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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
444.『後継を譲る気になられましたか?』両教授に、聞いてみよう。『ニンデリー王国の建国の祖が作り上げた魔法システムに手を加えるには?』
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腐臭と死臭が立ちこめる部屋の中。
口を開いて話をすることができるのは、マーゴットと、医者として両教授と向き合うシグル・ドレマン。
チェール・モンスは、呼吸する都度、顔色が優れなくなっていき、床に崩れ落ちた。
ソラッドロス王太子殿下は、臭いに耐えるだけで精一杯。
この二人は、意識があるだけマシか。
マーゴットは、両教授に話をさせることにした。
話し終えるまで、両教授の命は保つだろうか?
「マロン・ニャスター教授。
ネッド・チリル教授。
話したいことを話しなさい。
チェール・モンス。
わたしが呪術を解く指示を出したら、速やかに従いなさい。
両教授は夜明け前に、人として、人生を全うさせる。
ソラッドロス王太子殿下、意識を保ちなさい。
両教授は、ソラッドロス王太子殿下とチェール・モンスの実験が成し得た結果。
わたしは、両教授を人として終わらせると決めている。
チェール・モンスが、呪術を使える状態でない場合、ソラッドロス王太子殿下が、チェール・モンスを呪術で動かすこと。
ソラッドロス王太子殿下が失神しかけようと、わたしはソラッドロス王太子殿下にさせる。」
とマーゴット。
「見事。」
と新しい声がした。
「今の声は、ネッド・チリル教授?
魔法で再現した?
わたしは、マーゴット・ガラン。創世の十傑、ガラン家当主の娘。あなたを人として終わらせる者。
あなたの盟友、マロン・ニャスター教授もいる。
二人が話したいことを話せる限り話しなさい。」
とマーゴット。
ネッド・チリル教授の体は、マロン・ニャスター教授ほど腐敗が進んでいない。
しかし、意図的に傷つけられ、手当てされることもなく、放置されたまま、床を這いずり回ってきた教授の体と精神を見て、マロン・ニャスター教授と共に逝かせる、とマーゴットは決めた。
「ソラッドロス王太子殿下は、後継を譲る気にならんままかのう?」
とマロン・ニャスター教授。
ソラッドロス王太子殿下は、口を開いた途端、腐臭を吸い込んで、咳き込んでいる。
ソラッドロス王太子殿下が話せるようになるまで、待つ余裕はない。
マーゴットは、時短のため、ソラッドロス王太子殿下の代わりに話を進めることにした。
「後継は、変えずに、ニンデリー王国の建国の祖が残した魔法システムを変える。」
とマーゴット。
「魔法システムに手をいれるには、建国の祖の頭脳を理解する必要がある。
過去、何度か、魔法システムの変更や作り直しは、検討されてきたが、実現しておらん。」
とマロン・ニャスター教授。
「理由は?」
とマーゴット。
「建国の祖の作り上げた魔法システムを解明できなかった。
建国の祖は、独自のルールと独特の発想で、魔法システムを作り上げなさった。
たった一人で。
魔法システムに関しては、何一つ資料を残されていない。
長年の研究で突き止めることが出来たのは、ただ一つ。
建国の祖は、魔法システムを作り上げるにあたり、この世界の魔法理論を使っておらん、ということ。
建国の祖が作り上げた魔法システムに手を加えるためには。
この世界のものでない魔法理論を理解するか、この世界の従来の魔法理論とは異なる魔法理論を新たに確立させ、魔法システムを自力で解明せねばならん。
どちらも、誰一人として、成功しとらん。」
とマロン・ニャスター教授。
「ニンデリー王国の建国の祖は、異世界転生者か、異世界転移者か、異世界の知識を学んだこの世界の住人か。」
とマーゴット。
口を開いて話をすることができるのは、マーゴットと、医者として両教授と向き合うシグル・ドレマン。
チェール・モンスは、呼吸する都度、顔色が優れなくなっていき、床に崩れ落ちた。
ソラッドロス王太子殿下は、臭いに耐えるだけで精一杯。
この二人は、意識があるだけマシか。
マーゴットは、両教授に話をさせることにした。
話し終えるまで、両教授の命は保つだろうか?
「マロン・ニャスター教授。
ネッド・チリル教授。
話したいことを話しなさい。
チェール・モンス。
わたしが呪術を解く指示を出したら、速やかに従いなさい。
両教授は夜明け前に、人として、人生を全うさせる。
ソラッドロス王太子殿下、意識を保ちなさい。
両教授は、ソラッドロス王太子殿下とチェール・モンスの実験が成し得た結果。
わたしは、両教授を人として終わらせると決めている。
チェール・モンスが、呪術を使える状態でない場合、ソラッドロス王太子殿下が、チェール・モンスを呪術で動かすこと。
ソラッドロス王太子殿下が失神しかけようと、わたしはソラッドロス王太子殿下にさせる。」
とマーゴット。
「見事。」
と新しい声がした。
「今の声は、ネッド・チリル教授?
魔法で再現した?
わたしは、マーゴット・ガラン。創世の十傑、ガラン家当主の娘。あなたを人として終わらせる者。
あなたの盟友、マロン・ニャスター教授もいる。
二人が話したいことを話せる限り話しなさい。」
とマーゴット。
ネッド・チリル教授の体は、マロン・ニャスター教授ほど腐敗が進んでいない。
しかし、意図的に傷つけられ、手当てされることもなく、放置されたまま、床を這いずり回ってきた教授の体と精神を見て、マロン・ニャスター教授と共に逝かせる、とマーゴットは決めた。
「ソラッドロス王太子殿下は、後継を譲る気にならんままかのう?」
とマロン・ニャスター教授。
ソラッドロス王太子殿下は、口を開いた途端、腐臭を吸い込んで、咳き込んでいる。
ソラッドロス王太子殿下が話せるようになるまで、待つ余裕はない。
マーゴットは、時短のため、ソラッドロス王太子殿下の代わりに話を進めることにした。
「後継は、変えずに、ニンデリー王国の建国の祖が残した魔法システムを変える。」
とマーゴット。
「魔法システムに手をいれるには、建国の祖の頭脳を理解する必要がある。
過去、何度か、魔法システムの変更や作り直しは、検討されてきたが、実現しておらん。」
とマロン・ニャスター教授。
「理由は?」
とマーゴット。
「建国の祖の作り上げた魔法システムを解明できなかった。
建国の祖は、独自のルールと独特の発想で、魔法システムを作り上げなさった。
たった一人で。
魔法システムに関しては、何一つ資料を残されていない。
長年の研究で突き止めることが出来たのは、ただ一つ。
建国の祖は、魔法システムを作り上げるにあたり、この世界の魔法理論を使っておらん、ということ。
建国の祖が作り上げた魔法システムに手を加えるためには。
この世界のものでない魔法理論を理解するか、この世界の従来の魔法理論とは異なる魔法理論を新たに確立させ、魔法システムを自力で解明せねばならん。
どちらも、誰一人として、成功しとらん。」
とマロン・ニャスター教授。
「ニンデリー王国の建国の祖は、異世界転生者か、異世界転移者か、異世界の知識を学んだこの世界の住人か。」
とマーゴット。
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