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第7章 使用人を帯同しない女子寮の秘密

272.貴族のお話が繰り広げられている部屋の入り口に、人の気配。誰かいる?あ!『ベリーベリー・イニー!』

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医者は答えない。

医者の視線は、部屋の入り口に向けられていた。

ベリーベリー・イニーが、部屋の入り口に立っている。

いつから? 

医者は、ベリーベリー・イニーに聞かせたかったんだ、スラッルス・トークンは、苦々しい思いで、医者を見た。

仲間割れ狙いか?

それとも、ベリーベリーのアクションを期待しているのか、この医者は。


医者は、狙い通りなのか、口元をほころばせている。


色々な発言は、あったが、
友情を蔑ろにしたわけじゃないぞ。
ただ、状況を正確に判断しただけなんだ、ベリーベリー。

焦って言い訳を考えるスラッルス・トークンよりも。

友達のベリーベリー・イニーの母親の安否より、
敵対する貴族を潰す機会を失ったことを惜しむ貴族の友達の発言を聞いて、
何か言おうとしたベリーベリー・イニーよりも早く。

マーゴットが話し始めた。

ベリーベリー・イニーを見ながら、話すマーゴット。

「ベリーベリー・イニー。貴族と付き合うのは、貴族同士でも、覚悟がいる。

平民なら、付き合う貴族と自分自身、自身の身内を不幸にしない覚悟がいる。

貴族は、付き合う平民自身を重宝しても、平民の家族の面倒は見ない。

貴族と付き合う平民自身が、家族に注意喚起をし、自身と家族が不幸にならないために、賢く強くならないと、貴族との付き合いは続かない。

ベリーベリー・イニーの母は、娘が貴族と付き合いがあっても、娘の付き合いのために、自らの身を守る必要があるとは考えていなかった。

わたし達は、ベリーベリー・イニーの家族に対し、かなり以前に安全のための注意喚起をし、手配をしていた。

ベリーベリー・イニーの母は、何も対策せずに、暴漢の元に飛び出し、今に至る。

無謀も、浅慮も、勇気からは程遠い。

これから起こる全てを見て、考えて、自分自身で納得のいく結論にたどり着きなさい。

ナンシー・ボーンとその家族と、ベリーベリー・イニーとその家族は、何が違うのか。

今まで、考えてこなかったことに真剣に悩みなさい。

これが、最初で最後になるように。」
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