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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

330.リートニー教授による、滅亡した、魔法使いの国ソラニア講座。チェール・モンスの祖国の名前は、サルバルタル。

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『文化』の指導教授は、リートニー教授。

リートニー教授は、文化好きと、魔法好きが高じて、魔法を使いながら、ほうぼうの文化を調べていたら、王立学園で教鞭をとるまでになっていた。

趣味を極めた人である。

お家は、とても裕福。

リートニー教授が、教授のお仕事を始めるまで、リートニー教授は、働いたことがなかった。

『したいことは、お金を払ってもする。
したくないことは、お金をもらってもしない。』
とリートニー教授は、公言している。

「独自の発展を遂げたソラニアの文化は、魔法使いの情熱を実現させたものだ。国家という力で。」
とリートニー教授。

「ソラニアの文化は、魔法に精通した者だけが、創り出し、見て、聞いて、触れることができる。」
とリートニー教授。

「授業では、模型を使う。魔法が使えなくても、参加したまえ。」
とリートニー教授。

助手が持ち込んだ模型に学生は目を輝かせた。

模型は、教室の天井までの高さがある。
中は空洞だ。
学生は全員、模型の中に入って、模型を見上げている。

模型内部には、次々と模様が入れ替わっていく。

レベッカ・ショアの前世の意識がぽそりと呟く。

『大きな万華鏡。』
と前世の意識。

『異世界の万華鏡を元にしたのかな?』
とレベッカ・ショア。

『この世界の人が、一から考えたのかもね。』
と前世の意識。

『人間の営みは、世界が変わると、大きく変わるのかな?』
と前世の意識。

『常識は、前世のものと変わったよね。前世の常識で生きていたら、この世界から弾かれるよ。』
とレベッカ・ショア。

『地球における国ごとの違いと同じかな。』
と前世の意識。

天井の移り変わる模様が動かなくなると、模型は片付けられていく。

「模様の移り変わりを見たね?

今の模様の移り変わりは、大通りの道の模様だ。

通る人の魔力に反応して、道は模様を変えていくんだ。

その時に通る人によって、道の模様が変わる。

同じ人でも、体調の良し悪しで、魔力の揺れがあると、変形する。

変化形では、音楽が流れるものもある。」
とリートニー教授。

『綺麗だけど、毎日の道に、いるかな?目がチカチカして、辛くない?』
と前世の意識。

「いる、いらないではなく、ソラニアの魔法使いは、作りたいものを作るために、技術を磨いた。」
とリートニー教授。

「そして作った。
この模様の道を見た別の魔法使いは、目に優しいサングラスを開発した。
そのサングラスをかけると、模様の魔法を無効化するので、何の変哲もない道になる。」
リートニー教授。

『魔法技術の無駄遣いを極めたんだね。』
と前世の意識。

「何者にもとらわれない情熱が、ソラニアの魔法美を生み出した。」
とリートニー教授。

「ソラニアの魔法使いは、外国に出稼ぎに行き、ソラニアに帰ると、魔法技術の向上に努めた。」
とリートニー教授。

『趣味に投じるために仕事したんだね。楽しかっただろうね。』
と前世の意識

「ソラニアの始まりの魔法使いは、世界各地から集まった、趣味の集団だった。
数が多くなったから、怪しまれないように、国を名乗った。
魔法使いの国ソラニアの始まりだ。」
とリートニー教授。

「時代と共に、事情持ちの魔法使いが国を捨ててやってきたのを受け入れたりしながら、魔法使いの国として存続した。」
とリートニー教授。

「魔法使いの国ソラニアが残した魔法遺跡は、現在サルバルタルが国土と定めて、統治している。」
とリートニー教授。
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