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第6章 可動式魔法遺跡、クークード遺跡の見学ツアーに参加しよう。

228.転生貴族スラッルス・トークンは気づく。転生令嬢レベッカ・ショアは、ひょっとして?

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「言わなくていい。聞きたくない。」
とスラッルス・トークン。

「なんでよ!」
とレベッカ・ショア。

「テメエのそれは、逆怨み以上に的外れだからだよ。」
とスラッルス・トークン。

「的外れ、とか。スラッルス、話を聞かないで、決めつけないで。」
とレベッカ・ショア。

スラッルス・トークンは、レベッカ・ショアを黙らせることにした。

せっかく、キャスリーヌが逃がしてくれたのに、無駄にうるさくしたら、レベッカ・ショアが捕まってしまう。

レベッカ・ショアが捕まったら、キャスリーヌの働きが無駄になる。

今のスラッルス・トークンは、キャスリーヌの頑張りを無にする要素を1つも作りたくない。

「じゃー。喋んな。口を閉じてろ。俺が、いいって言うまで、声を出すな。」
スラッルス・トークンは、クロッグ・カーブの時以来、久しぶりに凄んでみせた。

「何よ!」
かっと顔を赤くしたレベッカは、スラッルス・トークンを睨むと歩き出した。

「どこへ行く?」
とスラッルス・トークン。

レベッカ・ショアは無言。

「おい、ふざけんな!」
とスラッルス・トークン。

レベッカ・ショアは、吹っ飛ばされた道のりを戻ろうとしていた。

「何を考えているんだ!テメエは!」
スラッルス・トークンは、本気で怒鳴った。

レベッカ・ショアが、生きようが死のうが、スラッルス・トークンには、どうでもいい。

所詮、その程度の付き合いだ。

でも、今、じゃない。

今、レベッカ・ショアが死んだら、キャスリーヌはどうなる?

学生を誘導してまで、レベッカ・ショアを助けたキャスリーヌ。

レベッカ・ショアを助けると決めて、自ら動いたキャスリーヌ。


マーゴットとキャスリーヌに合流してから、キャスリーヌを見つけた学生から話を聞いたスラッルス・トークン。

『大人の男がいるから、警戒して、木の陰にじっと隠れて見ていたって。』

キャスリーヌは、隠れていたのだ。

キャスリーヌは、忖度しないだけで、別に好戦的ではない。

友達のレベッカ・ショアが危ないから。
レベッカ・ショアを助けるために、キャスリーヌは隠れていた木の陰から出てきた。

出来事を全て繋げていくと、そういう結果になる。

スラッルス・トークンに本気で怒鳴られたレベッカ・ショアは、びくっとした。

「何よ、何よ。
分かった気になって、私を判断しないで。

私は、私なのに。

前はうまく生きていたの。

この世界はなんなの!
何もかもがむちゃくちゃよ!
わけわかんない。」

スラッルス・トークンに怒鳴られたショックで涙を流すレベッカ・ショア。

スラッルス・トークンは、レベッカ・ショアの口から零れ落ちていく言葉に、目を見開いた。

「レベッカ。テメエ、異世界転生者か。」
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