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第4章 学生色々。学校でのトラブルって、避けられるものと、避けられないものがあるんだよね。
90.真面目にコツコツしているより、要領を掴むのが早い方の評価が上で、要領の良い方に期待がよせられ、望んでない大役が転がりこんでいく。
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「貴女は、第1王子派や第2王子派のどちらでもないと宣言しているそうだけど、ジョンストン伯爵夫人、貴女の叔父の現ジョンストン伯爵、貴女の秘書は、何をどう考えてるか、知っている?」
ナユカの返事は予想できる。
確認のため、わたしは聞いてみることにした。
「知らない。聞かれたことも、聞いたこともないわ。」
とナユカ。
ナユカは、伯爵家の嫡女と自らを位置づけるわりに、嫡女としての役割を理解していない。
長女に生まれたから、長女だと主張しているかのよう。
嫡女という包装を外すと、空っぽの箱が出てきたときのガッカリ感。
12歳なら、このままでも通じる?
嫡女の虚像は、来年まで保たせられないだろう。
底の抜けたバケツに水を入れても、全て漏れる。
若干の水滴を残して。
「貴女自身の考えは?」
1度、ナユカに話させてみようか?
自分というものを。
ナユカは、自身の意見や思いを尋ねられた経験に乏しいように見える。
何を掘り当てることができる?
「私?」
ナユカの顔がぱっと明るくなる。
「ナユカ・ジョンストンは、何を考えているの?」
今までの鬱々した様子から切り替わった
「ジョンストン伯爵家の養女だからって、ハーメリーは絶対に嫌。ジョンストン伯爵家として、繋がりを持つなら、バネッサがなってほしい。」
思い詰めた口ぶりのナユカ。
なんで、バネッサが関係ある?
ナユカ・ジョンストンの部屋の中で、ずっと黙っていたキャスリーヌが、初めて口を開いた。
「ハーメリーの代わりにバネッサをって、第2王子妃に?」
「そうよ。それがいい。どうして、ハーメリーなの?バネッサは、伯爵令嬢で、私の友達。バネッサが第2王子妃よ。」
と急に明るくなるナユカ。
「王子妃にバネッサという選択肢のヒントは、いつから?どこから?誰から?」
とマーゴット。
「何なの?急に。めでたいことなんだから、応援して。」
とナユカ。
「ナユカが、第2王子との結婚をめでたいと考えているのなら、ナユカが結婚したら?ジョンストン伯爵家に第2王子が婿入り。」
とバネッサ。
得体のしれない政略結婚など、安易に承諾したりはしない。
「ダメよ。それじゃ、ハーメリーが持っていくわ。」
と焦るナユカ。
「どういう意味?」
とキャスリーヌ。
「ハーメリーの方が、私より出来がいいのよ。私はずっと仕事をしてきたのに、ハーメリーは、私より早いの。」
ナユカは苛々と机を指で叩く。
「他者からの仕事の評価の話?」
とのキャスリーヌの呟きはナユカの耳に届かなかった。
「私は、これ以上、ハーメリーに負けるわけにはいかないの。ハーメリーは、平気な顔して、欲しがっていないのに、私のものを勝手に手に入れていくの。」
ナユカの顔から明るさは掻き消え、憎しみがかまをもたげてきた。
「後継ぎ交代の話しがあるの?」
とバネッサ。
「どっちか、と言われているの。ハーメリーが家を出て第2王子妃になるか、私じゃなく、ハーメリーに貴族の婿をとらせて、後継ぎにするか。」
と話すナユカの目は、ギラついている。
「私は、どっちも嫌。ハーメリーに王子妃になってほしくないし、ハーメリーに家にいてほしくもない。ジョンストン伯爵家は、私の家。ハーメリーの家じゃない。」
と、ナユカは吐き捨てる。
「ハーメリーに婿をとらせるとなったときの、貴女の行く末は?」
とマーゴット。
「知らない。誰も彼も私のことなんていないように扱う。仕事以外で、私に話しかける人も、私の話をする人もいない。私が、どうなるか、なんて、私が一番知りたいわよ。」
ナユカは、うねる怒りを目に蓄えていた。
ナユカの返事は予想できる。
確認のため、わたしは聞いてみることにした。
「知らない。聞かれたことも、聞いたこともないわ。」
とナユカ。
ナユカは、伯爵家の嫡女と自らを位置づけるわりに、嫡女としての役割を理解していない。
長女に生まれたから、長女だと主張しているかのよう。
嫡女という包装を外すと、空っぽの箱が出てきたときのガッカリ感。
12歳なら、このままでも通じる?
