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第7章 使用人を帯同しない女子寮の秘密
287.楽しみに待っているときは、会えない。期待しなくなって、心が落ち着いた頃に、なぜか、向こうからやってくる。
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藪をつついて蛇を出す。
ただ、女子寮の情報を聞くつもりでいたら、蛇どころか、メデューサが出てきた。
王太子殿下のくだりは、切り離して考えるとしよう。
今のマーゴットには、手に余る。
いつかは、ぶつかることになるかもしれない。
今は、力を蓄えるとき。
そして、今やるべきことは、ドレマン家の分家に力を持たせないようにすること。
女子寮の話の本題に戻ろう。
「ドレマンの分家と女子寮の関係は?」
とマーゴット。
「ドレマンの分家は、王太子殿下から、内密に引き受ける医者を手配するように指示されていたのではないか、と。」
とキリル。
そこは推測のみ、か。
ならば、深掘りはしない。
「女子寮にいるのは、どういった経緯で集まった、どんな属性の人?」
とバネッサ。
バネッサも、使用人を帯同しない女子寮については、訝しく思っていた。
使用人を帯同しない女子寮に住む寮生の情報を、学園内で、見聞きしたことがない。
確か、人が住んでいるような話ではなかったか?
「往診では、患者と話すことはない。」
とシグル・ドレマン。
「女子寮に住んでいる人について、ナンシー・ボーン以外の情報はないのね?」
とバネッサ。
「患者については聞かない契約だ。」
とシグル・ドレマン。
「女子寮にいれば、命だけは、保証すると言っていなかった?」
とキャスリーヌ。
「ナンシーは、生きているだろう。」
とシグル・ドレマン。
なるほど。
命のくだりは、
ナンシー・ボーンについて、言及しただけか。
これ以上、シグル・ドレマンと話をしても、疲れるだけだ。
マーゴットは、お開きにして、3人は、建物内で一眠りした。
翌朝。
学園内の様子と女子寮について探るため。
二手に分かれることにした。
マーゴットとバネッサは、登校せずに、建物内に残る。
傷だらけで寝ているスラッルス・トークンを、使用人を帯同しない貴族の男子寮に1人で戻すわけにはいかない。
ベリーベリー・イニーの父親の情報が、まだきていない。
この2点から。
マーゴット、
バネッサ、
スラッルス・トークン、
ベリーベリー・イニー。
4人は、引き続き、建物内に残った。
キャスリーヌとレベッカ・ショアは、使用人を帯同する貴族の女子寮に戻ってから、学園に登校することにした。
キャスリーヌと一緒に寮に帰ってきたレベッカ・ショア。
登校準備に、自分の部屋へ行こうとするレベッカ・ショアを職員が阻止した。
「レベッカ・ショア様。貴女のお部屋は、この寮にはありません。」
と寮の職員。
「使用人がいない貴族は、規定により、使用人を帯同しない女子寮と決まっています。」
と職員。
「昨日のうちに、寮の手続きは終了しました。今日は仕方ありませんが、今後は、こちらへの出入りは禁止とします。」
と職員。
「そんな話を聞いていない私の了承もとらずに、勝手に部屋を解約していいわけない。」
と抵抗するレベッカ・ショア。
「部屋の解約などはありません。」
と職員。
「それなら、私が入れない理由はないでしょ!」
とレベッカ・ショア。
「いいえ。既に、お住まいになっていらっしゃる方がいます。」
と職員。
「私の部屋に勝手に人を入れたの?」
とレベッカ・ショア。
「勝手ではありません。レベッカ・ショア様が、1日以上部屋を空けることがあれば、居住者を交代する契約です。」
と職員。
「私は知らない。その契約書を見せなさい!」
とレベッカ・ショア。
「お見せします。ご納得してください。」
職員の出してきた、入寮契約の特記事項の欄に。
レベッカ・ショアは、見慣れた筆跡と名前を見つけた。
『当該部屋の居住者であるレベッカ・ショアが1日以上、部屋を空けることがあれば、その日以降、居住者を以下のものに変更する。』
それは、
レベッカ・ショアの侍女の筆跡だった。
『居住者:カローナ・メート。
侍女:アーリントン・ポトディ。』
特記事項の後には、侍女の署名と初めて目にする筆跡で、カローナ・メートと記されている。
「今、私の部屋には、カローナ・メートが侍女のアーリントン・ポトディと住んでいるの?」
とレベッカ・ショア。
レベッカ・ショアは、侍女から契約書を見せられたとき。
ちらっとしか見ていないが、特記事項の記載が、なかったことぐらいは記憶している。
レベッカ・ショアは、もう、理不尽に泣いてばかりいる少女ではなくなった。
「私は、この特記事項に同意した覚えがない。
私が知らないうちに書き足されたものだから、無効よ。
私の部屋を返してもらうわ。」
レベッカ・ショアは、職員の制止を振り切り、寮内を進んだ。
ただ、女子寮の情報を聞くつもりでいたら、蛇どころか、メデューサが出てきた。
王太子殿下のくだりは、切り離して考えるとしよう。
今のマーゴットには、手に余る。
いつかは、ぶつかることになるかもしれない。
今は、力を蓄えるとき。
そして、今やるべきことは、ドレマン家の分家に力を持たせないようにすること。
女子寮の話の本題に戻ろう。
「ドレマンの分家と女子寮の関係は?」
とマーゴット。
「ドレマンの分家は、王太子殿下から、内密に引き受ける医者を手配するように指示されていたのではないか、と。」
とキリル。
そこは推測のみ、か。
ならば、深掘りはしない。
「女子寮にいるのは、どういった経緯で集まった、どんな属性の人?」
とバネッサ。
バネッサも、使用人を帯同しない女子寮については、訝しく思っていた。
使用人を帯同しない女子寮に住む寮生の情報を、学園内で、見聞きしたことがない。
確か、人が住んでいるような話ではなかったか?
