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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
387.キャスリーヌ。『使用人を帯同しない貴族の男子寮って、いつから問題を抱えていたんだろうね?』
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キャスリーヌは、使用人を帯同しない貴族の男子寮のうち、シグル・ドレマンが、廊下に発見したバッテンから先にある立入禁止区域の解明を担当している。
シグル・ドレマンは、バッテンから先に進もうとして、進行を妨げられた。
ならば。
キャスリーヌの行き先は、ただ一つ。
立入禁止区域の最重要拠点。
立入禁止区域の中でも、厳重に守られている場所に突入する。
手前から攻めていくから、邪魔が入るのだ。
時間も余力もある一番最初に、全力で叩き潰す。
まずは、全面降伏。
首根っこを押さえてから、色々する。
キャスリーヌのプランは、単純明快。
そういうわけで。
一番厳重に守られている場所を探すところから、始めることにしたキャスリーヌ。
どうせ、後で騒ぎになるのだから、人に見られる、とか、見られない、とかは、気にしない。
騒ぎにならないはずがないことをするのだ。
騒ぎになるのは、当然のこと。
騒ぎになったあとに、どうおさめるか、が、貴族や商人の腕の見せ所。
そうでなければ、使用人を帯同しない貴族の男子寮なんぞに、男爵令嬢のキャスリーヌが突入する計画なぞ立てない。
そもそも、使用人を帯同しない貴族の男子寮の話を、キャスリーヌ達に最初に持ち出したのは、誰だったか?
クロッグ・カーブだ。
ニンデリー王立学園の入学前からの飼い主である、ニンデリー王国のどこぞの貴族令嬢から、ニンデリー王国のジョンストン伯爵家の嫡女ナユカ・ジョンストンに乗り換えた、ニンデリー王国の商人の息子、クロッグ・カーブ。
飼い主を乗り換える前のクロッグ・カーブは、使用人を帯同しない貴族の男子寮に、キャスリーヌ達を行かせたがっていた。
クロッグ・カーブの前の飼い主、ニンデリー王国の貴族令嬢は、使用人を帯同しない貴族の男子寮に、立ち入る人間を待ち望んでいた、ということになる。
使用人を帯同しない貴族の男子寮への立ち入りを求めたのは、ニンデリー王国の貴族令嬢。
ニンデリー王国の貴族令嬢が手下にしたのは、ニンデリー王国の平民。
ニンデリー王国の貴族令嬢は、使用人を帯同しない貴族の男子寮への立ち入りに際し、ニンデリー王国の平民、クロッグ・カーブではなく、キャスリーヌ達、外国の貴族令嬢を希望している。
クロッグ・カーブが、外国の貴族令嬢を選んだのは、新入生の平民クラスに在籍していたのが、キャスリーヌ達、外国の貴族令嬢だけだったから?
違う。
たまたま、キャスリーヌ達の顔を知っていたから、使用人を帯同しない貴族の男子寮へ立ち入る話を持ちかけたのではない。
クロッグ・カーブは、外国の貴族子弟、スラックス・トークンに自分から声をかけている。
クロッグ・カーブは、臆して、貴族と話せない気質ではなかった。
現在、ニンデリー王国のナユカ・ジョンストン伯爵令嬢を飼い主に選んだクロッグ・カーブは、貴族に萎縮する性質ではない。
スラックス・トークンが面倒を見る前と、見なくなった後のクロッグ・カーブは、積極性の塊だった。
外国の貴族にも、自国の貴族にも、自分から声をかけにいくクロッグ・カーブ。
そのクロッグ・カーブは、キャスリーヌ達に、使用人を帯同しない貴族の男子寮へ立ち入ることを執拗に望んでいた。
クロッグ・カーブが、ニンデリー王国の貴族令嬢と取り交わした約束で、どんな人に、使用人を帯同しない貴族の男子寮へ立ち入らせるか、の決まりがあったのだと、キャスリーヌはにらんでいる。
ニンデリー王国の貴族令嬢が、クロッグ・カーブを使うと決めたのは、クロッグ・カーブが、ニンデリー王立学園に通う前。
クロッグ・カーブが慕っていたニンデリー王立学園の教授の一人、ヒイロ・ゼーゼ教授が、表舞台から姿を消した後。
ニンデリー王立学園内で、ニンデリー王国の王太子が主導する学園改革派が絶対的優位に立った後。
ニンデリー王国の貴族ではなく、外国の貴族を立ち入らせたい理由は、ただ一つ。
使用人を帯同しない貴族の男子寮に隔離されているのは、王太子率いる改革派に敗けた貴族だから。
と、推測できる。
ニンデリー王国の貴族は、内実を知っているから、絶対に、使用人を帯同しない貴族の男子寮に隔離されている人間に関しては、手を出さない。
外国の貴族に踏み込ませるしかない。
そこで、なぜ、踏み込ませたい人選が、貴族子弟ではなく、貴族令嬢だったか、だが。
貴族子弟では、外国の貴族でも、ニンデリー王国の貴族同様に、使用人を帯同しない貴族の男子寮に関するマル秘情報を仕入れて、踏み込まなくなる可能性があったから?
ニンデリー王立学園に通うニンデリー王国の貴族は、教授も学生も、当事者以外は、マル秘情報を漏らしていない。
ならば。
外国の貴族の男子学生ではなく、女子学生であることが必要だった理由は、別にある。
そして、その理由は、おそらく、対外的によろしいものではない。
男子学生よりも、女子学生の方が、力が弱い。
口を閉じさせやすい。
そういった理由ではないだろうか?
