子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第7章 使用人を帯同しない女子寮の秘密

270.所在不明の女子学生ナンシー・ボーンの現在と、ナンシー・ボーンの家族。

「ナンシー・ボーンの家族の目的は知らない。」
と医者。

「ナンシー・ボーンの家族に、ベリーベリー・イニーの母親を預ける計画は、
ナンシー・ボーンの家族がこの世からいなくなっては、組織が、困るから？」
とバネッサ。

医者は、答えなかった。

「ナンシー・ボーンの家族にベリーベリー・イニーの母親を預けたら、ナンシー・ボーンの家族は、ベリーベリー・イニーの母親を殺すよ。

介抱なんてしないよ。

ナンシー・ボーンの家族は、ベリーベリー・イニーの母親が元気になられたら、都合が悪い。

生き証人だよ？

一度、暴力をふるったことで、人に、暴力をふるうことに対する、心理的抵抗もなくなっている。

目の前に、罪悪感を刺激する存在なんか、あったら、介抱じゃなく、虐待して殺すよ。」
とキャスリーヌ。

「ベリーベリー・イニーの母親の怪我は、このあたりでは、手の施しようがない。時間の問題だ。」
と医者。

「それで？」
とマーゴット。

「その状態のベリーベリー・イニーの母親を、貴族の手に渡すよりは、マシだろう。」
と医者。

「貴族の手が、そこここにあったのね。ベリーベリー・イニーの母親を回収しに？」
とバネッサ。

「ああ。ベリーベリー・イニーの母親の在り処に、うちが一枚かんでいれば、あちらさんも、すぐにどうこうできない。」
と医者。

「ナンシー・ボーンの家族には、貴族の監視がついている。
では、ナンシー・ボーンは、手遅れ、では？」
とマーゴット。

「家族の方は、貴族に切られるまでの命だが、娘の方は大丈夫だ。」
と医者。

「なぜ？」
とマーゴット。

「娘のナンシーは、ニンデリー王立学園の使用人を帯同しない女子寮にいる。
あそこにいるうちは、命まではとられない。」
と医者。