嫡女の虚像は、来年まで保たせられないだろう。
底の抜けたバケツに水を入れても、全て漏れる。
若干の水滴を残して。
「貴女自身の考えは?」
1度、ナユカに話させてみようか?
自分というものを。
ナユカは、自身の意見や思いを尋ねられた経験に乏しいように見える。
何を掘り当てることができる?
「私?」
ナユカの顔がぱっと明るくなる。
「ナユカ・ジョンストンは、何を考えているの?」
今までの鬱々した様子から切り替わった
「ジョンストン伯爵家の養女だからって、ハーメリーは絶対に嫌。ジョンストン伯爵家として、繋がりを持つなら、バネッサがなってほしい。」
思い詰めた口ぶりのナユカ。
なんで、バネッサが関係ある?
ナユカ・ジョンストンの部屋の中で、ずっと黙っていたキャスリーヌが、初めて口を開いた。
「ハーメリーの代わりにバネッサをって、第2王子妃に?」
「そうよ。それがいい。どうして、ハーメリーなの?バネッサは、伯爵令嬢で、私の友達。バネッサが第2王子妃よ。」
と急に明るくなるナユカ。
「王子妃にバネッサという選択肢のヒントは、いつから?どこから?誰から?」
とマーゴット。
「何なの?急に。めでたいことなんだから、応援して。」
とナユカ。
「ナユカが、第2王子との結婚をめでたいと考えているのなら、ナユカが結婚したら?ジョンストン伯爵家に第2王子が婿入り。」
とバネッサ。
得体のしれない政略結婚など、安易に承諾したりはしない。
「ダメよ。それじゃ、ハーメリーが持っていくわ。」
と焦るナユカ。
「どういう意味?」
とキャスリーヌ。
「ハーメリーの方が、私より出来がいいのよ。私はずっと仕事をしてきたのに、ハーメリーは、私より早いの。」
ナユカは苛々と机を指で叩く。
「他者からの仕事の評価の話?」
とのキャスリーヌの呟きはナユカの耳に届かなかった。
「私は、これ以上、ハーメリーに負けるわけにはいかないの。ハーメリーは、平気な顔して、欲しがっていないのに、私のものを勝手に手に入れていくの。」
ナユカの顔から明るさは掻き消え、憎しみがかまをもたげてきた。
「後継ぎ交代の話しがあるの?」
とバネッサ。
「どっちか、と言われているの。ハーメリーが家を出て第2王子妃になるか、私じゃなく、ハーメリーに貴族の婿をとらせて、後継ぎにするか。」
と話すナユカの目は、ギラついている。
「私は、どっちも嫌。ハーメリーに王子妃になってほしくないし、ハーメリーに家にいてほしくもない。ジョンストン伯爵家は、私の家。ハーメリーの家じゃない。」
と、ナユカは吐き捨てる。
「ハーメリーに婿をとらせるとなったときの、貴女の行く末は?」
とマーゴット。
「知らない。誰も彼も私のことなんていないように扱う。仕事以外で、私に話しかける人も、私の話をする人もいない。私が、どうなるか、なんて、私が一番知りたいわよ。」
ナユカは、うねる怒りを目に蓄えていた。
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