440 / 583
第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
439.マロン・ニャスター教授と徘徊するネッド・チリル教授に繋がった!
しおりを挟む
ソラッドロス王太子殿下は、次は何を言い出す?とマーゴットを見ている。
ソラッドロス王太子殿下に思い当たることがないなら、ニンデリー王国には、記録がないか、ソラッドロス王太子には、まだ早い、と伝えられていないか。
マーゴットは、伝えた方が、話が早い、と思った。
「ニンデリー王国は、ニンデリー王国の建国の祖が魔法システムを作り上げて、国土を魔法でコーティングしなかったら、今のように魔法が栄えた国にはならなかった。
それは、知っている?」
とマーゴット。
「国土を魔法でコーティング?国王陛下の魔力を使ってか?」
とソラッドロス王太子殿下。
「国王陛下が代替わりすると、新しい国王陛下の魔力を使う。代替わりすると、生死にかかわらず、先代の魔力は残らない。」
とマーゴット。
「ニンデリー王国が魔法大国であり続けたのは、代々の国王の魔力によるところが大きかったのか。」
とソラッドロス王太子殿下。
「国民全体を底上げしていたから、平民も魔力持ちが多く生まれて、国として魔法が盛んになった。そういうシステムだと思う。システムを知らないから、断定はしない。」
とマーゴット。
「底上げされるなら、なぜ私は?」
とソラッドロス王太子殿下。
「底上げ対象に、国王陛下と、次代の国王になる王太子殿下は含んでいないと思う。
国王陛下は、自分自身の魔力が還元される結果になるから、最初から、国王陛下の分を除いて分配していけば、負担が少なくなる。
王太子殿下を国王陛下の魔力で底上げしていると、即位した途端に、底上げ分が消えて、本来の魔力量に戻ることになる。
魔力量が減少した新国王による、魔法システムの運用が行き詰まる事態を避けるため。
ニンデリー王国は、国王に即位する条件に魔力量についての記載があると思う。
魔法で、何かをなせたら、合格、のような条件が。
ニンデリー王国は、出生順じゃなく、魔力量で次代を選出してきた。」
とマーゴット。
ソラッドロス王太子殿下の顔には、表情がない。
「現国王陛下と、ソラッドロス王太子殿下の選出されているということは、二代続けて、その基準を従っていない。
その基準に従うように進言した人は、いたと思う。
国王陛下のときも、ソラッドロス王太子殿下のときも。
その人達に聞くのが早い。その人達は、まだ生きている?」
とマーゴット。
ソラッドロス王太子殿下は、沈痛な面持ちになった。
「反逆者として、処刑済み?
それとも、人と魚の実験に使った?」
とマーゴット。
「国王陛下の代では、処刑された者がいた。
私のときは、
『ソラッドロス王太子殿下は、王太子を降りて義弟か義妹を王太子につけるように。』
と私に直訴してきたから、私のための実験に使った。」
とソラッドロス王太子殿下。
「その人の名前は?」
とマーゴット。
「二人いる。
一人は、マロン・ニャスター。ニンデリー王立学園の教授をしていた。
もう一人は、ネッド・チリル。こちらも、ニンデリー王立学園の教授だった。
二人は、盟友だと言っていたな。
まだ、二人の死亡報告は、あがってきていない。
そうだな?チェール・モンス。」
とソラッドロス王太子殿下。
「まだです。殿下。」
とチェール・モンス。
やっとだ。
ようやく、繋がった。
「ソラッドロス王太子殿下。
今、この場で、チェール・モンスに、マロン・ニャスター教授と、ネッド・チリル教授以外の、人と魚の呪術を解除を命じなさい。」
マーゴットは、ソラッドロス王太子殿下にきっぱりと言い切った。
マロン・ニャスター教授が、ギリギリまで人の意識を保とうとしているのも。
ネッド・チリル教授が、徘徊しているのも。
理由は一つ。
ソラッドロス王太子殿下に伝えなければならないことを伝えないままでは、死んでも死にきれない。
間に合え。
いや、間に合わせる。
間に合わせてみせる。
