子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

かざみはら まなか

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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

363.マーゴット・ガラン。ガラン領から、助っ人を呼ぼう!『霊獣シジミ。マーゴット・ガランの呼ぶ声に応えて、姿を現せ。』

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わたしは、ジュゴン先生の授業を思い返す。

短時間なら、魚は水から出ても大丈夫。

長時間はダメ。

魚の体は、長時間、水から出さない方がいい?

頭は、出したがっているから、頭だけ出す?

魚って、立ち泳ぎする?

人間は、立ち泳ぎもするけれど。

頭が混乱する。

食べるためじゃないのに、魚について真剣に悩む日が来るとは思わなかった。

海も川もない場所で。

人の生霊が取り憑いた魚を食べて、取り憑かれるような事態になったら、嫌だ。

学園内の食事で提供される魚を調べる?

わたしとキャスリーヌ、バネッサ、レベッカ・ショアは、食材は全て持込。
食堂で食べない。

スラッルス・トークンは、使用人がいないから、提供されたものを食べている。

ベリーベリー・イニーは、今後、わたしが手を回すから、安全な食材のみを食べることになる。

他はともかく、使用人を帯同しない貴族の男子寮の食材については、調べる。

水槽を1つずつ運び出すには人手不足。
置く場所も足りない。

となると、この場で、解決したい。

生霊憑きの魚は、除霊したらいいのかな。

ナンシー・ボーンは、魚の魂が、がっちり絡まっている状態とミノカサゴは教えてくれた。

わたしは、魔法は使うけれど、霊を祓うのは、専門じゃない。

試してみて、消滅したら、予定が狂う。

誰か、呼ぼう。

ガラン領から。

霊的なものには、神獣カバが最強だけど、カバの体は、大きいから、目立つ。
しかも、歩いてくると時間がかかる。


うぐいす色のワイバーン、神獣パパランは、翼があるから、呼んだら、すぐ来てくれるけれど。

霊的な現象を解決するような神獣じゃない。


神獣ゾウは、邪魔者を踏む。

わたしが、今いる場所は。
邪魔者しかいない土地。
ゾウに踏まれて屍累々の土地の後処理が残る。
片付けが一晩で終わらないから、止めよう。


神獣シカ?
角に何かを刺して運ぶイメージが、浮かび上がった。

止めておこう。

持って帰ったらダメなものをお土産と言って、くれる気がする。


神獣サイ?

サイは、別の建物に突進していく気がする。

神獣リクガメ?

リクガメは、気に食わないと、踏みながら埋める。

死なせたくないなら、踏まれた人を地面から掘り起こさないといけなくなる。

神獣は、基本的に、したいことをしている。

どうしたものか。


魚にも強いのは、誰?

わたしは、閃いた。

シジミに頼もう。

シジミは、神獣じゃない。

妖怪でもない。

わたしは、シジミをよぶことにした。

「霊獣シジミ。マーゴット・ガランの呼ぶ声に応え、姿を現せ。」

「はいはーい。シジミちゃんが来てあげちゃった!」
と霊獣シジミ。

シジミは、淡水貝の霊獣。

普段は、ガラン領の、水の中にいる。

「マーゴット。シジミちゃんにSOSしちゃった?」
と霊獣シジミ。

「した。今、ミノカサゴは、ミノカサゴのお仕事。
わたしは人の生霊が取り憑いた魚から、人の生霊を剥がして、魚の魂を魚に還したい。
シジミ、どうすればいい?」
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