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第6章 可動式魔法遺跡、クークード遺跡の見学ツアーに参加しよう。
195.マーゴット・ガラン。スラッルス・トークンの魔法と魔力に対する意識を聞いた。『レベッカ・ショアも異世界転生者として、狙われている?』
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さて。
キャスリーヌと合流しようとマーゴットは、キャスリーヌを探していた。
帰る前に、側近のキャスリーヌとスラッルス・トークンの打ち合わせをしておきたい。
スラッルス・トークンは、銀色の球体の後、クレーンゲームをみつけて走っていったが、青ざめて戻ってきた。
「クレーンゲームじゃない。あんなのクレーンゲームとは言わない。」
と草の上に寝転がるスラッルス・トークン。
マーゴットは、クレーンゲームを見にいった。
部屋の天井に、腕が2本ぶら下がっている。
クレーンゲームの参加者は、床にある透明な球体に入り、天井からぶら下がっている腕に、球体ごと捕まえてもらう遊びだ。
マーゴットも入ってみた。
球体は、狭くもなく、清潔で、快適。
1つの球体に、1人ずつ。
マーゴット以外にも、球体に入っている人はいる。
2つ隣が持ち上がっていく。
そして。
ぐしゃっ。
腕は、球体を握り潰した。
中にいた人は、握りつぶされる直前に、するする移動している。
「スリリングがたまらない!」
と頬を紅潮させている。
うん。
いかにぎりぎりまで、粘って脱出するか、を考えるだけで、マーゴットの心は躍る。
スラッルス・トークンは、なぜ青ざめていたんだろう?
魔法は常時発動しているから、魔法を使えばいい。
魔法は、魔力がある人間が、魔力を意識して練習すれば使える。
考えるよりも先に、反射的に魔法を使う人もいる。
マーゴットは、わくわくしながら、待っていた。
マーゴットの番が来た。
球体が、ぐしゃっとなる瞬間飛び出して、天井からぶら下がっている腕の上に、タンと降り立つ。
見物人から拍手が起こった。
「あれ、今の、かっこいい。」
「今の、やる!」
「次は、腕に乗る!」
拍手喝采の中、軽々と床に着地すると、見物人が手を振ってきたから、振り返す。
「楽しい。」
マーゴットは、とても楽しんでから、スラッルス・トークンの元に戻った。
「楽しかったんかー。そーかー。」
スラッルス・トークンは、ご機嫌なマーゴットを言葉少なに迎えた。
「何がダメだった?」
とマーゴット。
「ぐしゃっと球体が、潰れる瞬間に、もうダメだ!死ぬ、潰れる!と。
パニックになると、魔法なんて使えない。
見ていた人が、見かねて魔法を使ってくれて良かった。」
とスラッルス・トークン。
「魔法は、反射的に使わない?」
とマーゴット。
「魔法は咄嗟に出ない。
魔力を理解して、魔法があるとは知っているけれど、咄嗟の場面では、前世の常識で、体が動くわー。
魔法は無意識では使えないなー、俺は。」
とスラッルス・トークン。
スラッルス・トークンの解説を、ふんふんと聞いていたマーゴットは、はたっと思い至った。
自分自身に魔力があると思っておらず、魔法が使えなかったレベッカ・ショア。
魔法を使わない道具もあるけれど。
魔導具がある暮らしの中にいたら、魔力や、魔法の存在に気づくチャンスはいくらでもある。
でも、最初から、自分に魔法は無縁だと思い込んでいたら?
魔力の存在は、これが魔力だと、自身で知らなければ気づかない。
最初から、魔力の存在を信じていないなら、魔力には気づかない。
魔力については、家族が、気づくきっかけを作ることが多い。
でも。
レベッカ・ショアは、家族よりも、侍女に傾倒していて、教育も日々の世話も、侍女に委ねていた。
レベッカ・ショアが魔力について言い出さないから、レベッカに魔力があることを教えなかった侍女。
マーゴットは、1つの仮説をたてた。
レベッカ・ショアは、異世界転生者ではないか?と。
レベッカ・ショアの侍女は、レベッカ・ショアが異世界転生者だと知っていて。
レベッカ・ショアにニンデリー王立学園への進学を勧めた。
レベッカ・ショアが、母国を出て、親元から離れ、外国のニンデリー王立学園に入学するようになって。
レベッカ・ショアの生活全般は、侍女への依存度を一気に高めたはず。
その環境で、レベッカ・ショアが学生生活を送り始めてから、姿を消した侍女。
レベッカ・ショアが、異世界転生者だと侍女が知っていて、ニンデリー王立学園に連れてきてから、姿を消したんだとしたら?
レベッカ・ショアを使用人を帯同しない貴族の女子寮に追いやろうとしていた、ニンデリー王国の第1王子派の貴族のご令嬢方と、使用人帯同の貴族の女子寮の職員。
追い出す先を、使用人を帯同しない女子寮に、最初から限定していなかったか?
