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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
454.子どもが底なし沼に落ちていくのを見捨てたら、その子どもが沼から手を伸ばして、底なし沼に引きずりこんできたのだ。
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マロン・ニャスター教授に残された時間は、あと少し。
「殿下が、ガランの娘に出会えたことは、何よりの僥倖。
ガランは、付き合い方を間違わなければ、信頼できる。
殿下。
今から話すことだけは、決して忘れてはなりません。
ガランを裏切ること、と、利用することは、決してなさらぬこと。
ガランには、誠実に。
ガランに媚びる必要はありませんが、敵対だけはしてはなりません。
最期に、ガランと並ぶ殿下を見れて安心しました。」
とマロン・ニャスター教授。
「分かった。マロン、心配かけた。世話になった。」
とソラッドロス王太子殿下。
「ガランを味方につけるとは。」
と忌々しさを隠さないネッド・チリル教授。
「わたしは、誰の味方でもない。わたしは、わたしのしたいことをする。」
とマーゴット。
「よく言う。殿下を擁立する気だろう?」
とネッド・チリル教授。
「ニンデリー王国が瓦解するのを良しとする材料がない。」
とマーゴット。
「ニンデリー王国が瓦解とは。大きく出た。」
とネッド・チリル教授。
「これぞガランの真髄。ガランのガランたるゆえん。」
とマロン・ニャスター教授。
「マロンは、人が良すぎる。謝られても、許せるものではないが、謝りもしない。」
とネッド・チリル教授。
「盟友よ、忘れたわけではあるまい。
目的は、一つ。
ニンデリー王国の未来がより良いものであるように。
ゴールが、同じだったのだから、最初に大人が歩み寄っていたら、と思わなかった日はない。
頼れる大人を探し求めて、すがってきた孤独な子どもが底なし沼に落ちていくのを見捨てたら、沼から手を伸ばした子ども直々に、底なし沼へ沈められることになるとはのう。」
とマロン・ニャスター教授。
「そろそろ、幕引きの時間。」
とマーゴット。
マーゴットは、シグル・ドレマンに、チェール・モンスを抱えさせた。
「シグル・ドレマン。 チェール・モンスは、魔力がない。
チェール・モンス本人の魔力を刺激して引き出すことは不可。
ソラッドロス王太子殿下が、呪術でチェール・モンスを操作する。
チェール・モンスは操られた状態で、両教授の呪術を解いていく。
この段取りだから、ソラッドロス王太子殿下がチェール・モンスを視認できる状態を維持しなさい。
呪術に通じているチェール・モンスは、呪術での支配に抵抗する。
ソラッドロス王太子殿下に命令されても、呪術での支配の実態を知っていたら、チェール・モンスは抵抗せずにはいられない。
ソラッドロス王太子殿下が、目標物が、心底警戒し、移動している状況で、失敗せずに呪術をかけられるか。
ソラッドロス王太子殿下の呪術の腕前が熟練かどうかは、チェール・モンスに、呪術がかけられるかどうかで判断する。」
とマーゴット。
「回りくどくないか?」
とシグル・ドレマン。
「呪術の腕前だけなら、魔力を持たないチェール・モンスが上。
チェール・モンスが、ソラッドロス王太子殿下に操られるのをよしとするかどうか。
ソラッドロス王太子殿下が、チェール・モンスを操れるか。
魚と人の呪術を解くためだけに、わたしは、二人をここに連れてきたわけじゃない。」
とマーゴット。
「ニンデリー王国を瓦解させるか、させないか。」
とシグル・ドレマン。
「殿下が、ガランの娘に出会えたことは、何よりの僥倖。
ガランは、付き合い方を間違わなければ、信頼できる。
殿下。
今から話すことだけは、決して忘れてはなりません。
ガランを裏切ること、と、利用することは、決してなさらぬこと。
ガランには、誠実に。
ガランに媚びる必要はありませんが、敵対だけはしてはなりません。
最期に、ガランと並ぶ殿下を見れて安心しました。」
とマロン・ニャスター教授。
「分かった。マロン、心配かけた。世話になった。」
とソラッドロス王太子殿下。
「ガランを味方につけるとは。」
と忌々しさを隠さないネッド・チリル教授。
「わたしは、誰の味方でもない。わたしは、わたしのしたいことをする。」
とマーゴット。
「よく言う。殿下を擁立する気だろう?」
とネッド・チリル教授。
「ニンデリー王国が瓦解するのを良しとする材料がない。」
とマーゴット。
「ニンデリー王国が瓦解とは。大きく出た。」
とネッド・チリル教授。
「これぞガランの真髄。ガランのガランたるゆえん。」
とマロン・ニャスター教授。
「マロンは、人が良すぎる。謝られても、許せるものではないが、謝りもしない。」
とネッド・チリル教授。
「盟友よ、忘れたわけではあるまい。
目的は、一つ。
ニンデリー王国の未来がより良いものであるように。
ゴールが、同じだったのだから、最初に大人が歩み寄っていたら、と思わなかった日はない。
頼れる大人を探し求めて、すがってきた孤独な子どもが底なし沼に落ちていくのを見捨てたら、沼から手を伸ばした子ども直々に、底なし沼へ沈められることになるとはのう。」
とマロン・ニャスター教授。
「そろそろ、幕引きの時間。」
とマーゴット。
マーゴットは、シグル・ドレマンに、チェール・モンスを抱えさせた。
「シグル・ドレマン。 チェール・モンスは、魔力がない。
チェール・モンス本人の魔力を刺激して引き出すことは不可。
ソラッドロス王太子殿下が、呪術でチェール・モンスを操作する。
チェール・モンスは操られた状態で、両教授の呪術を解いていく。
この段取りだから、ソラッドロス王太子殿下がチェール・モンスを視認できる状態を維持しなさい。
呪術に通じているチェール・モンスは、呪術での支配に抵抗する。
ソラッドロス王太子殿下に命令されても、呪術での支配の実態を知っていたら、チェール・モンスは抵抗せずにはいられない。
ソラッドロス王太子殿下が、目標物が、心底警戒し、移動している状況で、失敗せずに呪術をかけられるか。
ソラッドロス王太子殿下の呪術の腕前が熟練かどうかは、チェール・モンスに、呪術がかけられるかどうかで判断する。」
とマーゴット。
「回りくどくないか?」
とシグル・ドレマン。
「呪術の腕前だけなら、魔力を持たないチェール・モンスが上。
チェール・モンスが、ソラッドロス王太子殿下に操られるのをよしとするかどうか。
ソラッドロス王太子殿下が、チェール・モンスを操れるか。
魚と人の呪術を解くためだけに、わたしは、二人をここに連れてきたわけじゃない。」
とマーゴット。
「ニンデリー王国を瓦解させるか、させないか。」
とシグル・ドレマン。
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