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第6章 可動式魔法遺跡、クークード遺跡の見学ツアーに参加しよう。

234.クロッグ・カーブと戦っている伯爵令嬢バネッサ・オッドアに助太刀したくはありませんか?

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マーゴットとキャスリーヌは、イーハン教授をおいていった。

「バネッサの勝敗がついた頃。」
とキャスリーヌ。

「クロッグ・カーブの敗北宣言に証人がほしい。」
とマーゴット。

「身内以外の。」
とキャスリーヌ。

マーゴットとキャスリーヌは、バネッサの戦況有利を確認した。

「わたしは、バネッサを。」
とマーゴット。

「私は、証人を。」
とキャスリーヌ。

マーゴットは、バネッサが優位に立ち続けるようにする。
周りから邪魔が入らないように退けるのだ。

キャスリーヌは、熱意あふれる学生を呼びに行く。


一方。
バネッサは、クロッグ・カーブに迫っていた。

「敗北の証文を書きなさい。ナユカ・ジョンストン伯爵令嬢の使者クロッグ・カーブの署名と、使者として持たされている印章を押しなさい。」

「おい!本気じゃないだろうな!誰が、そんなことをするか!」
クロッグ・カーブは、嫌だ嫌だと逃げている。

ふむ。
マーゴットは考える。

助け船を出すとしよう。

「印章が嫌だというなら、血判にする?ざくっと。どこを切る。」
マーゴットは、持ち歩き用の小型ナイフをヒラヒラさせながら、2人に歩み寄る。

「ぎゃあ、殺され、殺されるー。殺人犯だー、殺人犯が来たー!」
と騒ぐクロッグ・カーブ。

「殺す気はなかったけど、殺されたい?」
クロッグ・カーブに尋ねるマーゴット。

「ぎゃー。死にたくない。こいつらは、平気で人を殺していくんだ!最悪な殺人犯だ!」
いよいよ騒ぐクロッグ・カーブ。

「今は、まだ死んでない。
今後は、クロッグ・カーブとナユカ・ジョンストン次第。
生きているうちに、一筆したためなさい。
死んでからだと、血が固まって、血判が綺麗につかない。」
とマーゴット。

「殺されるー。殺されるー。助けてくれー。誰か、来てくれよー。」
とクロッグ・カーブ。

「来たよ。」
とひょっこり現れたのは、キャスリーヌ。

「いらない。お前じゃない。帰れ。お前は、こいつらの仲間だ。オレを殺すつもりだろう。」
キャスリーヌを睨むクロッグ・カーブ。

キャスリーヌは、えーという顔をする。

「バネッサを殺そうとしたのはクロッグ・カーブだよね?」
とキャスリーヌ。

「誰が!オレは、お前らみたいな人殺しと一緒にするな。」
とクロッグ・カーブ。

「えー。クロッグ・カーブが連れてきた男の人達は、バネッサを殺そうとしたよ?」
とキャスリーヌ。

「殺そうとなんて、オレはしていないだろう!
見てもいないのに、適当なことを言うな!」
とクロッグ・カーブ。

「クロッグ・カーブが、殺せって言ってないんだったら、1人だけだよ。
クロッグ・カーブのご主人様。

クロッグ・カーブのご主人様は、クロッグ・カーブに内緒で、クロッグ・カーブがバネッサを追いかけるのに連れていた男の人達に殺させようとした?

殺人犯の汚名を着せるのにぴったりな、クロッグ・カーブもいるし。

死体を持ち帰りたいって話だっけ?」
とキャスリーヌ。

「違う!ナユカ様は、お前らのような、悪逆非道な殺人犯じゃない。

ナユカ様は、バネッサが、お前ら2人と縁を切って、ナユカ様の元に戻ることをお望みなだけだ!」
とクロッグ・カーブ。

「で、バネッサに断わられたから、力づくで連れて行こうとして、クロッグ・カーブは負けた。」
とキャスリーヌ。

「負けたんなら、負けを認めて、早く書きなよ。
クロッグ・カーブが書かないと、帰れないよ、全員。」
とキャスリーヌ。

「全員?」
クロッグ・カーブは、急に靄が晴れて、周囲がクリアになっていく気がした。

クロッグ・カーブの目には、ザワつく学生の姿が。

いつの間に?

さっきまで、4人だった。

クロッグ・カーブとバネッサがいるところに、マーゴットが来て、次にキャスリーヌ。

いつの間に、でもいい。

こんな悪役令嬢は、退散してもらう!

クロッグ・カーブは、声を張り上げた。

「助けてくれ。こいつらに脅されているんだ。

ただの話し合いに、武器を取り出して、人に向けてくるのを厭わないやつらなんだ!

こいつらは、良心なんかない殺人犯なんだ!」
とクロッグ・カーブ。

学生は誰も何も言わず、1人も動かない。

「おい!どうした?
助けてくれ。

何だよ?
平民だから、助けないのか?

違うぞ。
オレは、ナユカ・ジョンストン伯爵令嬢の使者になった。

ただの平民じゃないんだ。
貴族みたいなもんだ。」
とクロッグ・カーブ。

学生が1人も動かない中、イーハン教授が歩いてくる。

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