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第4章 学生色々。学校でのトラブルって、避けられるものと、避けられないものがあるんだよね。

91.繋いだ縁、繋がれた縁。

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「バネッサと貴女の間に何の関係があるの?聞いたことがないんだけど?」
とキャスリーヌ。

「バネッサの兄と私は結婚するの。」
と照れるナユカ。

「へえ?兄ってどんな人?」
とキャスリーヌ。

「カッコいい年上の男性だって。女の人に人気だけど、本気になれる人がいなくて。バネッサの兄と私が結婚して、バネッサが第2王子妃になるの。」
ナユカの頬は紅潮している。

「バネッサの兄とは、どこかで会っているの?」
とキャスリーヌ。

「これから、バネッサが会わせてくれる。私達は、友達だから。」
当然のように話すナユカ。

「バネッサの兄の話しで、他に聞いたことは?」
探りを入れるキャスリーヌ。

「バネッサの兄は、王太子殿下に失望されたって。大丈夫。私がジョンストン伯爵になって、バネッサの兄と結婚する。バネッサは、第2王子と結婚するの。」
と目を輝かせるナユカ。

「バネッサと第2王子の結婚を言い出したのは、誰?」
とキャスリーヌ。

くふふ、と思い出し笑いをするナユカ。
笑い終わると、緩んだ口元のまま話し出すナユカ。
「バネッサの兄がね。バネッサは、人を傷つけるのが平気だから、武器を人に向けるときも、武器を振り下ろすときも、躊躇わないんだよって。怖いよね?ヤバイよねって。
でも、私は友達だから。
私がいるから、バネッサは、バネッサの兄に酷いことをしないよって、安心してって言ってあげるわ。」
ナユカは、さも名案かのように話している。
「バネッサだって、バネッサの兄に怖がられたり、ヤバいヤバいと言われたくないものね?大丈夫。私が橋渡しをしてあげるから。」
興奮して、早口になっていくナユカ。
ナユカは、悪意でなく、善意でバネッサに話しかけている。

マーゴットは、ナユカの口を閉じさせることにした。

バネッサの表情が固い。

アレックスは、ニンデリー王立学園の学生時代か、卒業してからかは不明だが、学園内で、バネッサを揶揄する内容を話していた。
それがアレックスの卒業後も、ニンデリー王立学園内で囁かれ続けており、アレックス卒業後の新入生にまで届いている。

対人関係を築けていないナユカの耳に入ってくるくらいに。

「貴女。ジョンストン伯爵家として、コーハ王国の貴族への謝罪は、いつするの?」
とマーゴット。

ナユカは、ぷっと吹き出した。
「バネッサは、強くて、簡単に人を殺せるんだから、ハーメリーが来ても、本当は平気よね?」
と半笑いのナユカ。

ナユカは、半笑いのまま、バネッサの顔を覗きこむ。

「バネッサは、ハーメリーなんか、怖くないんでしょ?適当にやり過ごせるなら、やり過ごしてよ。
私を苦しめないで。
友達なんだから。
ギスギスしたままでいるのは良くないわ。
今日のことは、水に流して、仲良くしましょう。」
ナユカは、本気で、言っている。

マーゴットは、バネッサとキャスリーヌに合図した。
「交渉は決裂ね。ジョンストン伯爵家には、外交部から連絡がいく。」

「ナユカ・ジョンストン。貴女とは、同級生として話すことはあっても、友人としての付き合いは、しない。」
とバネッサ。

「わたしも、ジョンストン伯爵家とは、付き合わないわ。」
とマーゴット。

「私も、ジョンストン伯爵家とは付き合わない。」
とキャスリーヌ。

3人は、結界をとき、ナユカの侍女の結界は、壊して部屋を出る。

ナユカの秘書が、3人と入れ替わりにナユカに近づいていった。
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