子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

かざみはら まなか

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第5章 丸付けは、全部終わってからだよ?後手に回ったからって、それが何?

97.バネッサとアレックス。獅子身中の虫。

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バネッサとアレックスが共に過ごした時間は、アレックスが学園に行くまでの期間と、帰省によりオッドア伯爵領にアレックスが帰ってきたときと、アレックスが卒業してから、バネッサのニンデリー王立学園入学まで。

小さいバネッサにとって、アレックスは、良く泣く兄。

小競り合いの対応中、たまに帰ってくるアレックスは、婚約者に冷たい兄。

卒業して家にいるアレックスは、女の人にモテる兄。

女の人といっても、伯爵家の使用人限定だったが。

アレックスは、ニンデリー王立学園が楽しかったらしく、学生時代に戻りたいとばかり口にしていた。

婚約解消のカウントダウンが始まり、婚約者のご令嬢が、オッドア伯爵領から出ていった。
アレックスは、戦いという貴族の責務を果たすこと全てに、使用人を代理に立てて、一切顔を出さなくなった。

子どものときの悪知恵どころではなく、口が回るようになり、口論になると丸め込まれることもある、と、旧知の使用人は、零すようになった。



学生だったときのアレックスは、ニンデリー王立学園から帰国すると、通りすがりのバネッサに一方的に話をして去っていく。

『戦いに好んで参加するのは野蛮だ。』
『戦で得られるものはないと知るべきだ。』
『武力に頼むんじゃなく、賢いやつは頭を使う。』
『力任せは、馬鹿のすること。』
『武器を手に、人に攻撃できるなんて、頭がおかしい。』
『人殺しと同じところに住みたくない。』

オッドア伯爵家の当主夫妻である父母、嫡子である長男には言わない。

妹のバネッサが1人でいるときにだけ、アレックスは言いたい放題するのだ。

アレックスの言う通りにしなくては、と思い込んでいたんだろう?とバネッサは思う。

全然、親しくもない兄妹だったのに。


アレックスは、在学中、ニンデリー王立学園の学園内で、妹に投げつけた言葉と同様か、それ以上の言葉を使い、妹のことを話して回ったのだと思うとバネッサは語った。

ニンデリー王立学園の貴族は、アレックスのバネッサ評を聞いてきた。

バネッサにとって、アレックスは、獅子身中の虫だろう。
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