子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第7章 使用人を帯同しない女子寮の秘密

301.使用人を帯同しない貴族の女子寮から、レベッカ・ショアとの入れ替わりを目論んだカローナ・メートの語るニンデリー王国の貴族社会と王太子。

自身を匿うメリットを問われたカローナ・メートは。
「考える時間をちょうだい。」
とキャスリーヌに要求した。

「勘違いしないでほしいんだけど。
改革反対派は、王太子殿下に睨まれているだけ。
王太子派の貴族に、睨まれているわけではないの。」
とご令嬢。

「王太子派の貴族は、王太子の考え方に賛同しているわけではない。
対抗勢力の力がそげるから、王太子のやり方を黙認している？」
とキャスリーヌ。

「そうよ。」
ご令嬢は、楽しそうに笑った。

「王太子派の対抗勢力は、王立学園内では、改革反対派と呼ばれている。じゃあ、学外では？」
とキャスリーヌ。

「第2王子派閥。」
とご令嬢。

「王太子が、全力で潰しにかかるわけだ。」
とキャスリーヌ。

「第2王子派閥なんて言い出したのは、王太子殿下よ。

元は、力のない家や、権力闘争に向かない人間がなんとなく集まって、呑気にわいわいしていた集団。

ニンデリー王立学園は、社交界で影が薄い家や、社交界向きじゃない人間が、貴族社会からドロップアウトせずに、生きていく場所として機能してきた。

王立学園では、そういう人間が、周囲を気にせず、のびのびと力を発揮できる場所だったから。

社交界に馴染めない人間が、学園では、一大勢力をほこっている。

研究や学問に突き進む一大勢力がいたことで、ニンデリー王立学園は、名をあげた。

政治的な影響力がない空間だから、歴代の王族は、王族尊重の気風がないことに気にもとめなかった。

今代の王太子殿下は、その気風をよしとされなかった。

学園内の一大勢力を第2王子派閥と名指しし、第2王子派閥の撲滅を標榜していらっしゃる。」
とご令嬢。