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第5章 丸付けは、全部終わってからだよ?後手に回ったからって、それが何?

121.転生貴族令嬢レベッカ・ショア。寮の職員との会話は、成立するのか?

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寮の職員は、手を打ち鳴らして、玄関ホールに居合わせたご令嬢と侍女達の注目を集めた。
「困りましたね。このような揉め事は、栄えあるニンデリー王立学園の使用人帯同の貴族の女子寮に相応しくない出来事です。」
と寮の職員。

困ると言うくらいなら、見てないで、止めなさいよ。
私は、思わず、寮の職員を睨んでしまった。

「まあ。反省もしないで、わたくしを睨みつけるなんて。」
と寮の職員。

「困るくらいなら、止めに来てください。見ていましたよね?始まる前から、通しで見える位置にいましたよね。」
私は、考えたことをそのまま口に出していた。
話しているうちに、思いついたことも追加してしまった。

「レベッカ・ショア様。先程、自分の思い通りになることを他人に期待することは良くないと、指摘されていましたね。同じ過ちを繰り返さないようにしてください。」
寮の職員が、注意してくるんだけど、言い方がおかしくない?

『言い方がおかしい。』
と前世の意識。

『寮の職員の言い草だと、寮の職員の言い分をラストの彼女が代弁した、ようにも受け止められる。』

「今のって、職員の言いたいことを寮生に言わせたわけ?」
私は、わざわざ、聞いてみることにした。

「あの子は、職員の子分だったりするの?」

ラストの彼女を見ると、子分という単語に、ちょっと顔がほころんでいる。

え?
寮の職員の子分呼ばわりされて、嬉しいの?
趣味が、良くわからない。

「わたくしには、そのような下世話なものは、存在しません。」
と寮の職員。

下世話?うーん。

「職員の言いたいことをあの子に代弁させたの?」

「彼女は、当然の真理を述べたまで、です。」
と寮の職員。

「真理。」
真理の話なんて、私はしてないよ?
スッキリしない会話。
なんか、嫌。

「この女子寮に暮らす者にとって、真理は、守るべきルールです。分かりましたね?」
と寮の職員。

「はい。」
状況的に、私が注意されているのは、正しいの?

何の話をしているのか、よく、分からなくなった。

「わたくしの監督する女子寮に、ルールを守れない寮生をおいておくわけには、まいりません。」
と寮の職員。

「その通りですわ。」
と公爵家のご令嬢。
「では、いかがなさいます?」
と侯爵家のご令嬢。
「不安です。その方は、新入生にも関わらず、毎日、外部からの伝言を確認しにきていたのでしょう。」
と別の侯爵家のご令嬢。
「まあ、はしたない。同じ寮生だと思われるのは、たえられませんわね。」
と、また別の侯爵家のご令嬢。

ギャラリーになっているご令嬢と侍女達が、ざわざわし出した。
私を見る目が、軽蔑一色に染まっていく。

今、軽蔑されるような、何かしら、あった?
なかったよね。

ひょっとして、侯爵家のご令嬢が、言った、はしたない、という単語に反応した?
『はしたない。に、反応したのか、それより前に反応したのか、分からない。
果たして、何がはしたないか。
推測だけど、外部からの伝言かな。』
と前世の意識。
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