「往診では、患者と話すことはない。」
とシグル・ドレマン。
「女子寮に住んでいる人について、ナンシー・ボーン以外の情報はないのね?」
とバネッサ。
「患者については聞かない契約だ。」
とシグル・ドレマン。
「女子寮にいれば、命だけは、保証すると言っていなかった?」
とキャスリーヌ。
「ナンシーは、生きているだろう。」
とシグル・ドレマン。
なるほど。
命のくだりは、
ナンシー・ボーンについて、言及しただけか。
これ以上、シグル・ドレマンと話をしても、疲れるだけだ。
マーゴットは、お開きにして、3人は、建物内で一眠りした。
翌朝。
学園内の様子と女子寮について探るため。
二手に分かれることにした。
マーゴットとバネッサは、登校せずに、建物内に残る。
傷だらけで寝ているスラッルス・トークンを、使用人を帯同しない貴族の男子寮に1人で戻すわけにはいかない。
ベリーベリー・イニーの父親の情報が、まだきていない。
この2点から。
マーゴット、
バネッサ、
スラッルス・トークン、
ベリーベリー・イニー。
4人は、引き続き、建物内に残った。
キャスリーヌとレベッカ・ショアは、使用人を帯同する貴族の女子寮に戻ってから、学園に登校することにした。
キャスリーヌと一緒に寮に帰ってきたレベッカ・ショア。
登校準備に、自分の部屋へ行こうとするレベッカ・ショアを職員が阻止した。
「レベッカ・ショア様。貴女のお部屋は、この寮にはありません。」
と寮の職員。
「使用人がいない貴族は、規定により、使用人を帯同しない女子寮と決まっています。」
と職員。
「昨日のうちに、寮の手続きは終了しました。今日は仕方ありませんが、今後は、こちらへの出入りは禁止とします。」
と職員。
「そんな話を聞いていない私の了承もとらずに、勝手に部屋を解約していいわけない。」
と抵抗するレベッカ・ショア。
「部屋の解約などはありません。」
と職員。
「それなら、私が入れない理由はないでしょ!」
とレベッカ・ショア。
「いいえ。既に、お住まいになっていらっしゃる方がいます。」
と職員。
「私の部屋に勝手に人を入れたの?」
とレベッカ・ショア。
「勝手ではありません。レベッカ・ショア様が、1日以上部屋を空けることがあれば、居住者を交代する契約です。」
と職員。
「私は知らない。その契約書を見せなさい!」
とレベッカ・ショア。
「お見せします。ご納得してください。」
職員の出してきた、入寮契約の特記事項の欄に。
レベッカ・ショアは、見慣れた筆跡と名前を見つけた。
『当該部屋の居住者であるレベッカ・ショアが1日以上、部屋を空けることがあれば、その日以降、居住者を以下のものに変更する。』
それは、
レベッカ・ショアの侍女の筆跡だった。
『居住者:カローナ・メート。
侍女:アーリントン・ポトディ。』
特記事項の後には、侍女の署名と初めて目にする筆跡で、カローナ・メートと記されている。
「今、私の部屋には、カローナ・メートが侍女のアーリントン・ポトディと住んでいるの?」
とレベッカ・ショア。
レベッカ・ショアは、侍女から契約書を見せられたとき。
ちらっとしか見ていないが、特記事項の記載が、なかったことぐらいは記憶している。
レベッカ・ショアは、もう、理不尽に泣いてばかりいる少女ではなくなった。
「私は、この特記事項に同意した覚えがない。
私が知らないうちに書き足されたものだから、無効よ。
私の部屋を返してもらうわ。」
レベッカ・ショアは、職員の制止を振り切り、寮内を進んだ。
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