子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第7章 使用人を帯同しない女子寮の秘密

325.バネッサ、ベリーベリー・イニーに助言する。

「帰国予定は明日だったわね？」
とバネッサ。

「うん。」
とベリーベリー・イニー。

「ベリーベリーに、判断の材料として話すわ。」
とバネッサ。

「聞きたい。」
とベリーベリー・イニー。

「ベリーベリーのお母さんが大怪我をしている情報は、既に貴族に流れていると思うわ。

医者探しを始めたら、
貴族の息がかかった医者が行列するわよ。
お母さんが人質にとられても、という覚悟はしておかないと、土壇場で辛い目にあうわね。」
とバネッサ。

「そんな覚悟、したくない。」
とベリーベリー・イニー。

「そうよね。
シグル・ドレマンを主治医につけて、
お母さんの治療のために、
シグル・ドレマンとお母さんを国外へ出せば、
この件を利用したい貴族からの接触を減らせるわ。

国外で、医者と患者の組み合わせに接触するのは、慎重になるわ。
貴族は、この件で、注目を集めたくないはず。」
とバネッサ。

「このお医者さんの第一印象が悪すぎて。」
とベリーベリー・イニー。

「第一印象だけでなく、私の中では、悪い印象しかないわよ。

医者の技術がなければ、昨日の時点で、墓地に埋めるくらいに。」
とバネッサ。

「そんな人？」
とベリーベリー・イニー。

「今日の出来事では、誤殺でもいいと思ったわよ。」
とバネッサ。

「良くないことをしたんだね。」
とベリーベリー・イニー。

「そう。でも。あと一回、へましたら、地上からおさらばすることが決定している。
死にたくなければ、死にものぐるいで、医者の務めを果たすわよ。」
とバネッサ。

「後がないから。」
とベリーベリー・イニー。

「ないわね。」
とバネッサ。

部屋から逃げ出すタイミングを失ったシグル・ドレマンは、
マーゴットに言葉で往復ビンタをくらい、
続いて、バネッサにとどめを刺されている。

反比例して、ベリーベリー・イニーは、少し元気になった。