レベッカ・ショアに使用人がいない状態になったのは、レベッカ・ショアの侍女が出奔したから。
レベッカ・ショアの使用人は、ニンデリー王立学園の使用人と面識があり、人気者。
状況証拠ばかりだけど、符丁は合う。
今日、クークード遺跡を出る前に、レベッカ・ショアにも確認しておかなくては。
レベッカ・ショアも、スラッルス・トークンと同様に、『魔法の進化』の研究素材として、ニンデリー王立学園にいる可能性が高くなる。
レベッカ・ショアが、異世界転生者だとしたら。
スラッルス・トークンとレベッカ・ショア。
マーゴットがよく知る2人とも、命を狙われていることになる。
キャスリーヌと合流しようとマーゴットは、キャスリーヌを探していた。
帰る前に、側近のキャスリーヌとスラッルス・トークンの打ち合わせをしておきたい。
スラッルス・トークンは、銀色の球体の後、クレーンゲームをみつけて走っていったが、青ざめて戻ってきた。
「クレーンゲームじゃない。あんなのクレーンゲームとは言わない。」
と草の上に寝転がるスラッルス・トークン。
マーゴットは、クレーンゲームを見にいった。
部屋の天井に、腕が2本ぶら下がっている。
クレーンゲームの参加者は、床にある透明な球体に入り、天井からぶら下がっている腕に、球体ごと捕まえてもらう遊びだ。
マーゴットも入ってみた。
球体は、狭くもなく、清潔で、快適。
1つの球体に、1人ずつ。
マーゴット以外にも、球体に入っている人はいる。
2つ隣が持ち上がっていく。
そして。
ぐしゃっ。
腕は、球体を握り潰した。
中にいた人は、握りつぶされる直前に、するする移動している。
「スリリングがたまらない!」
と頬を紅潮させている。
うん。
いかにぎりぎりまで、粘って脱出するか、を考えるだけで、マーゴットの心は躍る。
スラッルス・トークンは、なぜ青ざめていたんだろう?
魔法は常時発動しているから、魔法を使えばいい。
魔法は、魔力がある人間が、魔力を意識して練習すれば使える。
考えるよりも先に、反射的に魔法を使う人もいる。
マーゴットは、わくわくしながら、待っていた。
マーゴットの番が来た。
球体が、ぐしゃっとなる瞬間飛び出して、天井からぶら下がっている腕の上に、タンと降り立つ。
見物人から拍手が起こった。
「あれ、今の、かっこいい。」
「今の、やる!」
「次は、腕に乗る!」
拍手喝采の中、軽々と床に着地すると、見物人が手を振ってきたから、振り返す。
「楽しい。」
マーゴットは、とても楽しんでから、スラッルス・トークンの元に戻った。
「楽しかったんかー。そーかー。」
スラッルス・トークンは、ご機嫌なマーゴットを言葉少なに迎えた。
「何がダメだった?」
とマーゴット。
「ぐしゃっと球体が、潰れる瞬間に、もうダメだ!死ぬ、潰れる!と。
パニックになると、魔法なんて使えない。
見ていた人が、見かねて魔法を使ってくれて良かった。」
とスラッルス・トークン。
「魔法は、反射的に使わない?」
とマーゴット。
「魔法は咄嗟に出ない。
魔力を理解して、魔法があるとは知っているけれど、咄嗟の場面では、前世の常識で、体が動くわー。
魔法は無意識では使えないなー、俺は。」
とスラッルス・トークン。
スラッルス・トークンの解説を、ふんふんと聞いていたマーゴットは、はたっと思い至った。
自分自身に魔力があると思っておらず、魔法が使えなかったレベッカ・ショア。
魔法を使わない道具もあるけれど。
魔導具がある暮らしの中にいたら、魔力や、魔法の存在に気づくチャンスはいくらでもある。
でも、最初から、自分に魔法は無縁だと思い込んでいたら?
魔力の存在は、これが魔力だと、自身で知らなければ気づかない。
最初から、魔力の存在を信じていないなら、魔力には気づかない。
魔力については、家族が、気づくきっかけを作ることが多い。
でも。
レベッカ・ショアは、家族よりも、侍女に傾倒していて、教育も日々の世話も、侍女に委ねていた。
レベッカ・ショアが魔力について言い出さないから、レベッカに魔力があることを教えなかった侍女。
マーゴットは、1つの仮説をたてた。
レベッカ・ショアは、異世界転生者ではないか?と。
レベッカ・ショアの侍女は、レベッカ・ショアが異世界転生者だと知っていて。
レベッカ・ショアにニンデリー王立学園への進学を勧めた。
レベッカ・ショアが、母国を出て、親元から離れ、外国のニンデリー王立学園に入学するようになって。
レベッカ・ショアの生活全般は、侍女への依存度を一気に高めたはず。
その環境で、レベッカ・ショアが学生生活を送り始めてから、姿を消した侍女。
レベッカ・ショアが、異世界転生者だと侍女が知っていて、ニンデリー王立学園に連れてきてから、姿を消したんだとしたら?
レベッカ・ショアを使用人を帯同しない貴族の女子寮に追いやろうとしていた、ニンデリー王国の第1王子派の貴族のご令嬢方と、使用人帯同の貴族の女子寮の職員。
追い出す先を、使用人を帯同しない女子寮に、最初から限定していなかったか?
レベッカ・ショアに使用人がいない状態になったのは、レベッカ・ショアの侍女が出奔したから。
レベッカ・ショアの使用人は、ニンデリー王立学園の使用人と面識があり、人気者。
状況証拠ばかりだけど、符丁は合う。
今日、クークード遺跡を出る前に、レベッカ・ショアにも確認しておかなくては。
レベッカ・ショアも、スラッルス・トークンと同様に、『魔法の進化』の研究素材として、ニンデリー王立学園にいる可能性が高くなる。
レベッカ・ショアが、異世界転生者だとしたら。
スラッルス・トークンとレベッカ・ショア。
マーゴットがよく知る2人とも、命を狙われていることになる。
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