上 下
350 / 776
第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

349.ベリーベリー・イニーの父親。『父さんは、ニンデリー王国とは違う国の出身なんだ。ベリーベリーのお祖父さんの話をしよう。』

しおりを挟む
「ベリーベリー。話したいことは、話していこう。
もし、ベリーベリーに、時間が必要なら、父さんも、話したことがあるから、先に話すよ、どうしたい?」
とベリーベリー・イニーの父親。

「父さんが先。あたし、何から話せばいいか、分からなくなってる。」
とベリーベリー・イニー。

「父さんは、ニンデリー王国の生まれじゃない。
母さんとベリーベリーは、ニンデリー王国の生まれだけどね。

父さんは、生まれた国で暮らすつもりがないんだ。
だから、ベリーベリーが、他所に行きたいなら、一緒に行くからね。

父さんの仕事は、ニンデリー王国に住んでいないと出来ないわけじゃない。
外国との行き来が自由な国なら父さんの仕事が出来る。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「父さんは、父さんの生まれた国が嫌い?」
とベリーベリー・イニー。

「国が、というより、その国に住んでいる人が嫌なんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「父さんに何があった?」
とベリーベリー・イニー。

「父さんの父さん、ベリーベリーのお祖父さんは、ある貴族の起こした問題を見つけた。
お祖父さんは、ある日、多くの人の前で、その貴族に問題の解決を迫ったんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「そんなことをして、無事だったの?」
とベリーベリー。

「お祖父さんは、その貴族の起こした問題を取り上げたことで、一躍、時の人になった。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「え?貴族に、歯向かったんだよね?」
とベリーベリー。

「お祖父さんが指摘した問題点は、別の貴族が、その貴族の問題をただすことで解決した。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「解決したんだ。」
とベリーベリー・イニー。

「解決したよ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

父親が微笑んでいるのに、悲しそうだから、ベリーベリー・イニーは、良かったね、と言わなかった。

「良くなかったの?」
とベリーベリー・イニー。

「貴族の起こした問題が解決したんだから、社会的にはいいことだった。

父さんにとっては、良くないことの始まりだったよ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「どうして?」
とベリーベリー・イニー。

「お祖父さんは、貴族が起こした問題が解決するまでは、物凄く忙しかった。
でも、ある日、突然、暇になったんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「忙しかったのが、暇になったら、ダメだった?」
とベリーベリー・イニー。

「暇に、というのが、紛らわしかったね。
お祖父さんは、お仕事がなくなってしまったんだよ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「時の人だったのに?」
とベリーベリー・イニー。

「問題が、解決した。
すると、お祖父さんに用事がある人はいなくなった。
お祖父さんは、時の人になってから、問題絡みの仕事ばかりしていた。
問題が解決したら、お祖父さんの仕事はない。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「お仕事探しに行かなかったの?」
とベリーベリー・イニー。

「お祖父さんが、時の人になっている間に、お祖父さんが元々していた仕事は、別の人の仕事になっていた。

お仕事を元に戻してほしいと頼んでも、今さら、と断られた。
他の仕事を紹介してくれるように頼んだけれど、実入りの悪い仕事が不定期に入るだけ。

お祖父さんの収入で、家族が生活するのは、苦しくなってしまったんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「お祖父さんは、とてもショックを受けていたよ。
お祖父さんは、問題が解決したら、いいことしかないと思っていたんだ。

父さんも、周りをみると、皆いい思いをしているように見えた。

お祖父さんの家族だけは、いい思いをしていなかった。

どうしてだろうね?

父さんは、お祖父さんに、真っ当なお仕事を紹介してほしい、と頼みにいった。

問題を解決したことで、助かりましたと喜んでいた人や、お祖父さんを時の人にした人に。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「どうなった?」
とベリーベリー・イニー。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気が付くと見知らぬ部屋にいた。 最初は、何が起こっているのか、状況を把握する事が出来なかった。 でも、鏡に映った自分の姿を見た時、この世界で生きてきた、リュカとしての記憶を思い出した。 記憶を思い出したはいいが、状況はよくなかった。なぜなら、貴族では失敗した人がいない、召喚の儀を失敗してしまった後だったからだ! 貴族としては、落ちこぼれの烙印を押されても、5歳の子供をいきなり屋敷の外に追い出したりしないだろう。しかも、両親共に、過保護だからそこは大丈夫だと思う……。 でも、両親を独占して甘やかされて、勉強もさぼる事が多かったため、兄様との関係はいいとは言えない!! このままでは、兄様が家督を継いだ後、屋敷から追い出されるかもしれない! 何とか兄様との関係を改善して、追い出されないよう、追い出されてもいいように勉強して力を付けるしかない! だけど、勉強さぼっていたせいで、一般常識さえも知らない事が多かった……。 それに、勉強と兄様との関係修復を目指して頑張っても、兄様との距離がなかなか縮まらない!! それでも、今日も関係修復頑張ります!! 5/9から小説になろうでも掲載中

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

悠久の機甲歩兵

竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。 ※現在毎日更新中

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい

増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。 目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた 3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ いくらなんでもこれはおかしいだろ!

フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話

カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 チートなんてない。 日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。 自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。 魔法?生活魔法しか使えませんけど。 物作り?こんな田舎で何ができるんだ。 狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。 そんな僕も15歳。成人の年になる。 何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。 こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。 になればいいと思っています。 皆様の感想。いただけたら嬉しいです。 面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。 よろしくお願いします! カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。 続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。

処理中です...