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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
434.わたしの用事を済ませてから、話し合えばいい。ニンデリー王国のソラッドロス王太子殿下。名前は知っている。親しくする気は、ゼロ。
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「得体の知れぬ子どもか。」
と王太子殿下がチェール・モンスに注ぐ視線には、悲哀がこもっている。
マーゴットは、王太子とシグル・ドレマンのやり取りなんかで、チェール・モンスが呪術を解くための時間を無駄にしたくない。
王太子が来たのなら、ちょうどいい。
チェール・モンスに話をしても、ぐずぐずしているだけで、話が進まない。
マーゴットは、王太子と話をすることにした。
「チェール・モンスの魔法を解くも、解かないも、後。
先にチェール・モンスが使っている呪術を解かせて、人は人、魚は魚に戻す。」
とマーゴット。
「堂々と、好き勝手する性格のようだ。使用人を帯同しない貴族の男子寮の風通しは、このようではなかったはず。」
と王太子殿下。
王太子殿下が、ちくりと言っているが、マーゴットには、大事の前の小事。
「チェール・モンス、自分で呪術を解かないなら、王太子殿下がシグル・ドレマンの思考を呪術で支配したときみたいに、チェール・モンスも操作される?」
とマーゴット。
「面白いことを言う。」
と王太子殿下。
マーゴットを見下ろす王太子殿下は、マーゴットが使えるかどうか、を探っている。
マーゴットは、ニンデリー王国の王太子殿下の意向なんて、取り合う気がない。
誰かに使われてやる気など、マーゴットには、さらさらない。
今のマーゴットが従う人は、マーゴットの入学を後押ししてくれたマーゴットの父ダルクと、マーゴットが外国暮らしで困らないようにと手回ししてくれた長兄デヒルの二人。
頭を垂れる相手が、二人もいれば、十分。
マーゴットは、これ以上、頭を垂れる人を増やすつもりはない。
マーゴットは、従えて、君臨する側だ。
「王太子殿下は、ここに来るのに、呪術を使った。
チェール・モンスにかけられている魔法が、シグル・ドレマンによるものか、シグル・ドレマン本人に確認した上で、シグル・ドレマンに解かせようとするくらい、魔法に疎く、呪術は日常的に使えている。
王太子殿下は、チェール・モンスがやる気にならなくても、動かせる。」
とマーゴット。
「なぜ、そう言える?」
と問う王太子の声には質感がない。
王太子殿下は、今、ボロが出るとは思わなかったのだろう。
今の今まで、マーゴットに遭遇するまでは、王太子殿下は、うまくやっていたに違いない。
マーゴットは、王太子殿下が、呪術を使っているとバレるようなヘマをしていないはず、と考えていることには、気づいていない。
「分からない理由は何?」
と聞き返すマーゴット。
マーゴットは、この世界の既知について、英才教育を施されている。
マーゴットは、どんな状況下でも、考える前に動けて、生き抜けると判断されたから、ガラン子爵家の当主である父、ダルクから、単身で、外国に行く許可がおりた。
ガラン子爵家当主である父ダルクのお墨付きがなければ、マーゴットは、ガランの影響力がほとんどないニンデリー王国の学校に入学していない。
マーゴットは、目の前の事実を繋ぎ合わせたら、考えなくても、答えが導き出せただけ。
王太子殿下とマーゴットは、互いに質問を投げながら、相手の答えを聞いたところで、自身のためにならないと、なんとなく察し合った。
「ここは、ニンデリー王国のニンデリー王立学園。現状を見ると、一介の学生が好き勝手振る舞う限度を超えている。」
と王太子殿下。
マーゴットは、ちょうどいいので、本人に、確認することにした。
「ニンデリー王立学園で、学生でもないのに、我が物顔で、使用人を帯同しない貴族の男子寮に呪術を使って入ってきて、王立学園の現状について言及しているのは、ニンデリー王国のソラッドロス王太子殿下本人?」
とマーゴット。
と王太子殿下がチェール・モンスに注ぐ視線には、悲哀がこもっている。
マーゴットは、王太子とシグル・ドレマンのやり取りなんかで、チェール・モンスが呪術を解くための時間を無駄にしたくない。
王太子が来たのなら、ちょうどいい。
チェール・モンスに話をしても、ぐずぐずしているだけで、話が進まない。
マーゴットは、王太子と話をすることにした。
「チェール・モンスの魔法を解くも、解かないも、後。
先にチェール・モンスが使っている呪術を解かせて、人は人、魚は魚に戻す。」
とマーゴット。
「堂々と、好き勝手する性格のようだ。使用人を帯同しない貴族の男子寮の風通しは、このようではなかったはず。」
と王太子殿下。
王太子殿下が、ちくりと言っているが、マーゴットには、大事の前の小事。
「チェール・モンス、自分で呪術を解かないなら、王太子殿下がシグル・ドレマンの思考を呪術で支配したときみたいに、チェール・モンスも操作される?」
とマーゴット。
「面白いことを言う。」
と王太子殿下。
マーゴットを見下ろす王太子殿下は、マーゴットが使えるかどうか、を探っている。
マーゴットは、ニンデリー王国の王太子殿下の意向なんて、取り合う気がない。
誰かに使われてやる気など、マーゴットには、さらさらない。
今のマーゴットが従う人は、マーゴットの入学を後押ししてくれたマーゴットの父ダルクと、マーゴットが外国暮らしで困らないようにと手回ししてくれた長兄デヒルの二人。
頭を垂れる相手が、二人もいれば、十分。
マーゴットは、これ以上、頭を垂れる人を増やすつもりはない。
マーゴットは、従えて、君臨する側だ。
「王太子殿下は、ここに来るのに、呪術を使った。
チェール・モンスにかけられている魔法が、シグル・ドレマンによるものか、シグル・ドレマン本人に確認した上で、シグル・ドレマンに解かせようとするくらい、魔法に疎く、呪術は日常的に使えている。
王太子殿下は、チェール・モンスがやる気にならなくても、動かせる。」
とマーゴット。
「なぜ、そう言える?」
と問う王太子の声には質感がない。
王太子殿下は、今、ボロが出るとは思わなかったのだろう。
今の今まで、マーゴットに遭遇するまでは、王太子殿下は、うまくやっていたに違いない。
マーゴットは、王太子殿下が、呪術を使っているとバレるようなヘマをしていないはず、と考えていることには、気づいていない。
「分からない理由は何?」
と聞き返すマーゴット。
マーゴットは、この世界の既知について、英才教育を施されている。
マーゴットは、どんな状況下でも、考える前に動けて、生き抜けると判断されたから、ガラン子爵家の当主である父、ダルクから、単身で、外国に行く許可がおりた。
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マーゴットは、目の前の事実を繋ぎ合わせたら、考えなくても、答えが導き出せただけ。
王太子殿下とマーゴットは、互いに質問を投げながら、相手の答えを聞いたところで、自身のためにならないと、なんとなく察し合った。
「ここは、ニンデリー王国のニンデリー王立学園。現状を見ると、一介の学生が好き勝手振る舞う限度を超えている。」
と王太子殿下。
マーゴットは、ちょうどいいので、本人に、確認することにした。
「ニンデリー王立学園で、学生でもないのに、我が物顔で、使用人を帯同しない貴族の男子寮に呪術を使って入ってきて、王立学園の現状について言及しているのは、ニンデリー王国のソラッドロス王太子殿下本人?」
とマーゴット。
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