子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第5章 丸付けは、全部終わってからだよ？後手に回ったからって、それが何？

138.帰ってこない人を待つ側。

「レベッカ・ショア。侍女を探す気はある？」
とマーゴット。

侍女を探しだして、生きているなら話し合い、死んでいるなら、別れを告げないと、レベッカ・ショアの中で区切りがつかない。

帰ってこない侍女を求め続けながら、自分を何をしてもダメな人間と卑下し続けることになるレベッカ・ショアの未来が、マーゴットには、手に取るように分かる。

「探したい。探すと決めたの、自分で。帰りを待っているだけでいるのは、止めた。」
とレベッカ・ショア。

「レベッカ・ショア。まず、ご両親に連絡しなさい。侍女が居なくなったとは言わずに、侍女のことを詳しく知りたくなったから、調べられる限り知りたいと頼みなさい。生まれ、育ち、前職、家族、友達、恋人。急ぎで。調べた情報は、分かり次第知らせてもらいなさい。よく知らない相手を探すことは困難。相手に詳しくならないと。」
とマーゴット。

「一緒に探してくれるの？」
とレベッカ・ショア。

「探す主役は、レベッカ・ショア、貴女がすること。集めた情報を使って、どうやって探すか、考えることは協力するわ。」
とマーゴット。

「ありがとう。マーゴットに聞きたいんだけど。」
とレベッカ・ショア。
「私を助けてくれるけれど、パメラを助けないのは、なんで？パメラも困っていたよ？」

「レベッカ・ショア。私は、貴女が困っていたから、助けたのではない。貴女が、貴女だったから、助けた。」
とマーゴット。

「え？よく分からない。詳しく言ってよ。」
とレベッカ・ショア。

「考えなさい。自分の頭を使いなさい。思考する習慣を始めて、続けてみなさい。考えるために、どんな知識が必要か？どんな考え方をすると、解決策が見つかるのか。」
とマーゴット。

「教えてくれないの？」
とレベッカ・ショア。

「思考の訓練をしなさい。」
とマーゴット。

キャスリーヌは、侍女が持ってきたお茶を配る。

「お茶を飲んだら、今から、部屋にある侍女のものを調べよう。」
とキャスリーヌ。
「残された持ち物にヒントがあったら、ラッキーだよね？」