子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
234 / 801
第6章 可動式魔法遺跡、クークード遺跡の見学ツアーに参加しよう。

233.『時代の趨勢をよめない貴族は、おしまいだよ。』

しおりを挟む
キャスリーヌの台詞を聞いたパートラン卿は、キャスリーヌを魔法で、地面に叩き落とそうとしていた。

その時。

「お待たせしたかな。」
と、登場人物が増えた。

キャスリーヌとパートラン卿の元に現れたのは、イーハン教授。

マーゴットが、送り出した御仁だ。

「何をしに来た?」
とパートラン卿。

「うん。パートラン卿を止めにね。」
とイーハン教授。

「血迷ったか?」
とパートラン卿。

「いやいや。私も貴族だからね。」
とイーハン教授。

「貴族ならば。」
言いかけたパートラン卿の上に言葉を重ねるイーハン教授。

「時代の趨勢をよめない貴族は、おしまいだよ。」
とイーハン教授。

「貴様。我々を愚弄するか!」
とパートラン卿。

「そんなぬるい威嚇くらい、別になんともない。私は、もっと怖い思いをしてきたからね。」
とイーハン教授。

「さて、パートラン卿、お帰りの時間がきた。早めに入場していたから、退場も早い方がいいよ。お連れ様と仲良くお帰り。」
とイーハン教授。

「貴様。我々に、そのような態度をとって、ただで済むと思っているのか!」
とパートラン卿。

「ただで済むとは思わないから、準備はしたとも。」
とイーハン教授。

マーゴットは、キャスリーヌとイーハン教授とは異なる方角から、姿を現した。

「わたし、マーゴット・ガランが宣言する。
キャスリーヌ・ベイモン、バネッサ・オッドア、
スラッルス・トークン、
レベッカ・ショア、
イーハン教授、
以上5名は、わたしの干渉の範囲である。」

マーゴットは、木の枝をパートラン卿に向ける。

「退け。もしくは、土に還れ。」
とマーゴット。

「子どもが、いきがった台詞を!」
パートラン卿は、マーゴットに向かって跳躍し、地面に吸い寄せられた。

「退かぬか。ならば、地に還れ。」
とマーゴット。

固いはずの土に沈んでいくパートラン卿。

パートラン卿は、土から出ようともがく。

水の中で溺れるがごとく、土の中で溺れそうになるパートラン卿。

パートラン卿の口や鼻には、水の代わりに土が入っていく。

ズブズブと沈み込んでいく土に逆らうように、暴れていたパートラン卿は、やがて、ぴくりとも動かなくなった。

静寂の中。

「イーハン教授。クークード遺跡に不純物が遺ることをわたしは好みません。」
とマーゴット。

「どうぞ、入場管理の責任を果たしてください。」
にこやかなマーゴット。

「これを運ぶのは、重いよ。」
とイーハン教授。

「パートラン卿のお連れ様は、まだ息をしていました。
クークード遺跡に持ち込んだゴミは、持ち込んだ者が自宅まで持ち帰るルールです。」
とマーゴット。

「説明したね。」
とイーハン教授。

「大人には、大人のお仕事があるんです。これより、わたし達子どもは、子どもの時間です。」
とマーゴット。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫が愛していたのは別の女性でした~堂々と不倫をする夫は断罪致します~

空野はる
恋愛
愛のある結婚は偽りでした。 夫は別の女性と堂々と不倫をして、挙句の果てには家に帰ってこなくなりました。 そんなある日、不倫相手の一人が家を訪ねてきて……

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。

下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。 豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。 小説家になろう様でも投稿しています。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

【完結】炎輪の姫巫女 〜教科書の片隅に載っていた少女の生まれ変わりだったようです〜

平田加津実
ファンタジー
昏睡状態に陥っていった幼馴染のコウが目覚めた。ようやく以前のような毎日を取り戻したかに思えたルイカだったが、そんな彼女に得体のしれない力が襲いかかる。そして、彼女の危機を救ったコウの顔には、風に吹かれた砂のような文様が浮かび上がっていた。 コウの身体に乗り移っていたのはツクスナと名乗る男。彼は女王卑弥呼の後継者である壱与の魂を追って、この時代に来たと言うのだが……。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

偽物の侯爵子息は平民落ちのうえに国外追放を言い渡されたので自由に生きる。え?帰ってきてくれ?それは無理というもの

つくも茄子
ファンタジー
サビオ・パッツィーニは、魔術師の家系である名門侯爵家の次男に生まれながら魔力鑑定で『魔力無し』の判定を受けてしまう。魔力がない代わりにずば抜けて優れた頭脳を持つサビオに家族は温かく見守っていた。そんなある日、サビオが侯爵家の人間でない事が判明した。妖精の取り換えっ子だと神官は告げる。本物は家族によく似た天使のような美少年。こうしてサビオは「王家と侯爵家を謀った罪人」として国外追放されてしまった。 隣国でギルド登録したサビオは「黒曜」というギルド名で第二の人生を歩んでいく。

処理中です...