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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
351.ベリーベリー・イニー。『あたしは、毎日、ずっと、つまらなかった。でも。今は、毎日が、楽しい。あたしの毎日が楽しくなったのは。』
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「父さん。あたしは、ずっとつまらなかった。」
とベリーベリー・イニー。
「そうか。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「ニンデリー王立学園に行くまでは、父さんと母さんさえいたら、あたしは良かった。」
「あたしは、このあたりの誰とも話が合わない。
あたしの楽しいことは、他の人が楽しくない。
他の人が楽しいことは、あたしが楽しくない。
他の人といる意味があたしにはない。
あたしが仲良くしていた人に、あたしより仲良くなる人が出来る。
それは、いい。
あたしより仲良くなった人とあたしは、だいたいそりが合わない。
結果的に、あたしと元々仲良くしていた人は、疎遠になる。
それも、別にいい。
でも、友達を作って、皆で協力しあって、仲良くなりましょう、という大人の同調圧力はいらない。」
とベリーベリー・イニー。
「コミュニケーション能力が大事っていう風潮はあるからね。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「仲良くしたい人がいないのに、我慢して仲良くするフリをする意味が分からない。
互いに仲良くしたくないんだから、見えないところまで離れたらいい。
子どもが仲良くしているのを見て喜ぶ大人は、気持ち悪い。
子ども同士で、仲が良いなら、勝手にまとまっていればいい。
あたしに無駄と理不尽を無遠慮におしつけてくる人達とは、あたしは付き合いたくない。」
とベリーベリー・イニー。
「ベリーベリーは、この街から出たいかい?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「出たい。この街は、あたしには窮屈で退屈。」
とベリーベリー・イニー。
「それに、母さんのことがあるから、絶対に、この街にはいたくない。」
「分かった。学園はどうかな?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「ニンデリー王立学園に入って、マーゴットとキャスリーヌとバネッサ、レベッカ、スラッルスと仲良くなる機会ができたのが一番良かった。
あたしの人生の中で、今が一番楽しい。」
とベリーベリー・イニー。
「ベリーベリーが楽しいのはいいことだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「あたし、皆で心霊スポットに行ってきた。」
とベリーベリー・イニー。
「どうだった?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「心霊スポットに行きたいと調べていたあたしは、気づかないうちに、皆を危ない目に合わせた。」
とベリーベリー・イニー。
「そうなのかい?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「街で情報を集めて遊びにいった心霊スポットには、攻撃してくる大人がたくさん待ち構えていた。
皆が戦って、勝ったから、あたし達は無事に帰ってこれた。
皆が、戦っていた間、あたしは何もしていない。
あたしは、心霊スポットの情報を集めるのに夢中になっていた。
気づかないうちに、あたし達がいつ、心霊スポットに行くか、とか、誰と行くか、あたしは、皆の情報を親切にしてくれた知らない人に話して、知らない人はその情報を使って、あたし達を待ち伏せしていた。
その人達は、あたし達を、あたし達を、こ、殺すつもりで。」
とベリーベリー・イニー。
怖かった。
暗がりから攻撃してくる大人がたくさんいて、囲まれていた。
心霊スポットに皆で来ただけなのに、殺されるようなことはなんにもしていないのに。
どうして、攻撃されなくちゃいけないのか、全然分からないけれど、ベリーベリー・イニーの洩らした情報で、待ち伏せされたことはベリーベリー・イニーにも分かった。
「そうか。」
とベリーベリー・イニーの父親は、娘の頭を撫でる。
「怖い中で、パニックにならずに頑張って帰ってきた。ベリーベリーは、偉い。」
「あたしは、バネッサに、周りに寄ってくる人には注意が必要だって、帰り道で聞いた。
貴族と仲良くなった平民は、狙われているって。」
ベリーベリー・イニーは、そのときのことを思い出す。
親切な他人は、親切を装おった他人だということは、ベリーベリー・イニーの感情を揺さぶった。
「あたしは、気をつけようと思った。
キャスリーヌが、あたしの家に寄ると言い出して、皆で帰ってきたとき。
家がぐちゃぐちゃになっていて、母さんはいなくて、母さんに会えると思ったら、あたしは、バネッサの忠告を忘れて、一人で、この建物に入ってしまった。
母さんは、ナンシーの家族にやられたと言ったのに、医者は、ナンシーの家に母さんを連れて行くっていう。
あたしがどうしようもなくなったとき、皆が助けてくれた。
キャスリーヌが頑張って。
レベッカとあたしは母さんを運んで。
スラッルスが後から逃げることになっていたけど、怪我したから、マーゴットが助けにいった。
あたしは、母さんを助けてもらった後も、医者に騙されて、マーゴット達を恨みかけた。
その時も、マーゴット達が、また医者に騙されていると教えてくれた。
あたしは、冷静になれた。
あたしは、正直に言うと、皆の足を引っ張っていると思う。
でも、皆がいない毎日は、つまらないから、あたしは戻りたくない。
皆と離れたくない。」
とベリーベリー・イニー。
「スラッルスくんの言葉が、ベリーベリーは、悲しかったんじゃないのかい?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「悲しかったけど。
スラッルスは、友達だから、あたしのために、スラッルスが怪我をしたり、代わりに戦うのは違うと思う。」
とベリーベリー・イニー。
「じゃあ、どうなんだい?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「あたしの戦いは、あたしがする。
あたしが困ったときは、助けてもらう。
皆が困ったときは、あたしが助ける。」
