子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

357.ベリーベリー・イニーの結論。マーゴットの提案。『ベリーベリー・イニーは友達。部下は友達じゃない。』ベリーベリー・イニーの父親の決断。

建物内のバタつきの理由をマーゴットから聞いたベリーベリー・イニー父子。

「シグル・ドレマンが、医者として使い物にならない場合の話を先にする。

わたし達と無関係な間柄で、ベリーベリー・イニーの母親の主治医を別に手配するとなると、卒業してベリーベリー・イニーが母親に会いに行くまで会えない場所に預けることになる。

父親も、娘のベリーベリー・イニーが会いに行くタイミングでしか、母親に会いに行くことが出来ない。
ベリーベリー・イニーの母親は、ベリーベリー・イニーが卒業後、ベリーベリー・イニーと父親に引き渡す。
その後、わたし達は、完全に無関係。」
とマーゴット。

「もしくは。
ベリーベリー・イニーの父親が、今から、わたしか、キャスリーヌの下につくのであれば、部下の家族として行き来が可能。
但し、ベリーベリー・イニーの父親には、生涯の忠誠を誓わせる。
父親の裏切りは、ベリーベリー・イニーと母親にも及ぶ。
シグル・ドレマンの帰還状況によって、決断しなさい。」
とマーゴット。

「ご配慮、いたみいります。」
とベリーベリー・イニーの父親。

マーゴットは、うんと頷く。
「ベリーベリー・イニーの結論は？」
とマーゴット。

マーゴット、キャスリーヌ、バネッサは、平然としている。

レベッカ・ショアは、そわそわを隠せていない。

「あたしは、マーゴット、キャスリーヌ、バネッサ、レベッカ、スラッルスの友達で、これからも友達。」
とベリーベリー・イニー。

「それから？」
とマーゴット。

「あたしは、ニンデリー王国で、他の街は知らない。
でも。
この街には、住みたくない。
ニンデリー王立学園を卒業したら、ニンデリー王国から出ていく。

母さんを元気にしたい。
あたしの話が分かって、あたしと父さんが好きな母さんが、あたしの母さん。

母さんの治療は、マーゴットのお勧めがいい。

それと。
あたしが卒業するまでの間。
あたしと父さんが暮らす家について、相談しようと父さんと話をしていた。」
とベリーベリー・イニー。

「ベリーベリー・イニーの父親が、わたしの部下になるなら、わたしが部下と娘を庇護するために家をおさえる。」
とマーゴット。

「マーゴットの？」
とベリーベリー・イニー。

「キャスリーヌの魔導具の価値は？」
と、マーゴットは、ベリーベリー・イニーの父親を見た。

「助けていただきました。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「ベリーベリー・イニーの母親とベリーベリー・イニーが、その価値を理解して扱わなかったために、起きたことは理解した？」
とマーゴット。

「はい。貴族から、直々に、貴族のものを貸し与えられながら、その意味を理解しておらず、愚かな振る舞いをして、キャスリーヌ様には多大なご迷惑をおかけしました。
深くお詫び申し上げます。」
とベリーベリー・イニーの父親は頭を下げる。

「ご厚意を無にし、ご迷惑をおかけしました。」
とベリーベリー・イニーも頭を下げた。
「キャスリーヌ。今まで、貴重なものを貸してくれてありがとう。」


「貸し主のキャスリーヌに余計な労力をかけたことも理解した？」
とマーゴット。

「キャスリーヌ様のお手を煩わせることになり、不徳の致すところです。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「キャスリーヌの下につくなら、商売を通じて、斡旋する仕事の選択肢はそれなりにあった。

わたしの下につくことは、キャスリーヌの下につくこととは異なる。

わたしは、わたしだけに忠誠を捧げ、わたし自身の力を増す部下を求める。
他はいらない。

ベリーベリー・イニーの父親が、その二つの条件に適うなら、部下として迎える。」
とマーゴット。

「ベリーベリーを部下として、とは、おっしゃらないんですね。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「ベリーベリー・イニーは、友達。部下は、友達じゃない。」
とマーゴットはきっぱり。

ベリーベリー・イニーは、ぱっと満面の笑みを浮かべた。

ベリーベリー・イニーの父親は、愛娘とマーゴットのの様子を見た。

ベリーベリー・イニーの父親は、跪いて、マーゴットに頭を下げた。

「ベリーベリー・イニーの父親、タント・イニーでございます。

私は、外国で、貴族のお子様の教育を生業にしております。

マーゴット様の部下として、マーゴット様に生涯の忠誠を捧げます。

どうぞ、私の忠誠をお受け取りください。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「そなたの忠誠、マーゴットが、しかと受け取った。」
とマーゴット。