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第5章 丸付けは、全部終わってからだよ?後手に回ったからって、それが何?

144.打ち合わせ。レベッカ・ショアを侍女見習いにする理由。

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さて。
レベッカ・ショアの持ち物や、レベッカ・ショアが侍女に与えた物から判断するとショア家は、裕福な部類だ。

娘の教育を侍女に丸投げしているが、それほどに侍女への信頼が厚いのか。

レベッカ・ショアの侍女は、実際のところ、どのような人物だったのか。

「レベッカ・ショアの侍女の評判がいいのは、ニンデリー王国の貴族の中だけだよね?」
とキャスリーヌ。
「前職が、ニンデリー王国の貴族の侍女だったりするのかな?
もしくは、家庭教師?
もしかして、侍女自身が、ニンデリー王国の貴族?」

アレックス談義で、中断したが、話題は元に戻した。

マーゴットもキャスリーヌも、トゥーミラの正体には触れない。

バネッサには、国の目が届いていることを肝に命じて、好きに行動しようと思う。

「バネッサ。
ショア家自体を調べておくといいわ。
レベッカ・ショアをトゥーミラの見習いして鍛えるのだから、ショア家からの謝礼を考えておきなさい。」
とマーゴット。

「うえ。何ですか?淑女教育していない12歳を侍女見習いにするメリットって、何がありますか?めんどくさい。」
とトゥーミラ。

「バネッサに逆らわない侍女がもう1人ほしい。」
とマーゴット。

「1人じゃ、足りません?」
とトゥーミラ。

「足らない。使える目と、手足がほしい。」
とマーゴット。

「えー。」
とトゥーミラ。

「トゥーミラは、バネッサの侍女で護衛。
これは変わらない。
レベッカ・ショアは、生活力があるから、仕込めば、働くわ。
内部にまで入れる必要はない。外側に置きなさい。」
とマーゴット。

「人手は増えるけど、手間が倍増。」
とトゥーミラ。

「外側で、起こる反応を確認できる方が、護衛としては、困らないわ。」
とマーゴット。

「その通りですけどー。」
とトゥーミラ。

「レベッカ・ショアとレベッカ・ショアの侍女の関係と、平民女性とアレックス。2つの関連性は、分からない。

ただ、アレックスは、ニンデリー王立学園の卒業生で、自身の卒業後、妹を入学させた。
レベッカ・ショアの侍女は、アレックスがいなくなってから、侍女として、新入生のレベッカ・ショアとニンデリー王立学園にきた。
ニンデリー王立学園が鍵になる可能性は、念頭においておく。」
とマーゴット。

「あとは、パメラ・ブルダム。」
とキャスリーヌ。

「侯爵家のご令嬢の下僕やっている新入生。」
とトゥーミラは、身も蓋もない。

「ブルダム家と、パメラ自身、もしくは、ブルダム家の後継ぎについて、調査したいよね?」
とキャスリーヌ。

「関わらないんじゃ、なかったの?」
とバネッサ。

「こちらからは、関わらない。レベッカ・ショアに刺激されたから。遅かれ早かれ、動き出すわよ。」
とマーゴット。

「侯爵家のご令嬢の下僕ということは、下僕になったご令嬢、ご令嬢の家、もしくは、ご令嬢の家の後継を侯爵家が取り込みたかったんだよね?」
とキャスリーヌ。

「ニンデリー王国の貴族の内情に踏み込むの?」
とバネッサが懸念する。

ニンデリー王国の王侯貴族との関わりは、外交部に忠告されている。

「私達は、踏み込まない。踏み込んでいる人間から、情報を買う。見返りに何を要求されるかな?」
とキャスリーヌ。

「誰のこと?」
とバネッサ。

「クロッグ・カーブ。私達に第2王子の警告をした男子学生。貴族ネタを知っていると思うよ。」
とキャスリーヌ。
「事情通の警告というより、関係者ぽい雰囲気だったんだよね。」
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