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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
418.マーゴット。『ニンデリー王国の内部事情か。詳しくなると暗殺者が送られてくるけれど、価値のある情報には対価を。』
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マーゴットは、しらーとした気持ちで聞いていた。
「ニンデリー王国の内部事情を知ったところで、わたしの役に立つことがある?
秘密を知られたと、ニンデリー王国から、暗殺者を送り込まれてくるだけ。
わたしに余計な話をする前に、口を開かなくしておくか。」
とマーゴット。
「短絡的過ぎる!ガランの娘として、聞いていけ。」
と紗幕の向こうの声。
「夜中に、寮のわたしの部屋に突撃するのを止めなさい。
手短に話しなさい。」
マーゴットは、問答の時間が勿体ないので、喋らせることにした。
「ニンデリー王国の国王には、一定以上の魔力がいる。」
と紗幕の向こうの声。
「それで?」
「国王陛下と正妃との間に生まれた王女と王子の魔力は、基準値より少ない。」
「ふーん。」
だから、どうした?
と言わんばかりのマーゴット。
「側妃の子ども二人は、基準値を大幅に上回る。」
「そう。終わり?」
「ニンデリー王国の問題が分かったであろう?」
紗幕の向こうの声は、満足気だ。
「無関係な王家の事情を聞いたところで、使い道がどこに?」
とマーゴット。
マーゴットは、学園在学中のみの滞在なので、卒業した後は、後は野となれ山となれ、だ。
ニンデリー王国の王家が、どんな問題をかかえていようと、ニンデリー王国が自身で解決する問題である。
一生徒のマーゴットに、何を期待しているのやら。
国を混乱させたり、崩壊させたくないなら、ニンデリー王国の国民が働け。
王侯貴族は、何のために存在するのか?
「ニンデリー王国は、まだまだ荒れる。
魔力問題が解決しない限り。
解決の目処はたっておらんのだ。」
と紗幕の向こうからの声。
「ニンデリー王国は、国内事情が解決するまで荒れるから、学生は苦労する、という話。」
とマーゴット。
マーゴットにとって、有益な話ではあった。
話の価値に見合う対価を与えるとする。
「紗幕の向こうは、何を取り戻そうとしている?それは、取り戻せるもの?」
とマーゴット。
「わしは、難しいな。もう、取れるところは、全部取られた後だ。
この部屋は、死体安置所のようなものよ。
ガランの娘。」
魔法の紗幕で遮断されてはいるが、臭ってくる腐臭がマーゴットの鼻をつく。
紗幕の向こうの声の主が、取り戻したいのは、削り取られたか、切り取られたかした、声の主の本来の肉体だろう。
しかし、肉体から切り取られた欠片は、既に腐っている。
どう頑張っても、紗幕の向こうの声の主は、助かりそうもない。
ひと思いにとどめを刺すのも人情だ。
マーゴットは、決めかねている。
紗幕の向こうの声の主をどうすべきか?
ふいに。
ミノカサゴの言葉が、マーゴットの脳裏をよぎった。
「魚として生まれたからには、魚として。」
「ニンデリー王国の内部事情を知ったところで、わたしの役に立つことがある?
秘密を知られたと、ニンデリー王国から、暗殺者を送り込まれてくるだけ。
わたしに余計な話をする前に、口を開かなくしておくか。」
とマーゴット。
「短絡的過ぎる!ガランの娘として、聞いていけ。」
と紗幕の向こうの声。
「夜中に、寮のわたしの部屋に突撃するのを止めなさい。
手短に話しなさい。」
マーゴットは、問答の時間が勿体ないので、喋らせることにした。
「ニンデリー王国の国王には、一定以上の魔力がいる。」
と紗幕の向こうの声。
「それで?」
「国王陛下と正妃との間に生まれた王女と王子の魔力は、基準値より少ない。」
「ふーん。」
だから、どうした?
と言わんばかりのマーゴット。
「側妃の子ども二人は、基準値を大幅に上回る。」
「そう。終わり?」
「ニンデリー王国の問題が分かったであろう?」
紗幕の向こうの声は、満足気だ。
「無関係な王家の事情を聞いたところで、使い道がどこに?」
とマーゴット。
マーゴットは、学園在学中のみの滞在なので、卒業した後は、後は野となれ山となれ、だ。
ニンデリー王国の王家が、どんな問題をかかえていようと、ニンデリー王国が自身で解決する問題である。
一生徒のマーゴットに、何を期待しているのやら。
国を混乱させたり、崩壊させたくないなら、ニンデリー王国の国民が働け。
王侯貴族は、何のために存在するのか?
「ニンデリー王国は、まだまだ荒れる。
魔力問題が解決しない限り。
解決の目処はたっておらんのだ。」
と紗幕の向こうからの声。
「ニンデリー王国は、国内事情が解決するまで荒れるから、学生は苦労する、という話。」
とマーゴット。
マーゴットにとって、有益な話ではあった。
話の価値に見合う対価を与えるとする。
「紗幕の向こうは、何を取り戻そうとしている?それは、取り戻せるもの?」
とマーゴット。
「わしは、難しいな。もう、取れるところは、全部取られた後だ。
この部屋は、死体安置所のようなものよ。
ガランの娘。」
魔法の紗幕で遮断されてはいるが、臭ってくる腐臭がマーゴットの鼻をつく。
紗幕の向こうの声の主が、取り戻したいのは、削り取られたか、切り取られたかした、声の主の本来の肉体だろう。
しかし、肉体から切り取られた欠片は、既に腐っている。
どう頑張っても、紗幕の向こうの声の主は、助かりそうもない。
ひと思いにとどめを刺すのも人情だ。
マーゴットは、決めかねている。
紗幕の向こうの声の主をどうすべきか?
ふいに。
ミノカサゴの言葉が、マーゴットの脳裏をよぎった。
「魚として生まれたからには、魚として。」
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