だから。
キャスリーヌは、最初から、全面降伏させるのだ。
愚かな夢を見る時間を与えないために。
シグル・ドレマンは、バッテンから先に進もうとして、進行を妨げられた。
ならば。
キャスリーヌの行き先は、ただ一つ。
立入禁止区域の最重要拠点。
立入禁止区域の中でも、厳重に守られている場所に突入する。
手前から攻めていくから、邪魔が入るのだ。
時間も余力もある一番最初に、全力で叩き潰す。
まずは、全面降伏。
首根っこを押さえてから、色々する。
キャスリーヌのプランは、単純明快。
そういうわけで。
一番厳重に守られている場所を探すところから、始めることにしたキャスリーヌ。
どうせ、後で騒ぎになるのだから、人に見られる、とか、見られない、とかは、気にしない。
騒ぎにならないはずがないことをするのだ。
騒ぎになるのは、当然のこと。
騒ぎになったあとに、どうおさめるか、が、貴族や商人の腕の見せ所。
そうでなければ、使用人を帯同しない貴族の男子寮なんぞに、男爵令嬢のキャスリーヌが突入する計画なぞ立てない。
そもそも、使用人を帯同しない貴族の男子寮の話を、キャスリーヌ達に最初に持ち出したのは、誰だったか?
クロッグ・カーブだ。
ニンデリー王立学園の入学前からの飼い主である、ニンデリー王国のどこぞの貴族令嬢から、ニンデリー王国のジョンストン伯爵家の嫡女ナユカ・ジョンストンに乗り換えた、ニンデリー王国の商人の息子、クロッグ・カーブ。
飼い主を乗り換える前のクロッグ・カーブは、使用人を帯同しない貴族の男子寮に、キャスリーヌ達を行かせたがっていた。
クロッグ・カーブの前の飼い主、ニンデリー王国の貴族令嬢は、使用人を帯同しない貴族の男子寮に、立ち入る人間を待ち望んでいた、ということになる。
使用人を帯同しない貴族の男子寮への立ち入りを求めたのは、ニンデリー王国の貴族令嬢。
ニンデリー王国の貴族令嬢が手下にしたのは、ニンデリー王国の平民。
ニンデリー王国の貴族令嬢は、使用人を帯同しない貴族の男子寮への立ち入りに際し、ニンデリー王国の平民、クロッグ・カーブではなく、キャスリーヌ達、外国の貴族令嬢を希望している。
クロッグ・カーブが、外国の貴族令嬢を選んだのは、新入生の平民クラスに在籍していたのが、キャスリーヌ達、外国の貴族令嬢だけだったから?
違う。
たまたま、キャスリーヌ達の顔を知っていたから、使用人を帯同しない貴族の男子寮へ立ち入る話を持ちかけたのではない。
クロッグ・カーブは、外国の貴族子弟、スラックス・トークンに自分から声をかけている。
クロッグ・カーブは、臆して、貴族と話せない気質ではなかった。
現在、ニンデリー王国のナユカ・ジョンストン伯爵令嬢を飼い主に選んだクロッグ・カーブは、貴族に萎縮する性質ではない。
スラックス・トークンが面倒を見る前と、見なくなった後のクロッグ・カーブは、積極性の塊だった。
外国の貴族にも、自国の貴族にも、自分から声をかけにいくクロッグ・カーブ。
そのクロッグ・カーブは、キャスリーヌ達に、使用人を帯同しない貴族の男子寮へ立ち入ることを執拗に望んでいた。
クロッグ・カーブが、ニンデリー王国の貴族令嬢と取り交わした約束で、どんな人に、使用人を帯同しない貴族の男子寮へ立ち入らせるか、の決まりがあったのだと、キャスリーヌはにらんでいる。
ニンデリー王国の貴族令嬢が、クロッグ・カーブを使うと決めたのは、クロッグ・カーブが、ニンデリー王立学園に通う前。
クロッグ・カーブが慕っていたニンデリー王立学園の教授の一人、ヒイロ・ゼーゼ教授が、表舞台から姿を消した後。
ニンデリー王立学園内で、ニンデリー王国の王太子が主導する学園改革派が絶対的優位に立った後。
ニンデリー王国の貴族ではなく、外国の貴族を立ち入らせたい理由は、ただ一つ。
使用人を帯同しない貴族の男子寮に隔離されているのは、王太子率いる改革派に敗けた貴族だから。
と、推測できる。
ニンデリー王国の貴族は、内実を知っているから、絶対に、使用人を帯同しない貴族の男子寮に隔離されている人間に関しては、手を出さない。
外国の貴族に踏み込ませるしかない。
そこで、なぜ、踏み込ませたい人選が、貴族子弟ではなく、貴族令嬢だったか、だが。
貴族子弟では、外国の貴族でも、ニンデリー王国の貴族同様に、使用人を帯同しない貴族の男子寮に関するマル秘情報を仕入れて、踏み込まなくなる可能性があったから?
ニンデリー王立学園に通うニンデリー王国の貴族は、教授も学生も、当事者以外は、マル秘情報を漏らしていない。
ならば。
外国の貴族の男子学生ではなく、女子学生であることが必要だった理由は、別にある。
そして、その理由は、おそらく、対外的によろしいものではない。
男子学生よりも、女子学生の方が、力が弱い。
口を閉じさせやすい。
そういった理由ではないだろうか?
だから。
キャスリーヌは、最初から、全面降伏させるのだ。
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