子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

かざみはら まなか

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第5章 丸付けは、全部終わってからだよ?後手に回ったからって、それが何?

132.パメラ・ブルダム。『傷ついたら、何もしなくてもいいの?』『無害だから、何をされてもいいの?』普通の子爵令嬢パメラが、下僕になった日。

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パメラ・ブルダムは、ブルダム子爵家の次女。パメラには、姉のエイミーと双子の弟がいる。

ブルダム家は、ニンデリー王国にある中堅の子爵家。

パメラの姉エイミーは、ニンデリー王国の第2王子と同学年だった。

パメラの姉エイミーの口癖は、楽に生きたい。

姉の友人が、第2王子と親しくしだしたのをきっかけに、第2王子の取り巻きになった。

パメラの姉エイミーは、権力には興味がなかった。
愛人の子どもとして遇されている第2王子と結婚したら、公務もないし、楽できそうというのが、第2王子との距離を詰めた理由だ。

パメラの姉エイミーは、友人や他の取り巻きより優位に立つために、第2王子と合意の上で関係を持ったらしい。

パメラの姉エイミーは、関係を持ったことで、第2王子との結婚は確実と踏んでいた。

ところが。
第2王子は、結婚は、高位貴族のご令嬢がいいと公言し始めた。

そうなると、第2王子のハーレムと呼ばれていた下位貴族のご令嬢方は、王子妃候補ではなく、若かりし日の遊び相手に格下げになる。

第2王子妃として期待されていたときは、ちやほやしてくれていた周囲も、遊び相手だと認識を改めた途端、仲良く遊ぼうと誘われるようになった。

特に、パメラの姉エイミーは、第2王子と関係があることを隠さなかったので、お誘いは、ひっきりなしだったらしい。

パメラの姉エイミーが、第2王子と関係があったと知った両親は、責任とって、第2王子はパメラと結婚してほしいと、王家に願い出た。

しかしながら。
王家からは、第2王子には、真実愛する人と結婚させるから、第2王子との逢瀬は、良い思い出とするように、とのお達しがきた。

この時点で、パメラの姉エイミーが第2王子と結婚する未来は潰えた。

パメラの姉エイミーは、第2王子がだめでも、楽に生きられる相手なら、と結婚相手を探し始める。

パメラの姉エイミーは、第2王子の件で、体の関係では、繋ぎ止められないと学習した。
だから。
婚前交渉はしないと決めて、婚活を始めた。

しかし。
婚前交渉出来ないと男性に知れ渡ると、ぴたり、と相手がいなくなった。

『ぱっとしない第2王子が、若気の至りで食って飽きた女。』

それが、男性から見たパメラの姉エイミーの評判だった。

『火遊びする魅力もない。第2王子も何が良かったのか?』
『話題になるかと思って誘ってみたが、ノッてこない上に勘違いして面倒だ。もう近寄らない。』
と。
パメラの姉エイミーは、婚活に行く度に、男性陣から聞こえてくる評価を何度も耳にすることとなった。

男性に結婚相手にされないどころか、ネタ扱いされている現実を突きつけられたパメラの姉エイミーは、引き込もってしまった。

パメラの姉エイミーの話題は、天気の話並みに、気軽に取り上げられていたらしい。
一種の時候の挨拶と化していたそうだ。
男性の社交場では、特に。

パメラの姉エイミーが引きこもり、しばらく経って。

パメラの姉エイミーの評判が、家の付き合いにも影響し始めた。

困っていたパメラの両親は、相談に乗ってくれた侯爵家に従う決断をした。

そして、後継ぎではないパメラを人質として、侯爵家に差し出したのである。

パメラの両親としては、パメラの姉エイミーの悪評により、パメラが同類に見られて狙われる未来を回避する目的もあった。

「姉のエイミーの評判を聞いた悪ガキによって、パメラが、学園の中で、どこかに引きずり込まれないように、侯爵家に預けることにした。」
まだ学園に入学前のパメラに、性的な危険性を告げることを、パメラの両親は、躊躇った。

パメラは、何の説明もされないまま、学園入学まで、侯爵家で過ごした。

今年。
パメラは、姉エイミーの後始末と家と両親と弟のために、侯爵家のご令嬢の下僕として、入学することになった。
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