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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
349.ベリーベリー・イニーの父親。『父さんは、ニンデリー王国とは違う国の出身なんだ。ベリーベリーのお祖父さんの話をしよう。』
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「ベリーベリー。話したいことは、話していこう。
もし、ベリーベリーに、時間が必要なら、父さんも、話したことがあるから、先に話すよ、どうしたい?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「父さんが先。あたし、何から話せばいいか、分からなくなってる。」
とベリーベリー・イニー。
「父さんは、ニンデリー王国の生まれじゃない。
母さんとベリーベリーは、ニンデリー王国の生まれだけどね。
父さんは、生まれた国で暮らすつもりがないんだ。
だから、ベリーベリーが、他所に行きたいなら、一緒に行くからね。
父さんの仕事は、ニンデリー王国に住んでいないと出来ないわけじゃない。
外国との行き来が自由な国なら父さんの仕事が出来る。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「父さんは、父さんの生まれた国が嫌い?」
とベリーベリー・イニー。
「国が、というより、その国に住んでいる人が嫌なんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「父さんに何があった?」
とベリーベリー・イニー。
「父さんの父さん、ベリーベリーのお祖父さんは、ある貴族の起こした問題を見つけた。
お祖父さんは、ある日、多くの人の前で、その貴族に問題の解決を迫ったんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「そんなことをして、無事だったの?」
とベリーベリー。
「お祖父さんは、その貴族の起こした問題を取り上げたことで、一躍、時の人になった。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「え?貴族に、歯向かったんだよね?」
とベリーベリー。
「お祖父さんが指摘した問題点は、別の貴族が、その貴族の問題をただすことで解決した。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「解決したんだ。」
とベリーベリー・イニー。
「解決したよ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
父親が微笑んでいるのに、悲しそうだから、ベリーベリー・イニーは、良かったね、と言わなかった。
「良くなかったの?」
とベリーベリー・イニー。
「貴族の起こした問題が解決したんだから、社会的にはいいことだった。
父さんにとっては、良くないことの始まりだったよ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「どうして?」
とベリーベリー・イニー。
「お祖父さんは、貴族が起こした問題が解決するまでは、物凄く忙しかった。
でも、ある日、突然、暇になったんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「忙しかったのが、暇になったら、ダメだった?」
とベリーベリー・イニー。
「暇に、というのが、紛らわしかったね。
お祖父さんは、お仕事がなくなってしまったんだよ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「時の人だったのに?」
とベリーベリー・イニー。
「問題が、解決した。
すると、お祖父さんに用事がある人はいなくなった。
お祖父さんは、時の人になってから、問題絡みの仕事ばかりしていた。
問題が解決したら、お祖父さんの仕事はない。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「お仕事探しに行かなかったの?」
とベリーベリー・イニー。
「お祖父さんが、時の人になっている間に、お祖父さんが元々していた仕事は、別の人の仕事になっていた。
お仕事を元に戻してほしいと頼んでも、今さら、と断られた。
他の仕事を紹介してくれるように頼んだけれど、実入りの悪い仕事が不定期に入るだけ。
お祖父さんの収入で、家族が生活するのは、苦しくなってしまったんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「お祖父さんは、とてもショックを受けていたよ。
お祖父さんは、問題が解決したら、いいことしかないと思っていたんだ。
父さんも、周りをみると、皆いい思いをしているように見えた。
お祖父さんの家族だけは、いい思いをしていなかった。
どうしてだろうね?
父さんは、お祖父さんに、真っ当なお仕事を紹介してほしい、と頼みにいった。
問題を解決したことで、助かりましたと喜んでいた人や、お祖父さんを時の人にした人に。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「どうなった?」
とベリーベリー・イニー。
もし、ベリーベリーに、時間が必要なら、父さんも、話したことがあるから、先に話すよ、どうしたい?」
とベリーベリー・イニーの父親。
「父さんが先。あたし、何から話せばいいか、分からなくなってる。」
とベリーベリー・イニー。
「父さんは、ニンデリー王国の生まれじゃない。
母さんとベリーベリーは、ニンデリー王国の生まれだけどね。
父さんは、生まれた国で暮らすつもりがないんだ。
だから、ベリーベリーが、他所に行きたいなら、一緒に行くからね。
父さんの仕事は、ニンデリー王国に住んでいないと出来ないわけじゃない。
外国との行き来が自由な国なら父さんの仕事が出来る。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「父さんは、父さんの生まれた国が嫌い?」
とベリーベリー・イニー。
「国が、というより、その国に住んでいる人が嫌なんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「父さんに何があった?」
とベリーベリー・イニー。
「父さんの父さん、ベリーベリーのお祖父さんは、ある貴族の起こした問題を見つけた。
お祖父さんは、ある日、多くの人の前で、その貴族に問題の解決を迫ったんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「そんなことをして、無事だったの?」
とベリーベリー。
「お祖父さんは、その貴族の起こした問題を取り上げたことで、一躍、時の人になった。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「え?貴族に、歯向かったんだよね?」
とベリーベリー。
「お祖父さんが指摘した問題点は、別の貴族が、その貴族の問題をただすことで解決した。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「解決したんだ。」
とベリーベリー・イニー。
「解決したよ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
父親が微笑んでいるのに、悲しそうだから、ベリーベリー・イニーは、良かったね、と言わなかった。
「良くなかったの?」
とベリーベリー・イニー。
「貴族の起こした問題が解決したんだから、社会的にはいいことだった。
父さんにとっては、良くないことの始まりだったよ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「どうして?」
とベリーベリー・イニー。
「お祖父さんは、貴族が起こした問題が解決するまでは、物凄く忙しかった。
でも、ある日、突然、暇になったんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「忙しかったのが、暇になったら、ダメだった?」
とベリーベリー・イニー。
「暇に、というのが、紛らわしかったね。
お祖父さんは、お仕事がなくなってしまったんだよ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「時の人だったのに?」
とベリーベリー・イニー。
「問題が、解決した。
すると、お祖父さんに用事がある人はいなくなった。
お祖父さんは、時の人になってから、問題絡みの仕事ばかりしていた。
問題が解決したら、お祖父さんの仕事はない。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「お仕事探しに行かなかったの?」
とベリーベリー・イニー。
「お祖父さんが、時の人になっている間に、お祖父さんが元々していた仕事は、別の人の仕事になっていた。
お仕事を元に戻してほしいと頼んでも、今さら、と断られた。
他の仕事を紹介してくれるように頼んだけれど、実入りの悪い仕事が不定期に入るだけ。
お祖父さんの収入で、家族が生活するのは、苦しくなってしまったんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「お祖父さんは、とてもショックを受けていたよ。
お祖父さんは、問題が解決したら、いいことしかないと思っていたんだ。
父さんも、周りをみると、皆いい思いをしているように見えた。
お祖父さんの家族だけは、いい思いをしていなかった。
どうしてだろうね?
父さんは、お祖父さんに、真っ当なお仕事を紹介してほしい、と頼みにいった。
問題を解決したことで、助かりましたと喜んでいた人や、お祖父さんを時の人にした人に。」
とベリーベリー・イニーの父親。
「どうなった?」
とベリーベリー・イニー。
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