子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第5章 丸付けは、全部終わってからだよ？後手に回ったからって、それが何？

129.転生貴族令嬢レベッカ・ショア。私とあの子パメラ・ブルダムの違い。

「パメラ・ブルダム。」
あの子は名乗った後に、続けた。
「どうして、私のところへ来たの？私を助けてくれるの？」

「私も助けられたばかりだから、かな。」

レベッカ・ショアは、パメラ・ブルダムの手を引いて、寮の職員のところへ。

「ほら。」
と促すレベッカ・ショア。

パメラ・ブルダムが、寮の職員の前まで行ったとき。

パメラ・ブルダムは、レベッカ・ショアを押し出して後ろに隠れた。

「え？何してるの？」
レベッカ・ショアは、驚いて、背中にいるパメラ・ブルダムを振り返る。

「ねえ？黙っていたら、同じことの繰り返しだよ？」
レベッカ・ショアは、パメラ・ブルダムに話しかける。

パメラ・ブルダムは、レベッカ・ショアの後ろから動かない。

パメラ・ブルダムは、レベッカ・ショアの背中をぐいぐい押してくる。

「さっきから、無言で背中を押してくるの止めてよ。意味が分からないんだけど。」

レベッカ・ショアが、苦情を入れると、パメラ・ブルダムのぐいぐいは、激しくなった。

「本当に意味が分からないんだけど？寮から出たくないなら、出たくないって、意思表示しなって。」
レベッカ・ショアは、いらっとして、口調がきつくなった。

「レベッカ・ショア。その娘に関わるのは、止めなさい。」
とマーゴット。

「え？なんで？なんかある？」
レベッカ・ショアは、いらいらを一瞬忘れて、きょとんとマーゴットを見た。

「その子は、自分で話したくなったら、話すタイプだよ。レベッカは、寮から出たくないと意思表示することを教えただけでも、十分親切。方法が分かったから、どうするかは、その子次第。離れた、離れた。」
とキャスリーヌ。

「え？」
レベッカ・ショアは困惑している。

マーゴット、キャスリーヌ、バネッサは、なんでもないことのように、レベッカ・ショアに手を差し伸べてくれた。

だから、パメラ・ブルダムのことも、当然のように助けてくれるものだと思っていた、マーゴットが。

「助けないの？」
レベッカ・ショアは、恐る恐るマーゴットに尋ねた。

何か、思い違いをしたのだろうか？

「レベッカ・ショア。貴女と、その娘の違いは何？」
とマーゴット。

レベッカ・ショアは、考えてみた。
結論。
「嫌われ者同士、くらいしか知らない。」

「レベッカ・ショア。貴女には、できることがあり、それを伸ばせば、将来に繋がるものがある。その娘には？」
とマーゴット。

「え？さあ。」
レベッカ・ショアは、パメラ・ブルダムをつついた。
「ちょっと。黙ってないで、なんか答えたら？自分のことなんだし。」

パメラ・ブルダムは、だんまりを決め込んでいる。
背中の次は、レベッカ・ショアの脇腹を押してくる。

地味に痛くて嫌だ。

なんで、寮の職員に、宣言しにいけば？とパメラに勧めただけなのに、全然うまくいかないんだろう？