と話すベリーベリー・イニーは、自信に満ちた顔をしている。
「あたし達は、そういう関係の友達で、あたしは、今の関係が楽で好き。
父さん、あたしは皆とこれからも友達でいる。」
とベリーベリー・イニー。
とベリーベリー・イニー。
「そうか。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「ニンデリー王立学園に行くまでは、父さんと母さんさえいたら、あたしは良かった。」
「あたしは、このあたりの誰とも話が合わない。
あたしの楽しいことは、他の人が楽しくない。
他の人が楽しいことは、あたしが楽しくない。
他の人といる意味があたしにはない。
あたしが仲良くしていた人に、あたしより仲良くなる人が出来る。
それは、いい。
あたしより仲良くなった人とあたしは、だいたいそりが合わない。
結果的に、あたしと元々仲良くしていた人は、疎遠になる。
それも、別にいい。
でも、友達を作って、皆で協力しあって、仲良くなりましょう、という大人の同調圧力はいらない。」
とベリーベリー・イニー。
「コミュニケーション能力が大事っていう風潮はあるからね。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「仲良くしたい人がいないのに、我慢して仲良くするフリをする意味が分からない。
互いに仲良くしたくないんだから、見えないところまで離れたらいい。
子どもが仲良くしているのを見て喜ぶ大人は、気持ち悪い。
子ども同士で、仲が良いなら、勝手にまとまっていればいい。
あたしに無駄と理不尽を無遠慮におしつけてくる人達とは、あたしは付き合いたくない。」
とベリーベリー・イニー。
「ベリーベリーは、この街から出たいかい?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「出たい。この街は、あたしには窮屈で退屈。」
とベリーベリー・イニー。
「それに、母さんのことがあるから、絶対に、この街にはいたくない。」
「分かった。学園はどうかな?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「ニンデリー王立学園に入って、マーゴットとキャスリーヌとバネッサ、レベッカ、スラッルスと仲良くなる機会ができたのが一番良かった。
あたしの人生の中で、今が一番楽しい。」
とベリーベリー・イニー。
「ベリーベリーが楽しいのはいいことだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「あたし、皆で心霊スポットに行ってきた。」
とベリーベリー・イニー。
「どうだった?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「心霊スポットに行きたいと調べていたあたしは、気づかないうちに、皆を危ない目に合わせた。」
とベリーベリー・イニー。
「そうなのかい?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「街で情報を集めて遊びにいった心霊スポットには、攻撃してくる大人がたくさん待ち構えていた。
皆が戦って、勝ったから、あたし達は無事に帰ってこれた。
皆が、戦っていた間、あたしは何もしていない。
あたしは、心霊スポットの情報を集めるのに夢中になっていた。
気づかないうちに、あたし達がいつ、心霊スポットに行くか、とか、誰と行くか、あたしは、皆の情報を親切にしてくれた知らない人に話して、知らない人はその情報を使って、あたし達を待ち伏せしていた。
その人達は、あたし達を、あたし達を、こ、殺すつもりで。」
とベリーベリー・イニー。
怖かった。
暗がりから攻撃してくる大人がたくさんいて、囲まれていた。
心霊スポットに皆で来ただけなのに、殺されるようなことはなんにもしていないのに。
どうして、攻撃されなくちゃいけないのか、全然分からないけれど、ベリーベリー・イニーの洩らした情報で、待ち伏せされたことはベリーベリー・イニーにも分かった。
「そうか。」
とベリーベリー・イニーの父親は、娘の頭を撫でる。
「怖い中で、パニックにならずに頑張って帰ってきた。ベリーベリーは、偉い。」
「あたしは、バネッサに、周りに寄ってくる人には注意が必要だって、帰り道で聞いた。
貴族と仲良くなった平民は、狙われているって。」
ベリーベリー・イニーは、そのときのことを思い出す。
親切な他人は、親切を装おった他人だということは、ベリーベリー・イニーの感情を揺さぶった。
「あたしは、気をつけようと思った。
キャスリーヌが、あたしの家に寄ると言い出して、皆で帰ってきたとき。
家がぐちゃぐちゃになっていて、母さんはいなくて、母さんに会えると思ったら、あたしは、バネッサの忠告を忘れて、一人で、この建物に入ってしまった。
母さんは、ナンシーの家族にやられたと言ったのに、医者は、ナンシーの家に母さんを連れて行くっていう。
あたしがどうしようもなくなったとき、皆が助けてくれた。
キャスリーヌが頑張って。
レベッカとあたしは母さんを運んで。
スラッルスが後から逃げることになっていたけど、怪我したから、マーゴットが助けにいった。
あたしは、母さんを助けてもらった後も、医者に騙されて、マーゴット達を恨みかけた。
その時も、マーゴット達が、また医者に騙されていると教えてくれた。
あたしは、冷静になれた。
あたしは、正直に言うと、皆の足を引っ張っていると思う。
でも、皆がいない毎日は、つまらないから、あたしは戻りたくない。
皆と離れたくない。」
とベリーベリー・イニー。
「スラッルスくんの言葉が、ベリーベリーは、悲しかったんじゃないのかい?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「悲しかったけど。
スラッルスは、友達だから、あたしのために、スラッルスが怪我をしたり、代わりに戦うのは違うと思う。」
とベリーベリー・イニー。
「じゃあ、どうなんだい?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「あたしの戦いは、あたしがする。
あたしが困ったときは、助けてもらう。
皆が困ったときは、あたしが助ける。」
と話すベリーベリー・イニーは、自信に満ちた顔をしている。
「あたし達は、そういう関係の友達で、あたしは、今の関係が楽で好き。
父さん、あたしは皆とこれからも友達でいる。」
とベリーベリー・イニー。
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