚の解剖を頑張るくらいなら、1人ぼっちも悪くない。
男子学生は、己の能力や適性を過信しない性質だった。
可及的速やかに、魚の解剖現場から撤退したいと考えた。
頑張って目立つのは、誰かに任せて、程々に埋没していたい男子学生。
人生において、埋没していたことがないバネッサ。
「教えてもらわなくても、大丈夫。魚の解剖を必要としない人生を選ぶから。」
と男子学生。
腰が引けまくりの男子学生。
「選択肢が多い人生を諦めなくてもいいように、魚の解剖をマスターしてみるのも悪くないわ?」
と、親切心全開のバネッサ。
レベッカ・ショアの前世の意識が、呟く。
『コレ、どっちもひかないパターン。』
絶世の美少女を前に見栄をはらなかった。
男子学生は、正直に自己申告した。
「解剖は、ちょっと。俺には力不足で。」
と男子学生。
「練習してから考えてみては?」
とバネッサ。
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出来ないから、したくない、代わりに誰かやって、など、考えたことがないバネッサ。
苦手だから、後回しにしよう、という発想は、そもそもないバネッサ。
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バネッサの代わりになれる人は、どこにもいない。
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苦手分野は、苦手意識が芽生える前に、克服する。
万能型でないと、やっていけない。
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と、男子学生に笑顔を向けるバネッサ。
勇気を出して、マンツーマンレッスンを申し込んできた男子学生を応援するつもりで、面倒見の良さを発揮するバネッサ。
一方。
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遠慮しているわけでも、緊張しているわけでもない男子学生は、マンツーマンレッスンの中身が魚の解剖と気づいてから、固く辞退を決意していた。
深夜の男子寮の外に、美少女と2人っきり。
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