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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

339.ベリーベリー・イニーの父は、娘に会う。

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ベリーベリー・イニーの父親は、娘の無事を喜び、マーゴット、キャスリーヌ、バネッサ、レベッカ・ショアに礼を述べた。

「皆様。愛娘をお守りいただき、ありがとうございます。」
と4人の少女に頭を下げるベリーベリー・イニーの父親。

「父さん。母さんが。来て。早く。」
と母親の元に父親を引っ張るベリーベリー・イニー。

「ベリーベリー。皆さんに甘えすぎて、節度を忘れているよ。」
と父親は、娘を諭す。

「ベリーベリーも、母さんも大変な目にあった。その二人を助け続けてくれている方々に、ベリーベリーは、きちんと向かい合ってお礼を言ったかな?」
とベリーベリー・イニーの父親。

「今は、父さんと一緒に、ベリーベリーも頭を下げて、頭を上げてもいいと言われるまで待つ場面だよ。」

「でも。母さんが大変で、私が、父さんを待っていたことは、皆知っている。」
とベリーベリー・イニー。

「そうだよ。知っていたからね。
ベリーベリーが、父さんを待っていたように。
ベリーベリーが一人で大変だったから、父さんがくるまで、ベリーベリーを待っていてくださったんだ。」
とベリーベリー・イニーの父親。

ベリーベリー・イニーは、父親を見て、4人の少女を見た。

4人とも、凪いだように静かだ。

ベリーベリー・イニーと父親のやりとりを見守る姿勢を崩していない。

さっきのが、父親と一緒にお礼を言う場面だったという父親の話は、4人の少女も望むところなのだ、とベリーベリー・イニーも分かった。

ベリーベリー・イニーは、ずっと、母さんの側にいて、父さんの帰りを待っていた。

それが出来たのは、4人の少女が、そう出来るように、動いてくれていたから。

自宅を住めないほど荒され、家中の金品は全て持ち出されていたことを思い出したベリーベリー・イニー。

雨風をしのげる以上にちゃんとした建物の中で。
上げ膳据え膳で、家事なんて何一せずとも、母親の側にいることが、出来たのは、どうしてだろうか?

「皆さんに、お礼を言おう。ベリーベリー。父さんと一緒に。」

ベリーベリー・イニーは、父親と並んで頭を下げる。

「「お助けいただき、ありがとうございます。」」

「礼は受け取ります。顔を上げなさい。」
とマーゴット。

家の爵位は、バネッサが、一番上だが、ボスは、マーゴットだ。

「ベリーベリー・イニー。父と一緒に、母の容態を確認してから、10分後、こちらに戻ってきなさい。
二人に話しがある。」
とマーゴット。
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