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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

352.ベリーベリー・イニー。『将来は分からない。今のあたしがしたいことしか、あたしは分からない。』キャスリーヌの魔導具の価値。

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「ベリーベリーは、友達と一緒にニンデリー王国を出たいかい?」
とベリーベリー・イニーの父親。

「あたしは、将来のことまでは、分からない。
今のあたしがしたいことしか、あたしは分からない。

ニンデリー王立学園に通いたい。
この街にいたくない。
母さんを治したい。
マーゴット達と離れたくない。」
とベリーベリー・イニー。

「分かった。父さんの希望を言うよ。

ベリーベリーの毎日を楽しいものにしたい。

住む場所は、どこでもいい。

ベリーベリーと母さんと一緒にいたい。

母さんにまた元気になってほしい。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「お仕事は、どうするの?」
とベリーベリー。

「父さんは、母さんと一緒に国を出て、ニンデリー王国にいないときは、そこを拠点にしてもいいんだけど。
ベリーベリーに、平民寮は危険だというからね。

ベリーベリーの友達にも相談してみようか。」
とベリーベリー・イニーの父親。

ベリーベリー・イニーと父親は、たくさん話をした。

「父さんも、母さんと家が襲撃された同じ時間帯に、襲撃されたんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「父さん、怪我していない。」
とベリーベリー・イニー。

「借りていた魔導具が、攻撃を全部、防いでくれたんだ。
襲撃犯は捕まったよ。父さんは、急いで帰ってきたから、雇い主は、ニンデリーの貴族ということしか聞けていない。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「珍しいことなんだよ、ベリーベリー。
外国にいて、自分の国の貴族が、自分の国の平民襲撃したところで、大きな問題にならない。
父さんは、犯人について、何も知らされないこともあり得た。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「どうして、教えてもらえたの?貴族のお客様がいるから?」
とベリーベリー・イニー。

「ベリーベリーが、キャスリーヌさんから借りている魔導具のお陰だよ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「え?魔導具?」
とベリーベリー・イニー。

「この魔導具を携帯しているということで、父さんは、犯人の黒幕を教えてもらえたし、帰りは最短でニンデリー王国まで、送ってもらえたんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「キャスリーヌさんが貸してくれている魔導具は、それだけ、価値があるものだったんだ。
キャスリーヌさんが、もう貸さないといった理由は、分かったかい?」
とベリーベリー・イニーの父親。

「あたしと母さんが価値を理解して、価値に見合う扱いをしなかったから。」
とベリーベリー・イニー。

「そうだね。
それと、キャスリーヌさんの魔導具に対する注意を真剣に受け取らなかったことだね。

母さんは、魔導具を肌見離さず身に着けるようにというキャスリーヌさんの説明は聞いていても、家の中では、つけていなかった。

肌見離さず魔導具を持っていたら、母さんは、ナンシーの家族に襲撃されたところで、怪我をしていなかった。それほどの魔導具だったんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「あたし、キャスリーヌに、ごめんとありがとうを言う。」
とベリーベリー・イニー。

「父さんも、貴族から物を借りているという意味を家族に理解させていなかったこと謝って、今借りているもののお礼をする。」
とベリーベリー・イニーの父親。
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