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第7章 使用人を帯同しない女子寮の秘密

315.ミノカサゴ『目を開いたまま寝ている娘。魚に取り憑かれているわ。』『魚?』『魚は、目を閉じて寝ないわ。まぶたがないから。』『確かに。』

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女子寮の中から出てきたキャスリーヌは、ナンシー・ボーンの家族と一緒だ。

賑やかな魔導具の効果は抜群。
秒で契約書にサインをゲットしたキャスリーヌ。

ナンシー・ボーンの父親は、ナンシー・ボーンを抱えている。

キャスリーヌは1人、マーゴット、バネッサ、レベッカ・ショアに合流した。

「ナンシー・ボーンは、目を開いたまま、寝ているんだよ。」
とキャスリーヌ。

「まぶたに目を描いているんじゃないの?」
とレベッカ・ショア。

4人の少女は、寝息をたてるナンシー・ボーンの目が開いたままなのを目視で確認。

「目を開いたまま、眠れるものだとは、思わなかったわ。」
とバネッサ。

「実は、意識障害の可能性はない?」
とレベッカ・ショア。

「今だけじゃなく、前から、だって。
目撃者がいたよ。
立ったまま、寝ていたことがあって、体勢を崩して、転んだら、一回起きて、そのまま、そこで寝ていたんだって。」
とキャスリーヌ。

「目を開けたまま?」
とレベッカ・ショア。

その時。
マーゴットの鞄の中にいるミノカサゴが反応した。

マーゴットは、皆に背を向けて、地面にかがむ。

「ミノカサゴ、何か分かった?」
とマーゴット。

「目を開けたまま寝ている娘。魚に取り憑かれているわ。」
とミノカサゴ。

「魚?」
とマーゴット。

「魚は、寝ている時も、目を開けたままでいる。まぶたが、ないから。」
とマーゴット。

「魚、取り憑くんだ。私、淡水魚は、頻繁に食べているけど。」
とマーゴット。

「知能が高くなってこないと、取り憑く発想がないわよ。ただの魚じゃあね。」
とミノカサゴ。

「憑いているのは、知能の高い魚ということ?」
とマーゴット。

「全然。そのへんのただの魚。普通に生活していたら、取り憑かれる機会はないわよ。」
とミノカサゴ。

「普通に。普通?普通ね。
人体実験していたわ、この女子寮は。」
とマーゴット。

「魚の霊を、誰かが、人為的に、娘に憑かせた。」
とミノカサゴ。

「自然に離れていく?」
とマーゴット。

「結びつきが強いから、勝手に離れない。」
とミノカサゴ。

「意識の主体は、人じゃなく、魚。人の意識は、体から出ている。」
とミノカサゴ。

「人間と意思疎通は、難しい?」
とマーゴット。

「魚に話かける人間は、餌か、捕まえる網を手に持っているわ。」
とミノカサゴ。

「魚に憑かれたまま意思疎通は、難しい、となると、除霊で、魚を祓う?
人間の意識と入れ替われる?」
とマーゴット。

「娘の意識は、生霊になっている。
魚を祓う除霊で、人間の意識も、祓われたら、娘は死ぬ。」
とミノカサゴ。
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