マーゴットは、決意を固める。
ソラッドロス王太子殿下に思い当たることがないなら、ニンデリー王国には、記録がないか、ソラッドロス王太子には、まだ早い、と伝えられていないか。
マーゴットは、伝えた方が、話が早い、と思った。
「ニンデリー王国は、ニンデリー王国の建国の祖が魔法システムを作り上げて、国土を魔法でコーティングしなかったら、今のように魔法が栄えた国にはならなかった。
それは、知っている?」
とマーゴット。
「国土を魔法でコーティング?国王陛下の魔力を使ってか?」
とソラッドロス王太子殿下。
「国王陛下が代替わりすると、新しい国王陛下の魔力を使う。代替わりすると、生死にかかわらず、先代の魔力は残らない。」
とマーゴット。
「ニンデリー王国が魔法大国であり続けたのは、代々の国王の魔力によるところが大きかったのか。」
とソラッドロス王太子殿下。
「国民全体を底上げしていたから、平民も魔力持ちが多く生まれて、国として魔法が盛んになった。そういうシステムだと思う。システムを知らないから、断定はしない。」
とマーゴット。
「底上げされるなら、なぜ私は?」
とソラッドロス王太子殿下。
「底上げ対象に、国王陛下と、次代の国王になる王太子殿下は含んでいないと思う。
国王陛下は、自分自身の魔力が還元される結果になるから、最初から、国王陛下の分を除いて分配していけば、負担が少なくなる。
王太子殿下を国王陛下の魔力で底上げしていると、即位した途端に、底上げ分が消えて、本来の魔力量に戻ることになる。
魔力量が減少した新国王による、魔法システムの運用が行き詰まる事態を避けるため。
ニンデリー王国は、国王に即位する条件に魔力量についての記載があると思う。
魔法で、何かをなせたら、合格、のような条件が。
ニンデリー王国は、出生順じゃなく、魔力量で次代を選出してきた。」
とマーゴット。
ソラッドロス王太子殿下の顔には、表情がない。
「現国王陛下と、ソラッドロス王太子殿下の選出されているということは、二代続けて、その基準を従っていない。
その基準に従うように進言した人は、いたと思う。
国王陛下のときも、ソラッドロス王太子殿下のときも。
その人達に聞くのが早い。その人達は、まだ生きている?」
とマーゴット。
ソラッドロス王太子殿下は、沈痛な面持ちになった。
「反逆者として、処刑済み?
それとも、人と魚の実験に使った?」
とマーゴット。
「国王陛下の代では、処刑された者がいた。
私のときは、
『ソラッドロス王太子殿下は、王太子を降りて義弟か義妹を王太子につけるように。』
と私に直訴してきたから、私のための実験に使った。」
とソラッドロス王太子殿下。
「その人の名前は?」
とマーゴット。
「二人いる。
一人は、マロン・ニャスター。ニンデリー王立学園の教授をしていた。
もう一人は、ネッド・チリル。こちらも、ニンデリー王立学園の教授だった。
二人は、盟友だと言っていたな。
まだ、二人の死亡報告は、あがってきていない。
そうだな?チェール・モンス。」
とソラッドロス王太子殿下。
「まだです。殿下。」
とチェール・モンス。
やっとだ。
ようやく、繋がった。
「ソラッドロス王太子殿下。
今、この場で、チェール・モンスに、マロン・ニャスター教授と、ネッド・チリル教授以外の、人と魚の呪術を解除を命じなさい。」
マーゴットは、ソラッドロス王太子殿下にきっぱりと言い切った。
マロン・ニャスター教授が、ギリギリまで人の意識を保とうとしているのも。
ネッド・チリル教授が、徘徊しているのも。
理由は一つ。
ソラッドロス王太子殿下に伝えなければならないことを伝えないままでは、死んでも死にきれない。
間に合え。
いや、間に合わせる。
間に合わせてみせる。
マーゴットは、決意を固める。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
103
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる